2008年08月28日

漢方治療を開始すると同時に常用されていたステロイド軟膏のランクを下げ、塗布する量も激減させてしまったアトピー患者さんへ

 漢方薬の基本方剤が見つけられないうちからこれをやられると漢方薬の効果は出せません。
 ステロイド漬けになっていた人は、従来通りのステロイドを以前の通りのペースで塗布しながらでなければ、漢方のピントが合っているかどうかの判定が不可能です。

 ピントが次第に合ってくれば、自然にステロイドの塗布回数が減ってくるのですが、このときでもステロイドのランクを落としてはならないのです。
 同様の軟膏を塗布しながら、自然に使用量が減ることを指標に効果判定を行います。

 それでなくても従来のステロイドでも痒みが止まりにくかった人が多い状況下で、漢方のピントが決まる前からランクを落とされたり量を減らされていては、何を使っても効果が判然とせずに五里霧中となって当然です。

 二十代の男女ともども、半年〜1年もすれば多くはステロイドを塗布する量が激減します。三十代や四十代の病歴が長い人ほどステロイドの減量ペースは遅い傾向にありますが、「ステロイド漬けの期間が長ければ長いほど減量ペースが遅くなる」と言い換えることができます。

 皆さん状態が悪いからこそ来られるようになった人たちだけに、従来のステロイド軟膏は継続して塗布してもらいつつ並行して漢方薬の効果判定を行います。
 漢方薬の効果が出る前から、こちらが知らない間にステロイドのランクを落とされたり、中止された例は経験がありませんが、想像するだけでも恐怖です。

 最近も新しくステロイド漬けの人たちが多数やって来られていますが、いずれもステロイドをこれまで同様に塗布してもらいながら、漢方薬の効果を判定してもらっています。

 ところが、もしも漢方薬が効く前から、ステロイドのランクを下げられたらっと想像するだけでもゾッとします。
 たとえ漢方薬のピントが合っていても効果はほとんど感じることが出来ずに五里霧中になることだろうと思わざるを得ません。

 ステロイド軟膏を減量したりランクを下げるのは、漢方薬の効果が明らかに出だしてから行うべきことです。
 いきなりランクを下げらるだけでなく、塗布回数も激減されたのではリバウンドが生じるのは明白ですから、長期間リバウンドと戦う日々に陥るのは明白です。

 貴方はその激しいリバウンドと長期間戦う覚悟がなければ、絶対に行ってはならないことだと思います。

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posted by ヒゲジジイ at 07:24| 山口 ☔| アトピー性皮膚炎や慢性湿疹など痒みを伴う皮膚病 | 更新情報をチェックする