しかもどんなに工夫を凝らしても無反応というのが実に情けない。
逆効果でもあれば、その逆を読めば足がかりにもなるのだが、それすらない。
さすがに西洋医学治療や他の漢方治療で治らずに来られたケースが多いだけに、病気自体が相当に頑固なのか、そうでなければ当然こちらの腕が悪いのである。
ところが、そのほとんどのケースで諦めずに通い詰める不屈の精神があれば、遅かれ早かれ効果のある配合がみつかるのが通例である。
先日もちょうと五ヶ月間が過ぎた頃になってようやくピントが合い、明らかな効果が出始めた人があった。
奇病と言えるような諸症状に、すでに保険漢方を様々服用されても無効だらけだったが、当方でも一時奏功しかけたものの、その後は無効だらけの長い期間が続いた。
それでも1〜2週間ごとに諦めずに通い続けられたお陰で体質と性格が良く飲み込め、気心がかなり知れる頃になってようやく裏が読めた。
結局は3〜4種類の方剤が必要であったが、その一つは既に医療用漢方でも使用されて無効だったものだが、例によって白朮であるべきところが蒼朮に改悪されている製剤に問題無しとしないと考えて、主軸を同様の方剤に据えて、諸症状に合致した方剤二種類を配合した新たな組み合わせ一週間で明らかな効果が出た。
頑固に続いていた不快な症状が明らかに解け始めたのでホッと一息である。
だから教訓として言えることだが、既に服用経験があると言われる方剤でも、製剤の品質問題で効果が出なかったという例は過去にも多く経験していることだから、用いる漢方製剤の品質問題はないがしろにできない。
さらには、たとえ一処方が合っていても、複雑な病態の場合では併用方剤が正しく選択されてなければ、ぜんぜん効果が出てこないことはザラである。
だから毎日マイニチ、こちらがノイローゼになるほど、キェルケゴールのようにあれかこれかと考え込むのである(涙。
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