2009年03月18日

湿熱傷陰はアトピー性皮膚炎に限らず脊髄小脳変性症でもみられた

 湿熱傷陰の悪循環を繰り返している事例で最もしばしば日常的に遭遇するのはアトピー性皮膚炎である。しばしば六味丸系列の方剤が必要になることが多いのも、この理由からである。

 最近でも脊髄小脳変性症と診断されている難治性疾患でも遭遇している。茵陳蒿湯に沢瀉湯加白朮製剤に六味丸系列の方剤の併用により、明らかに一定の効果を上げている。
 実際にはかなり複雑な病態であるが、明らかに湿熱傷陰の兆候が歴然としているので、その時点における病機に応じた適切な配合によって計算通りの効果が得られたので、こちらのほうも気分が爽快である。

 ステロイドに嵌ったアトピーの新人さんがコンスタントに続いているが、それにもかかわらず最近では湿熱傷陰の度合いが少ない人が続いている。
 それゆえ、六味丸系列などの地黄含有方剤を必要としないケースが目立っている昨今である。

 例年とは違った不思議な時代を迎えたのかもしれない。



posted by ヒゲジジイ at 22:53| 山口 ☁| 脊髄小脳変性症 | 更新情報をチェックする