2008年08月22日

ステロイド漬けのアトピー患者さんたちに対する漢方薬

 外用ステロイドに嵌って滅茶苦茶になって来られる人が増え続ける。通える範囲の人は幸いで、遅かれ早かれ安定してくるので、一定期間の我慢比べで、次第に複雑な配合パターンが決まって来る。

 但し、外用ステロイドは漢方薬をはじめたからといって急に中断すると、必ずリバウンドがやって来るから、しばらくは必要最小限のレベルでステロイドの塗布を怠ってはならない。
 リバウンドを起こさずにステロイド離脱の最も安全な方法は、フィットした漢方薬を続けながら、徐々に徐々に塗布回数を減らして行くこと。

 何度口を酸っぱくして言っても、それを聞き入れない頑固者も多く、忘れた頃にリバウンドが来て、慌てふためくのが落ちである。
 このアドバイスを忠実に守れる人達だけが残って、アトピー自体もスムーズに改善しながら、ステロイドを離脱できるし、完全離脱が直ぐにかなわなくとも、同じ場所に一週間に1〜2回塗布する程度なら、一生涯塗っても副作用は出ないだろうといわれているくらいだから、その程度の塗布であれば心配無用である。
(参考文献:ステロイドの塗布の問題についてはアトピーの漢方治療で詳細に紹介している。)

 遠方の人では最低限二泊三日の旅程だから三日連続の直接相談ができるので、何とかその後のメール交信で、試行錯誤しながら次第に安定して来る。
 
 そして何とか病状が半減する頃には、気がつくと臨機応変に配合変化を行うための常備薬がズラリと並んでいることが多い。
 それだけ気合の入った人が多いので、ノロノロながらも寛解に向うわけだが、その間には常備薬の種類が半端じゃないのである。

 年齢的には意外に四十歳以上の人が多く、だから病歴も半端じゃない。
 現在、アトピーの人が増え過ぎて頭が混乱しそうだが、一部の例外的な人を除いて、のろのろながらも比較的順調に経過している人が多い。

 中には漢方の書籍を沢山取り寄せて読破されて来られた人がいて、自身が服用されている漢方薬が全然書籍に書かれてなかったという。
 本に書かれているレベルのアトピーの漢方治療では治らない人が続出しているのが厳然たる現実だから、何の不思議もないだろうということで納得されている。

 なお、アトピーの半数の人に使用してもらっている例の体質改善三点セットを重症の乾癬にも応用してみたところ、短期間に抜群のバックアップに成功しつつある。瀉火補腎丸・黄連解毒湯・茵蔯蒿湯などとともに体質改善三点セットである。
 10年以上前にも当方で多種類の併用方剤を継続されていたが、中途半端な寛解のまま中断されていた人である。

 例の体質改善三点セットは多くのアレルギー疾患のバックアップとして大活躍しているが、乾癬に対しても例外ではないようである。
 但し、アトピーでも1割の人には無効だが、大人の喘息(小児喘息型)にはこれまで例外なく強力なバックアップに成功している。

 しかしながら、いずれは例外も出て来ることだろう
 アトピー性皮膚炎にも絶対的に自信を抱いていた時期が長かったが、昨年、初期には超速効で劇的な改善をみたのに、排卵日を境に効果が激減してもとの木阿弥状態。
 結局は体質改善三点セットは邪魔になり、黄連解毒湯・補中益気丸・六味丸・猪苓湯・イオン化カルシウムなどで半年で十分な寛解を得たという例外もあったので、いずれの方法であれ、過信は禁物である。

 何事も例外はつきものである。
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posted by ヒゲジジイ at 00:21| 山口 ☀| アトピー性皮膚炎や慢性湿疹など痒みを伴う皮膚病 | 更新情報をチェックする