2008年09月03日

モンスターペイシェントの問題はさておき・・・

ご質問者:東海地方の内科医師

 いつもお忙しいなかをご助言くださいまして恐縮に思います。

 以前の小生へのアドバイスのなかでも触れてみえた牛黄につきまして、興奮状態およびイライラが顕著な状態に対する効果はいかがなものでしょうか。
 私個人は、ありがたいことに杞菊地黄丸にて血圧が良好になってきました(勿論降圧剤デイオバンを併用していますが)。

 モンスターペイシェントが現れれると血圧が高くなって、落ち着くために内服を考慮しないといけないかもしれませんが(苦笑)、いまのところ、お世話にならなくてもよさそうです。

 問題は母親です。体質的には私とかなり類似しているようです。いろいろな事情から興奮したり逆に滅入ったりすることがあるようです。抑肝散加陳皮半夏や柴胡加竜骨牡蛎湯も一定の効果がありますが、牛黄は内服させてみる価値はあるでしょうか。
 一応興奮抑制の効能の記載はあるようですが。ご助言の杞菊地黄丸は調子いいようです。

 よろしくお願いいたします。


お返事メール: モンスターペイシェントの対策はどこの医療機関でも頭を悩ませておられるそうですが、その点ではわれらアウトサイダー的な漢方薬局では、先手を打って拒絶しまくりです。

 それでも何とか潰れずに存続出来ているのは、奥ゆかしい日本の伝統を保守される人達がまだまだたくさんおられるからだと思います。
 我が薬局が潰れるときは、ヒゲジジイがプッツンするときか、日本の伝統文化が滅んだ時であろうと思います(苦笑。

 お尋ねの牛黄の件、御高齢者の多くの方に適応することが多いので、是非、一度試してみられるとよいと思います。これまでの体質的なご報告内容から考えましても、まず副作用的な問題が生じることはほとんど皆無だと思います。
 どの程度の効果が出るかはファジーな部分もありますが、当方ではパニック症候群にも応用して成果を上げていますし、ある種の鬱症状にも効果を上げています。

 牛黄は是非一度試して見られるとして、一般漢方処方の点では、もしも舌先が真っ赤でイチゴの粒粒のような状況であれば、黄連解毒湯が適応する(興奮を鎮静化)舌証であることが殆どです。

 また、鬱傾向があれば四逆散が適応するのはご存知の通りですが、黄連解毒湯と四逆散・杞菊地黄丸の配合は大いにあり得ることですし、また抑肝散系統が適応する場合でも明らかな黄連解毒湯証が合併していることも多々ありますので、黄連解毒湯・抑肝散・杞菊地黄丸の配合も大いにあり得ることだと思います。

 また、柴胡加竜骨牡蛎湯が合うようでしたら、これらの方剤と併用して四方剤の合方となっても不自然では決してありません。
 柴胡剤の運用では、柴胡加竜骨牡蛎湯と四逆散の併用が適応しているケースに若い世代でも結構多く遭遇しています。

 黄連解毒湯証は舌先の強烈な赤さ(イチゴ的)で判別しやすいので、これが無ければ殆ど使用しても無効ですので使用すべきではありませんが・・・・

 一部の人では、しっかりした体質改善を行うには、多くの方剤を併用しなければ十分な効果が得られないことがあります。

 たとえば、当方の二十年以上の常連さんたちは85歳を過ぎている人も多いのですが、一般の人のみならず専門家の医師・薬剤師が知ったら驚かれるに違いないほどの多種類の方剤を長期間連用されています。
 このお陰でボケることなく癌にも罹らず、信じられないような健康を維持されておられます。その方たちも多種類の方剤とともにほとんど全員がやはり各種の「牛黄製剤」の愛用者です。

 以上、取り急ぎお返事まで。
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posted by ヒゲジジイ at 22:08| 山口 ☀| 漢方薬や漢方系健康食品の長期連用によるメリット | 更新情報をチェックする