2009年08月29日

新型インフルエンザに対する漢方薬

病床中のボクチン
病床中のボクチン posted by (C)ボクチンの母

 当方の薬局では風邪やインフルエンザに関連した漢方製剤類は一年中コンスタントに販売している。もちろん常連さんやお馴染みさんたちが断然多いが、彼ら彼女らの多くは、常時予防で使用されているので、今回の新型インフルエンザに感染した人の報告はまだない。

 西洋医学ではタミフルが有効だということだが、常連さんの中には過去の苦い歴史から、合成医薬品を一切受け付けない特殊な体質の方もおられるので、漢方薬による予防に余念がない人達が多い。

 まだ身近で感染した人がいないので、具体的な症状が分からない段階だが、厚生労働省のHPによれば
新型インフルエンザの症状は、突然の高熱、咳、咽頭痛、倦怠感に加えて、鼻汁・鼻閉、頭痛等であり季節性インフルエンザと類似しているといわれています。ただし、季節性インフルエンザに比べて、下痢や嘔吐が多い可能性が指摘されています。
 ということだから、やはり銀翹散製剤の中でも特に優秀な天津感冒片が主役となるに違いない。板藍茶で天津感冒片を服用するのが常識であろう。
 下痢や嘔吐を伴う時には、かっ香正気散に猪苓湯なども必要になることだろう。

 しかしながら、世間では上記のような症状を呈する人に、麻黄湯が際立って有効なように宣伝や報道がなされているが、実に不思議でならない。

 また予防法としては、教科書中医学しか知らない人達から盛んに言われる玉屏風散(衛益顆粒など)を日頃から常用するのが最善だとされることは問題なしとしない。

 生まれもって表虚の体質者には大いに有効ではあっても、日頃は極めて健康で、しかも熱証に属する体質者が常用するとどのようなことになるか? やけに火照りが生じたり暑がりがひどくなったり、極端なケースでは発疹すら生じかねない。

 教科書中医学と臨床の現実には、時に大きなギャップがあることを知らない指導者も多いので、やや困った問題である。
 というよりも玉屏風散に関しては、臨床の現実を知らない連中の教科書中医学の曲解と云ったほうがより正確であろう。

 インフルエンザ関連の記事としては、ブログ
漢方と漢方薬は風邪・流感(インフルエンザ)に本当に有効か?

に再三再四書いて来たので、興味があれば参照されたい。

病床中のボクチン
病床中のボクチン posted by (C)ボクチンの母