昨日のお問い合わせ:大腸癌から腹膜播種による腹水等の続き
こられの続き。
2月15日:先日はありがとうございました。本日病院で抗がん剤投与の日でしたので診察時に主治医に五苓散の処方を願いましたら、ぶつぶつ言われながらも一応出していただけました。
が、よく聞いてみますと、今まで出ていた補中益気湯は中止、五苓散(25gエキス剤)は一日2回×2包で処方されていたようです。
前回先生のおっしゃったように補中益気湯(薬局で入手済み)は必ず一緒に飲むように伝えたのですが、一日3回×各1包 +就寝前に補中だけ1包の服用ではいかがでしょうか?補中益気湯はもっと増やしてもよいのでしょうか?
実は近所の漢方薬局の先生に相談してみましたら、五苓散は実証だから癌性腹膜炎では違う、牛車腎気丸+人参養栄湯しかない、といわれ五苓散だけ買いにくくて、病院で処方してもらうようにした次第です。
補中益気湯が奏効しているので是非、合五苓散を試してみたいと思います。
3月10日頃CT撮影を予約しているようですので、それまで服用して効果があったかどうか見てみたいのですが、これでよいと思われますか?
前回先生に教えていただいた補気建中湯を処方してもらう前に上記の牛車腎気丸+人参養栄湯のエキス剤の処方も試してみてよいでしょうか?
相談のサイトでないのにだらだらと書き連ね色々勝手を申し上げ大変申し訳ございません。お時間があればご回答よろしくお願いいたします。
××××××は、昨日アガリスクのニュースがありましたことも考慮してもう少しよく調べてみようと思いました。
ヒゲ薬剤師の返事:ざっと読んだだけで、直ぐにお返事するのも何ですが、書かれているようなお医者様のことといい、お近くの漢方薬局の話といい、ちょっとバカバカしくって、直ぐにお伝えしなくてはと思い、お返事しています。
そもそも、五苓散は実証だから、という判断が大間違い!
虚実挟雑に対応した配合であり、
同時にアドバイスされた方剤も、とんでもない配合です。
牛車腎気丸+人参養栄湯なんて、まるで◎◎◎漢方ですよ。
第一、癌性腹膜炎を虚証とのみ決め込むのが根本的に間違っています。
超末期に適応することの多い補気建中湯でさえ、オウゴンや沢瀉・厚朴という実邪を取り除く生薬が配合されているのです。
これだから、日本の漢方界は、本場の中医師たちに笑われるのです!
基礎理論の部分で、まったくお話にならないのですよ。
ところで、もともと補中益気湯が合っているのなら、必ずこれを中心として五苓散は腹水の程度によって、加減すべきです。
但し、必ず補中益気湯と一緒に服用すること!!!
これによって扶正去邪という、体力をつけながら、同時に悪いもの(腹水)を除去するということが可能となるのです。
お母様の場合、先日のお手紙によれば、まだまだお元気そうですし、腹水の程度も軽そうですので、補中益気湯と五苓散を併用することで、ある程度元気になられる可能性もあると思います。
漢方薬局さん指導された牛車腎気丸+人参養栄湯では、邪を留める地黄などが邪魔になり、足などの浮腫を取ることは可能でも、腹水には決して有効な配合ではありません!
腹水に対して、どうしてこのような××な配合が考えれらるのか、まったく信じられませんよ!
(本ブログの為の参考文献:漢方と漢方薬の真実:平成18年3月2日)
なお、アガリクス問題は、当方のサイトでも、一年前から取上げております。
http://murata-kanpo.ftw.jp/u48255.html
以上、ちょっと信じられない話ばかりでしたので、早急にお返事申し上げる次第です。
肝臓癌による腹水で、当方に通えるくらいの体力があった人には、もっと実証用の方剤で、腹水を楽にしてあげて、後に本格的な配合にして随分長生きされた方もおられるくらいです。
追伸:あまりにも想像を絶する配合が書かれていたので、慌てて返信してしまいましたが、一度もご本人様にお会いしてもいないし、体質も存じ上げないので、ただ文面による憶測だけでアドバイスしていますので、どうしても不正確です。
地元の、もっとましな漢方薬局さんを見つけられて、じっくり御相談してみて下さい。
これ以上の、ご相談は、当方でもお返事することは不可能だと存じます。
予想外の医師、あるいは薬剤師の漢方知識を聞かされると、瞬間湯沸しのように気分が悪くなりますので、もっと信頼されるところに賭けてみられるのが一番だと思います。
船も船頭が多過ぎると、航海を間違えやすいものです。
また、これ以上、お話を聞くだけでも辛くなります。
そもそも●●●ともあろう大企業が、子会社に発がん性のあるアガリクスを製造させて×××するような日本ですから。
もっとましな漢方薬局をに当たって見られることです。
また、当方とて、ご本人様の体質は存じ上げないのですから、とは言え、補中益気湯が合う体質なら!前回までのアドバイスが正統な考えに間違いないものと思っています。
貴女様も、当方とか、様々異なった見解ばかりが噴出して、却って迷いが多くなるばかりで、迷っている間にも病状が悪化することだってあり得るのですから、早く地元でいい先生を見つけて、一つに絞って賭けて見られ、あまり迷わないほうが将来のためだと存じます。
当方では、これ以上のアドバイスは無理だと存じますので、どうぞ御許し下さいませ。
頓首
折り返しのお返事:あまりにも速いお返事をいただき、びっくりしました。
本当にありがとうございました。正直色々調べれば調べるほど迷うことばかりで、かえって先生の大切なお時間を使わせてしまう事になり、申し訳ございません。ご指導に従ってしばらく賭けてみたいと思います。
地元(▲▲)の漢方薬局で信用できるところがわからず、先日より知り合いにいろいろ尋ねているのですが、
○○漢方薬局が▲▲では一番老舗なのかな?と思われます。やはり自分の足で探さなければよくわかりませんね
本当にお手数おかけし、感謝申し上げます。
3月8日のメール:先日は五苓散について色々ご解答ありがとうございました。
早速補中益気湯+五苓散で服用し始め、一週間後の血液検査で腫瘍マーカー値が下がっていましたので奏効したものと喜んでおります。
続けて服用はしていきたいと思いますが、実はまだ漢方薬局が見つからず(先日書いた薬局は本人が20年位前に行ったことがあり余りよい印象がないようで、行かないと申すものですから)・・・・・・・以下省略
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