いつも示唆に富むブログを拝見しています。
個人的に興味深い患者さんとそのペットを経験しました。
70台のご婦人ですが、再生不良性貧血のため病院の専門内科へ通院してみえるかたです。耳鳴りと頻尿があり不眠とのことで受診なさいました。
例によって根堀り葉堀り問診をして型のごとく診察を行い、十全大補湯1包と牛車腎気丸2包を処方しました。2週目に再診されたときに、「最近よく眠れません」とおっしゃられ、娘さんいわく、「老齢の猫がいるのですが、夜になると全く寝ません。
体がえらそうでお世話しないといけませんので。動物病院に連れていって診てもらっていますが、どうも腎臓がよくなくて末期のようです。」とのことでした。
ダメもとと思い、高齢のご婦人に「漢方薬はご自分で飲んだあとに多少余っているのではありませんか」と伺ったところ、「すこしですが溶かした余りが湯のみの底にあります」とのことでした。
そこで、「あまっている漢方薬を猫に飲ませてみてはいかがでしょうか」とお勧めしたところ、「一度試みてみます」とお返事でした。
本当に猫に与えるとは思っていませんでしたが、その次の再診のとき、ご婦人いわく、「猫が眠れるようになりました。おかげで私たちも不眠から解消されて調子がいいです。漢方薬をどんどん飲んでくれました」と感謝してくださいました。
猫の詳しい弁証は不明ですが(猫はしゃべってくれませんので)、効果があったことは明らかです。
動物病院でも漢方薬結構いいかもしれません。いろいろ要求の多い人間と違って素直に効果が現れるかもしれないと愚考しました(笑)。
お返事メール:興味深い体験、ありがとうございます。
漢方薬を服用する猫ちゃんは立派ですね。
常連さんの高齢の雌犬のあらゆる病気を当方の漢方薬で治療されている方がおられます。先日も甲状腺機能低下と診断されたのに補中益気丸と牛黄+人参の配合製剤で短期間に回復したと喜んでおられました。
足がへなへなになった冬には八味丸系列の方剤で治ったり、高齢になれば人間様と同じような処方がペットも同様に効果を示すようですね(笑
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