2006年02月07日

昨日のお問い合わせ:大腸癌から腹膜播種による腹水等の続き

村田先生へ

早速にご回答ありがとうございました。

色々なサイトを拝見させていただいたり「求道と創造の漢方」も先日拝読させていただき、いったいどんな生活をされているのか驚きとともに敬服しております。

お忙しいのに申し訳ありませんでした。

母の癌に関しては、これも先日先生ご推薦の「下げたら、あかん!コレステロールと血圧」を読んで、まさにこれだったんだ(@_@;)と後悔したところです。

今更、完治は無理だと思うのですが、できるだけの延命と苦痛がない治療を主治医にお願いしながら、私も勉強していきたいと思っております。

実はまだ、腹水で苦しんでいるという段階でないのですが早めに飲ませることは意味がないでしょうか?

そろそろ今投与中のオキザリプラチンの効果が怪しくなってきており、いきなり進行するのではないか 不安な日々です
(本人はいたって元気に振舞うので、まだ奇跡が起こるような手がないかと考えてしまいます)

ついでにと言っては失礼なのですが、質問させてください。

「●●●●●●」は中国からの▲▲▲▲とは異なる、と言う本を読みまして効果があれば完治の可能性もあると言われたのですが、これは漢方薬なのでしょうか?

ありがちな高価なものと聞いております。

もしお時間があればお答えいただければ幸いです。


ヒゲ薬剤師のお返事メール:拝復

拙著までお目通し下さり、恐縮です。

内容は30歳までの経験談ばかりで、あまりにも未熟すぎるのですが、売れ残ってまだ売られているみたいですね。

ところで、お母上様のご病状、やはり補中益気湯が有効であったのなら、これに五苓散を加えることは、かなり有効な可能性が高いように思います。

前回のメールの往復の内容を、http://murata-kanpo.seesaa.net/article/12891222.html

に掲載させて頂きましたが、あとでフト気がついて、追記として、


このお返事メールをお送りして、フト思いついたのだが、当方で過去扱った腹水の多くは、超末期の癌患者さんたちばかりだったから、補中益気湯合五苓散では間に合わなかっただけかもしれないのだった。その証拠に、肝臓癌の腹水で当方に通える婦人には、分消湯合茵?蒿湯などで、あっさり解決したりしていた。たまたま、虚証ではあるが、超末期にまではなっていないような段階の方は、偶然、あまり遭遇することがなかったということが考えられる。理論的にも、補中益気湯合五苓散がしっかり奏功する時期とタイプがあって当然なのである。


このように記しました。

お母上様のご病状は、当方でしばしば経験した超末期とは違って、大分様子が宜しいので可能性は高いように感じられます。

>「●●●●●●」は中国からの▲▲▲▲とは異なる、と言う本を読みまして

とのことですが、▲▲▲▲は、中国では健康食品としても使用し、漢方薬としても使用しておりますが、日本では完全に食品扱いです。

しかしながら、中国では漢方薬としても使用している関係で、薬性というものが割り出されており、本来は弁証論治に基づいて、その患者さんにとって本当に適切かどうかを確認して使用すべきものです。

>効果があれば完治の可能性もある

と言われたそうですが、小生などは内心思うことがあっても口が裂けても言えない言葉です。

こういうキャッチコピー的な言葉が、世の中には氾濫しています。

本当に良い物なら、宣伝しないでも自然に広がるものでしょう。

世の中には「癌に効く」といわれるものが、五万とあふれていますが、どの患者さんに、どれが本当に有効か、という見分け等を行っての話ではないようで、素人さんが素人さんに向かって宣伝販売するという、「癌ビジネス」として、白い目で見られても 仕方ないひどい実態が横行しています。

アガリクスの治験例捏造例などで逮捕された出版社がいい証拠です。

小生には親しい警察関係の友人が複数いますが、あまりにヒドイペテンが発覚すればいつでも捜査する体制で、常々監視を怠らないというように、健康食品関連の薬事法違反には、当局もかなり敏感になっているようです。

それほど、誇大広告がまかり通っているということのようです。

ですから、何が本当に信用のおける情報かをしっかり吟味して、なるべく適切で有用なものを選択されるべきで、それにはお近くで信頼の置けそうな漢方専門薬局など、有資格者のところで、なるべく一度はご本人様を連れられて御相談なさるのが一番だと思います。

その時々の病状と体質に応じて使用するのが中国医学の基本原則であり、弁証論治の法則でもあります。

ですから、●●●●●●などのように、特定のものに拘る根拠をしっかりして、もしもこれが本当にいいものなら、善は急げでなるべく早急に使用すべきでしょう。

でも、医療というものは、最終的には「賭け」という部分が常に付きまといますので難しいものだと思います。

(一部省略)

以上、まともなお返事になっていませんが、代替医療というものは、すべてが否定されるべきではないし、中には素晴らしいものもあるのは確かのようですので、イカガワシイ物との選別をしっかり調査し、なるべく適切なものを求めて、真の有資格者で信用のおける専門家にご相談されることをお奨めします。

最終的にはどうしてもやはり「賭け」の部分はあるかと存じます。

以上、あまり役に立たないお返事になってしまいましたが、御許し下さいませ。

頓首
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posted by ヒゲジジイ at 20:36| 山口 ☁| 漢方と漢方薬関連の御質問 | 更新情報をチェックする