掻き傷からジンワリと滲む程度の滲出液と異なり、流れ出るような滲出液は、ほぼ間違いなくステロイド外用剤による副作用に違いないと踏んでいる。
ジンワリに滲む程度なら、適切な方剤の運用で、なんとかなるものであるが、さすがに大量の滲出液が流れ出るようなケースでは黄耆を大量に用いた方剤が必要なケースが目立つ。
但し、黄耆は温性であるから、寒熱の配合バランスに注意が必要で、この段階になるとますます素人療法や単なる電話相談やネット相談ではうまくいかないケースが多発しているらしく、どうしようもなくなって、ようやく村田漢方堂薬局に直接駆け込まれるのも、こちらとしても難儀である。
中途半端なネット相談や自己治療および、安易にステロイド外用薬を大量に投与する皮膚科に頼り続けた挙句が・・・相談に乗るこちらにとってもかなり心身の消耗する仕事である。
ステロイド外用薬を無理なく離脱するにはしっかりとしたテクニックがある。
突然の中止や、あるいは痒くもないのに漫然と塗り続けるなど、間違った使用方法のつけが回って来た結果、大量の滲出液流出となるように思われる。
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