年齢 : 40歳〜49歳
具体的な御職業: 医師
お問い合わせ内容 : この度はお世話になります。
7年前に激務と精神的ストレスから「抑うつ状態」となり、心療内科に通院中ですが、完治しません。漢方で治療経験が豊富な御様子ですが、遠方のため受診できません。
メールもしくは手紙で詳細な病状を報告しますので、漢方の処方をお願いできますでしょうか。よろしくお願いいたします。
お返事メール: 激務によるストレス反応、察して余りあります。
真面目系の人達が陥る「鬱症状」には、適切な漢方薬によってよく奏功するように実感します。
時に理解に苦しむ不定愁訴症候群や自律神経失調症とは異なり、真面目系の人達が陥る「鬱症状」には漢方薬はよく奏功するようで、その代表的な方剤が四逆散です。
適応があれば重症でない限りはかなり有効です。但し、各社製剤による優劣は想像以上に大きいことも実感しています。
四逆散だけでは効果不十分なケースも多く、弁証論治に基く適切な方剤の配合を駆使する必要があります。その場合は、ご本人に直接お会いして舌象など観察する必要があります。
愚娘は神経内科医ですが、研修医時代に抗鬱作用のある四逆散や牛黄製剤あるいは麝香製剤などを常用して凌いでいましたが、うっかり四逆散の服用を忘れていたら落ち込んでしまい、いかに四逆散が有効に作用していたかを実感したといいます。
体質にもよりますが肝気鬱結があきらかであれば、質のよい四逆散を常用するだけでも少しは違ったかもしれません。
ともあれ、すでに四逆散などは利用されているかもしれませんが、一度も直接来られない方には(常連さんやお馴染みさんのご家族でもない限りは)漢方相談は不可能です。
悪しからずご了承下さいませ。
【編集後記】
必ず一度だけでも来局して頂く理由⇒http://www.canpo.biz/sisei.html
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