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おたより:関東地方の内科医師
今回の事業仕分けによって漢方薬が保険適用外の方針を示されました。これは、今までの日本漢方のあり方に問題があったんでしょうね。
漢方研究と言えば「1例報告」ばかりで理論的背景を考えてこなかったツケですね。加えて、西洋医学的なアプローチからの漢方研究ばかり。これでは保険適用除外の方針を考える人が多いのも分かるような気がします。
漢方の衰退期には「1例報告」も必要だったのかも知れませんが、もう「1例報告」の時代ではないですよね。しっかりとした理論的背景を持って「どうして効くのか?」という研究が必要なのだと思います。これをしてこなかった日本漢方の研究には大きな問題があるに違いありません。
漢方専門医も漢方指導医も初期の頃は、大会社の圧力で決めてきた部分もあった様に感じます。そんなことも、今の漢方の混乱をまねている原因の一つかもしれません。自分が国立病院にいた頃、漢方を殆ど学んでいない上司の先生が大きな会社の後ろ盾で「漢方指導医」になってしまうのを不思議な感覚で見ていた時を思い出します。
起きるべくして起きている現象かな?とも思います。
ウミを出さないと日本漢方の成長も無いのかも知れません…。
話は変わって福岡のアトピーの患者さんは良い方向に入ってきました。
あと、ひと山はあると思いますが、どうにかなると感じております。
これも、先生のお陰です。ありがとうございます。
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お返事メール:おたよりありがとうございます。同時にブログへの御協力感謝申し上げます。
民主党の事業仕分けの漢方薬保険適用除外の方針、これが実現されれば、目も当てられない浪費が食い止められて、資源の無駄遣いを食い止めるという点では大いに喜ぶべきかと存じます。
先生がいみじくもご指摘の通り「理論的背景」の問題、保険適用漢方薬が実際に投与される現実の多くは、ヒゲジジイに言わせれば民間療法レベル以下の病名にそった短絡的な投与であっては、漢方医学というにはあまりにも幼稚過ぎます。
つまり、弁証論治の世界ではありえない某メーカーが陣頭指揮をとる病名治療的なマニュアル化。
こんなやり方では無効例続出で、腹を立てた患者さんたちが、腹いせかどうか、不要になった某メーカーの保険適用漢方薬の残骸を置いて帰られる患者さんが絶えません(苦笑。
しかしながら慶賀すべき部分の多い漢方薬の保険適用除外の方針を実際に「性根の据わらない民主党政権」がそこまでやれるかは疑問だと思います。利害関係の絡む凄まじい抵抗勢力によって元の木阿弥が落ちかもしれません。
たとえ結果がそうであっても、独占的な寡占情況にアグラをかく某医療用漢方薬製造メーカーさんが、日本の漢方医学をここまで堕落させてしまった万死にも値する重大責任に思い至るきっかけにでもなれば、と念じています(苦笑。
ましてや、独占的な寡占情況にアグラをかく某医療用漢方薬製造メーカーさんの製造される漢方処方では、白朮であるべき方剤がほとんどすべて蒼朮で代用される信じられない錯誤を犯しているのですから、何をかいわんやっ!であります。
関連文献:
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