のめりこんだ理由は、残る人生、少しでも有益にと考えれば、日本の漢方の後進性を僅かでも是正し、日本漢方が多少とも世界に誇れるレベルに到達して欲しいと考えたからだ。
アメリカやフランスでも中医学(中国漢方)が盛んなのである。とりわけフランスは想像以上に中医学のレベルが高いと聞く。
50歳頃まで、各専門誌に書きまくった時期も長く、原稿料もかなり頂いたから、本代や釣竿代に随分助かった(笑)
漢方を知れば知るほど、わが愛する日本国の漢方事情に首を傾げることが増えるばかりだった。
まったくの本音を言わせて貰えば、日本漢方は本場中国の中医学理論を無視した独善的なものとしか思えない。
もちろん日本漢方にも、優れた特長が無いわけではないが、その僅かな特長だけを誇っていても進歩はない。
第一、基礎理論そのものが脆弱である。
ところで、専門誌に書くのを止めた理由は、長く連載していた会社の姿勢とまったく合わなくなったからだ。
また、いまだに日本漢方崇拝から脱することが出来ない感覚にも、うんざりしてしまった。
学問の領域では、常に「批判的に継承する」という精神が無ければ、進歩・発展はない。
ということで、しばらく完全に筆を絶って、仕事外ではチヌ釣りばかりやっていた。
ところが、先に述べたように業者がホームページの基礎を作ってくれたのがきっかけで、俄然、生来の書きなぐり癖が再発してしまった。
書きなぐった後、滅多に読み直さないから、よくテニオハを間違っていたりするが、あれは単なるキーボードの打ち間違いである(笑)
ということで、日本漢方のレベルアップに少しでも貢献できればと、辛口の評論的な複数のブログを始めたというわけであった。
本業の漢方専門薬局では、お陰さまで常連さんとは気心が知れた方ばかりで、たとえ難病系の方であっても、和気藹々とやっている分、スムーズな仕事が出来ている。
ここは明治の日本かと思われるほど、皆さん「日本的」な品性と奥ゆかしさで、一番下品でウルサイのが店主のヒゲ薬剤師一人である。
現在55歳で、もうすぐ56になってしまうが、残る人生、それほど長いとも思われない。
とても神経を消耗し尽す仕事だから、本当に当方の漢方薬を必要とすると考えられる方でなければ、販売したくない。
遊び半分や、情報過多に振舞わされて迷いが多い方、あるいはたとえ深刻であっても、駆け引きをされる方には、丁重にお断りしている。(昨今、こういう方が増えましたネ)
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