ご職業 : 会社員
簡単なご住所: 関東地方
お問い合わせ内容: 先生のブログを拝見させていただいております●●在住のものです。
2007年05月12日の高血圧と肝風内動(肝陽化風)も参考にさせていただき天麻鈎藤飲を処方してもらおうと近くの漢方薬局に相談したところ、生薬が揃わないので処方出来ないと言われ、大きな漢方薬局に行くと、桑寄生がどうしても入手できませんと言われました。
桑寄生の代替になる生薬を入れて処方してほしいとお願いするも、日本漢方の方なのか良く分からない様子でした。そこで、厚かましいお願いですが、桑寄生の代替になる生薬は何が適切なのかを教えていただけないでしょうか?
ご多忙とは存じますが、ご回答いただければ幸いです。
御返事メール:お問い合わせの件ですが、素人療法は禁物です。
あの当時のブログ2007年05月12日のご相談者は、中医学理論を一定レベルご存知の鍼灸師の男性だったので、突っ込んだアドバイスを行ったもので、専門化向けの内容です。
常々書いていますように、適切な漢方薬を得るには、中医学に習熟した医師や薬剤師にジックリと相談して適切な方剤を求めるべきです。
こんなことを書くのもなんですが、そもそも中医学は、西洋医学的にマニュアル化できるほど単純ではありません。専門的な弁証論治にもとづいて、微調整を繰り返しながら適切な配合を求めるべきです。
これまでもネットなどで齧った中医学知識や日本漢方知識を振り回す男女が何人も訪れましたが、ピンとはずれのことがとても多く、こちらの冷静な判断を狂わせる素人知識にばかばかしくて付き合ってられず、相談をお断りしたことすらあるほどです。
(そういう人に限って、細菌とウイルスの区別もつかず、病院で出される医薬品はすべて抗生物質だと信じ込んでいる人など、一般教養レベルさえ疑われるケースばかりでした。)
ともあれ、結局、当時アドバイスした鍼灸師の先生は直接下関に二泊三日の旅程で来られ、三日連続の漢方相談を行っております。
現在も折々にメール相談を行いながら、複雑な配合方剤を継続服用中で、一定の成果を得ています。
基礎理論は共通でも、漢方薬と鍼灸とそれぞれ異なる分野だけに、むしろ同じ東洋医学の専門家の方のほうが謙虚になれるものかもしれません。
関東地方には日本流の先生が多いらしいですが、中医学派も沢山おられるはずですので、地元の専門家を見つけられて詳細な漢方相談を求めるべきです。
以上、意に添えないお返事で恐縮です。
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