ステロイド漬けと同時に漢方薬を連用中にも関わらず、途中から増悪の一途を辿ってそのピークに達しようとする頃になって、堪らず当方を訪れる人が多い。
燃え盛る火消し役を引き受けるのも難儀なものであるが、その火を盛んにさせた元凶は、多くは配合方剤中の朝鮮人参や川芎(センキュウ)などであろうと疑わせる問題が多い。
脾虚や冷えが原因とばかりに、六君子湯や真武湯、あるいは当帰芍薬散などが投与されていたのを見て唖然とさせられることも多いが、つくづく漢方薬の難しさに思い至るのである。
また最近、当方の漢方薬で寛解中の漢方処方内容を批判して、六君子湯に変更するようにアドバイスした中医学の指導者?の話が伝わってきた。さらには脾虚体質者が六味丸を服用するのは間違いだと批判したというから恐れ入る。
それでは脾虚があっても腎陰虚が伴っている場合には、どうしろというのだろうか?
六味丸中にでさえ、脾虚にも対処できる山薬や茯苓が配合されている。
このような学問レベルの人が、公然と中医学を指導して回っているのだから、日本の漢方レベルは地に落ちたものである。
日本人の悪い癖で、何を嫉妬しているのか、直接本人には言えない癖に、裏に回って中医漢方薬学派をコソコソと批判している人物である。
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