2006年03月12日

2月の質疑応答:大腸癌から腹膜播種による腹水の続き(4)

(1) (2) (3) の続き


3月8日のメール:先日は五苓散について色々ご解答ありがとうございました。
早速補中益気湯+五苓散で服用し始め、一週間後の血液検査で腫瘍マーカー値が下がっていましたので奏効したものと喜んでおります。

続けて服用はしていきたいと思いますが、実はまだ漢方薬局が見つからず(先日書いた薬局は本人が20年位前に行ったことがあり余りよい印象がないようで、行かないと申すものですから)是非、村田漢方薬局を伺ってみたいと申します。

近日中に伺いますのでその節はよろしくお願いいたします。

ところで、本日のご相談は、同じ五苓散が良性腫瘍に奏効すると書かれていたのを拝見し、甲状腺種にも効果があるのかどうかお尋ねしたく存じます。現在花粉症のため、小青竜湯+補中益気湯を服用中、これにあわせて飲んではいけないでしょうか?よろしくお願いいたします。


ヒゲ薬剤師のお返事メール:拝復

地元の漢方さんは、▲▲漢方薬局さんとか、老舗だからいいのではないでしょうか?
先代は高齢でお亡くなりになったと聞きますが、●●では老舗ですからご病気の内容からして、なるべく近くのほうがよいと思います。

あまりよい印象がなかった、とのことですが、当方でも決して良い印象ではありませんよ。

薬局にも色々あるのはご存知かと思い先ずが、おべんちゃらが決して言えない薬局や、逆に「巧言令色すくなし仁」を地で行くような、おべんちゃら薬局やら様々です。

初対面であまり印象がよくなくても、そこに賭けるつもりで駆け引きナシに御相談されれば、お互いに打ち解けて親身になってもらえるものと思います。

当方の薬局でも、おべんちゃらが言えない薬局の典型で、石橋を叩くやり方ですので、進行癌などのように将来命に関わるような疾患の場合は、その都度臨機応変の方剤や、あるいは大変高価なものを使用せざるを得ない場合が多々生じるなど、本格的にやれば安価なものでは済まないことも多いのです。

ただ、どの程度までの治療を望まれるかにもよりますが・・・・・

ですから、まずはそんなにのんびりしていないで、即座に▲▲漢方薬局さんにでも行って、早く体質の傾向など詳細な御相談をされることです。

当方では病気の性質上、ちょっと遠方過ぎるように思います。

時期に応じて、相当に臨機応変に漢方薬類を変化させるという融通性がお互いになければ、固定した漢方薬類に拘っては、後々、いい結果は出にくい場合もあります。


それだけに当方では、誰でも彼でも受け入れている訳ではありません。

ますは、地元の▲▲さんにもでも、早急に行ってご相談されるべきです。

歳月、人を待たず! です。そんなにのんびり出来ないはずなのですが!


ところで、良性の甲状腺腫は、弁証論治に基づいて方剤を考えるべきで、固定して考えるわけにはいきません。
五苓散などは内容物が、希薄な水様でない限りは有効ではありません。

甲状腺腫の場合は、桂枝茯苓丸などの活血化於方剤などが必要な場合も多く、一概には病名だけでは断定できません。

そもそも病名だけでは、やはり漢方薬を考えるのは無理があります。

病名で簡単に方剤が決まるようにたやすいものなら、今頃、日本全国の病院や薬局で、様々な難病が、撲滅できていることでしょう!

以上、当方に来られるよりも、まず地元です。

もしも当方に来られるとしても、ハッキリした目的意識と、どの程度までの漢方薬類を望まれるのか、判然とした意識と決意が必要です。

何度も書きますように、当方とて、決して感じの良いおべんちゃら薬局ではありませんので、印象の悪い薬局と受け取られること請け合いです。

http://bany.bz/kanpo/entry_31699.php

こういった類は最近でもちょくちょくあることなのですよ。、

以上、取り急ぎお返事まで。

頓首


先方様からの折り返しのメール:拝啓 村田先生

いつもあまりに早いご回答を頂き、感謝の言葉しかありません。
ほんとうにありがとうございます。
 
本人が周りに気遣いして気丈に振舞うので、私たちも油断してしまいがちですが

   
>時期に応じて、相当に臨機応変に漢方薬類を変化させるという融通性がお互いに
> なければ、固定した漢方薬類に拘っては、後々、いい結果は出にくい場合もあります。
>
> それだけに当方では、誰でも彼でも受け入れている訳ではありません。
>
> ますは、地元の▲▲さんにもでも、早急に行ってご相談されるべきです。
>
> 歳月、人を待たず! です。そんなにのんびり出来ないはずなのですが!


上の先生のお言葉の通りだと思いますので、早速▲▲薬局さんにお電話して、本人にも行くように説得しました。

根が楽天的なので精神的に落ち込んではいないのがまだ救いですが、先生のご指導に従ってみたいと存じます。
 
花粉症が今年は楽なので私自身も例年よりは思考回路が働いているかな?
と思いますので、できるだけ勉強していきたいと思います。

色々ありがとうございました。又つまらない質問をさせていただくと存じますが、よろしくお願いいたします。

かしこ

折り返しヒゲ薬剤師のメール:拝復

それで大正解だと存じます!

書き忘れていたかもしれませんが、当方の薬局の大原則として、特別な常連さんのご家族でもない限りは、

ご本人みずからが積極的に確かな決意と信念を持ってアクションを起こされている方でなければ、受け入れていません。

いくら親子、ご兄弟などであっても、ご本人自らの積極的なアクションが見られない場合は、丁重にお断りしているということなのです。

理由は簡単です。

これまでの経験で、今回のケースのような代理のご家族のご心配に親身に御相談に応じて漢方薬をお出しし始めたものの、ご本人様や、その周りの他のご家族達の意思統一がなされていなかったために、当方が間に挟まって随分辛い目にあったことが、一度や二度ではないからです。

ですから、貴女様のご心配に対して、僅かなアドバイスやヒント程度はお返事できても、直接的な受け入れまでは出来ないケースですので、申し訳ない事ながら、悪しからず御了承下さいませ。

頓首


折り返しの:メール拝啓 村田先生

実際患者として、外科の医師にまだ承認されていない治療や漢方薬などを使ってみてほしいとお願いした時、データーの無いものなど信じられるか!、と罵倒される立場になってみて、医療の実態を実感したように思います。

以前先生の仰った医療は「賭け」である、からこそ本人が納得したものを受けなくてはならないのですね。

いいものだと思っても家族だからこそ言えるわけで、とても他人には簡単に勧められない、というのも最近身近に重病患者が増えてきて、本当によくわかりました。

だからこそ、村田漢方薬局のような営利目的でない、本音で相談に乗って頂けるところが存在するのは患者にとってはこの上なく心強いことです。

漢方薬に生きる道を求める人のために、頑固爺(は言いすぎでしょうか<(_ _)>)でいていただきたいと思います。
 
いつもながらお忙しいのに適切なご回答ありがとうございます。

敬具
                                      
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posted by ヒゲジジイ at 00:11| 山口 ☁| 漢方と漢方薬関連の御質問 | 更新情報をチェックする