2009年10月21日

インフルエンザの多くは早期に傷寒から温病に転化するというヒゲジジイ説の内科医師による検証のおたより

ムクドリ
ムクドリ posted by (C)ヒゲジジイ

おたより:東海地方の内科医師

久しぶりにメールさせていただきます。
 昨日は地竜について教えていただきましてありがとうございました。

 最近の当地方ではインフエルエンザ(おそらく新型)が爆発的に流行していますが、漢方がすごく患者さんのお役にたっています。

 もちろんタミフルやリレンザといった抗ウイルス剤を併用していますが、エキス剤と板藍根および銀翹散を症状におうじて併用すると、多くの患者さん(とくに児童・生徒さん)は翌日には解熱、おそくとも二日あれば完治しています。
 勿論臨床的な完治です。

 ただ興味深いのは解熱したあとに本当にお元気になる点です。抗ウイルス剤だけでは熱は下がるものの”お元気になる”という感じからは程遠いようです。

 ある学童さんのお母さんはこうおっしゃっていました。「おともだちが自分の子供よりも早くインフルエンザになったのですが、熱が下がるのも遅く、しかもダラダラと微熱が1週間ほどつづいていました」

 エキス剤ですが、以前は柴胡桂枝湯のみでしたが、桔梗石膏を併用するようになってから完治が著しくなっていますし、板藍根および銀翹散も本年度から併用し始めましたが、その効果もいい感じです。

 村田さんがご指摘の”すみやかなる温病化”を体験しているところです。
 かさねてありがとうございます。

モズ(メス)
モズ(メス) posted by (C)ヒゲジジイ

お返事メール:おたよりありがとうございます。
 お久しぶりに貴重なメールのご報告を頂き、眠りかけたブログが一時的に活き返ります(笑。

 地竜の日常臨床での応用方法が多岐に亘ることは昨日のお電話でもお伝えした通りです。
 補足的に書きますと、風邪やインフルエンザなどの急性熱性疾患に使用する時、杓子定規に38度以上という高熱にこだわる必要はなく、明らかな実熱証を認める限りは微熱でも的確に適応するものである、というわけです。

 また、アトピーや関節リウマチ、膠原病などへの応用方法は、しっかりと基本的な寒熱のバランスを考えながら使用すればいかに重要な動物生薬であるかを実感されることと存じます。

 なお、傷寒から始まったように見える風邪やインフルエンザでも、すみやかに温病に転化することが極めて多い事実を、医師の先生からも検証頂いて嬉しく存じます。


編集後記:
関連文献の御案内:漢方と漢方薬は風邪・流感(インフルエンザ)に本当に有効か?


スズメ
スズメ posted by (C)ヒゲジジイ