2008年10月22日

利尿剤と利水剤の違いっ!←合成医薬品と漢方薬の大きな違いの一つ

性別: 女性
年齢: 30歳〜39歳
簡単なご住所: 近畿地方
具体的な御職業 : 司法書士
お問い合わせ内容 : はじめまして。
 いつもこちらのホームページを拝見させて頂いております。何卒よろしくお願い致します。

 ご相談させて頂きたいのは、漢方の生薬の中で利尿作用のある生薬はあまり長期にわたり連用しない方が良いのか、教えて教えて頂きたくメール致しました。

 漢方を服用しておりますのは母で、糖尿による腎機能低下、高血圧、C型肝炎を患っております。母が服用しております生薬は当帰・赤芍・生地黄・莵絲子・塾地黄・枸杞のみ・茯苓・陳皮・大棗・沢瀉・五味子・黄耆・益母草で各々3グラム、黄耆のみ5グラムになります。

 一ヶ月を服用し母のクレアチニンは1.95→1.70になりました。血液検査の中でNaという項目があるのですが、漢方服用後かなり低値になっております。糖尿を示す数値も正常になりました。

 西洋の薬の利尿剤はあまり長い間服用しない方が良いと聞いた事があるのですが、漢方の場合、利尿効果のある漢方は長期にわたり服用しても問題はありませんでしょうか?

 お忙しいなか、大変申し訳ありません。何卒ご返答お願い申し上げます。


お返事メール:合成医薬品の利尿剤と、漢方薬における利尿作用を持つとされる方剤や生薬を、医薬品だからといって同一視することは出来ません。

 現在服用されている漢方薬が明らかに効果が出ているとしたら、それを中止するほうが問題となることでしょう。
 逆に、現在の漢方薬が逆効果に働いているというのであれば、即刻中止すべきですが、あきらかな効果が出ている状況下で、長期連用の不安を持つには及びません。

 本来なら、せっかくそのような漢方処方を出されている先生にこそ、ご質問されるべきだと思うのですが、このような問題はセカンドオピニオンというには、些か・・・。

 蛇足ながら、西洋医学的に言えば利尿剤の部類に入るかもしれない猪苓湯を愚妻は35年間毎日欠かさず高濃度の製剤を他の漢方薬と共に服用し続けています。
 服用を続けている理由は、二十代で腎臓結石の激しい疼痛に苦しみ、腎臓に存在した石の多さに恐れをなし、無症状となった現在でも予防的に高濃度の猪苓湯を服用し続けているわけですが、適応証であれば、このように長期間の連用が可能なのです。(おそらく一生涯続けることでしょう。)

 利尿過剰になったり検査で悪影響が疑われるなどの特殊なケースではで続けるべきではありませんが、よい結果が出ていれば合っている証拠なのでしょうから、考え方のまったく異なる合成医薬品と混同して、その漢方薬を中止するほうがもっともっと問題が多過ぎるのではないでしょうか?


おり返し頂いたメール:このように早くご返信下さり有り難うございました。

 先生の言われますように、医薬品の利尿剤と混同しておりました。
 結果に効果が出ているのに不安をもってしまい反省しております。

 先生にわかりやすくご説明して頂き大変勉強になりました。
 本当に有り難うございました。