2008年10月10日

飛蚊症の漢方薬として特定の方剤が決まっているわけではありません

性別 : 女性
年齢 : 30歳〜39歳
ご職業 : 主婦
簡単なご住所 : 九州地方
お問い合わせ内容 : お世話になります。
 「飛蚊症の漢方薬」をみました。当方も黒いものがじゃまをし目がとても疲れます。釣藤散と六味丸を試してみようかと思っております。

 しかし以前、虚症と言われたことがありますが症が合わなくても、飛蚊症には効果が出るでしょうか?1度来店しご相談した方が良いかと思いますが他に適当なものがありましたら、お教え頂けると有り難いです。宜しくお願い致します。


御返事メール: 飛蚊症には釣藤散と六味丸が効くと決まったものではありません。
 ましてや、御覧になった「飛蚊症の漢方薬」は、あくまで専門家でもある特定の医師個人へのアドバイスに過ぎず、不特定多数の人にアドバイスした訳ではありません
ましてや、貴女が釣藤散証(釣藤散が適応する一連の症候群)タイプであると、どうして分かるのでしょうか?

 また、虚証と言われたという、いかにも日本漢方特有の幼稚な判断では、何も処方は決められません。
 ほとんどの慢性疾患患者さんたちの実態は、虚実挟雑状態にあり、虚と実が入り乱れているのが通常です。一人の身体で五臓六腑それぞれの寒熱虚実が異なります

 飛蚊症はなかなか頑固なこともあり、それでもある女性は、加味逍遙散と杞菊地黄丸だけで急速に寛解した方がおられましたが、そのような超速効が出るのは珍しいケースです。
 杞菊地黄丸を主体に生薬製剤二号方を加え、さらに釣藤散や体質改善三点セット等、考えられる多くの併用薬により、ようやく軽減した例もあるなど、なかなか困難を極める場合もあります。

 また、随分昔の話ですが、様々な漢方薬の工夫にも関わらず、まったくぜんぜん効果が出なかった某製薬会社の社長さんもおられ、面目丸潰れという情けない経験すら持っています。

 ともあれ、安易に素人療法はされないで下さい、というのがお返事の結論です。

 なお、一度来られたくらいで治るとは限りませんので、遠路はるばる来られるには及びません。地元近辺で(信頼出来そうな漢方の専門家を)お探し下さいませ。


折返し頂いたメール:お忙しい中、ご丁寧なお返事ありがとうございました。
 大変参考になりました。
 どうもありがとうございました。
posted by ヒゲジジイ at 06:21| 山口 | 飛蚊症 | 更新情報をチェックする