2009年05月23日

新型インフルエンザ騒動

おたおり:東海地方の女性薬剤師

 こんにちは、昨今のマスク騒動には、唖然としてしまいますね。

 普段は閑散とした薬局に、長蛇の列でマスクを買いあさる映像を見て、”こんなものなのか〜”と溜息が出てしまいます。

 こちらにも、”お宅にマスクありますか? 最近は漢方ばかりやってみえるで、来る機会が無いんやけど、亡くなったあんたのお母さんがやってはった頃は、ちょくちょくお邪魔しとった者やから、何とか分けてもらえんやろか?本当は少しくらいあるんやろ?”

 もう、何とお返事したらよいのでしょう・・・・・。柴胡疏肝散加減方を煎じて飲みまくっております・・・トホホ

 こんな問い合わせは、普段一切来たこともない、一見客ばかり。ひげ先生でなくても、ブチ切れますわ。

 それに引き替え、こちらの常連さんは、先生の所と同じく、マスクの問い合わせなど一切ありませんし、皆さん普段からの養生で、非常に冷静で落ち着いたもんです。

 マスクよりも、自分の免疫を整えることの方が、ナンボか有効なのにね・・・。
 夜更かし、寝不足、大食いこそ、マクロファージを疲弊させ、潜伏期間中に負け戦となり、発病を許してしまうことを声を大にして伝えたいのだけれども、専門家ですら、”漢方屋さんは、麻黄湯さえあれば大丈夫だよね!”なんて言ってる始末だから、お話にならないですよね・・・・。

 先生がおっしゃる縁無き衆生とはこのことで、私ももう無駄な努力はしません!
 もう、婆さんなんだから体をいたわらねば・・・。

 それにしても、先生と同感で、この秋以降が、非常に危惧されるところです。
 今から常連さんにさらなる養生を徹底していただき、勝てる体作りを目指します。
 私は、湿熱の方と、陰虚の方は特に要注意!と考えています。

 新型インフル騒ぎで、厚生労働省も、例の郵送販売特例の件、審議どころではないかもしれませんね・・・・。

時には癇癪を起こすスズメです
時には癇癪を起こすスズメです posted by (C)ヒゲジジイ

お返事メール:おたよりありがとうございます。

 昨日は直接、マスクを求めて見ず知らずの中年女性が来られてビックリでした。マスクがどれだけの効果を発揮するのかどうかはともかく、異様な雰囲気に驚かされました。

 当方では常連さんよりも、各地のお馴染みさんがあやしい発熱や寒気に襲われ、もしかして新型インフルエンザかと心配された人もおられます。

 遠方ゆえ、念のため通院を奨めた人もいるのですが、新型だったらニュースになって大変だからと拒否されました。弁証論治にもとずく配合変化で次第に治まりました。

 昨日は、お馴染みさんから電話で、咽喉腫痛に寒気がして節々も痛いというので、珍しく涼解楽(銀翹散製剤)と板藍茶とともに一時的に麻黄湯が必要なケースか???と怪しんだのですが、無理して直接来て貰うと、明らかに銀翹散証に一時的に葛根湯証が混在しているだけのようでした。

 この方も間接的に関西の人と接触があったので、新型インフルエンザを心配しておられましたので、じゃ〜病院に行ってみますか? と奨めたところ、絶対にイヤだとケンモホロロです。

 今回はタミフルが良く効くそうですよと告げたのですが、すでに常備している天津感冒片や板藍茶などを使用しておられ、さいわい発熱もなく、寒気と軽度の節々の違和感が気になる程度で、明らかに葛根湯証が一時的に混在しているだけのようでした。

 麻黄湯証を合併しておれば、強烈な悪寒と節々のかなり強い疼痛のみならず腰痛さえもともなうのが通常で、昨今、当方では滅多に遭遇しない症状です。

 インフルエンザに麻黄湯がタミフルと同程度の威力を発揮するなどと発表されるお医者さんたちが存在すること自体が、とても不思議でなりません。

 ところが市井の医師たちの漢方薬の使用方法がいかに眉唾物であるか、という恐るべき事実を掴んでおります。

 直接某内科医から仕入れた話ですが、巷ではタミフルと麻黄湯を同時に併用されるケースがとても多いというのですから、開いた口が塞がりません。

 インフルエンザに麻黄湯というのは、どうやら完全に病名治療的にマニュアル化されているらしい雰囲気で、空恐ろしいものを感じる昨今です。

スズメも立派な小鳥です
スズメも立派な小鳥です posted by (C)ヒゲジジイ