2008年07月25日

ゆっくり相談に乗ってもらえる漢方薬局を推奨する理由

性別 : 男性
年齢 : 50歳〜59歳
簡単なご住所 : 北海道
お問い合わせ内容 : 両耳鳴り(キーン音)1ヶ月位から連続して鳴っています。特に右が凄い、その時は左は程感じないが左が強い時は右が低いが何とか耳鳴りを緩和したいです。

 難聴はどうしようもないでしょうか?
 1カ月前に鍼灸治療をしましたら一時は治まりましたがその後耳鳴りが強く鳴りました、改善薬は有りますでしょうか?

 現在、指圧、鍼治療していますが効果は今一です。宜しくお願い致します。


御返事メール:まだ病歴が一ヶ月ということですが、耳鼻科で受信されたのでしょうか? まずは西洋医学的な諸検査によって原因究明がなされるべきだと存じます。と同時に西洋医学的に治療できるものであれば、そちらを優先するべきではないかと考えます。
 その上で、もしも病院治療では治らないようであれば、漢方治療を併用するなり切り変えることこそ妥当ではないでしょうか。

 思いがけない原因が潜んでいた場合、その診断がつくことは、たとえ西洋医学治療で困難だった場合でも、適切な漢方薬を考える上でも大きな参考資料になるはずです。
 診断が明らかになった上で、なるべく近隣でゆっくり相談に乗ってもらえるベテランの漢方薬局を訪れるべきだと思います。


【編集後記】  本日遭遇した恐怖体験。

 帯状疱疹に対する抗ウイルス薬を、医師の禁止にも関わらず過剰に飲用して以後、メッキリ体力を喪失した患者さん。
 しかしながら半年以上、医師もそれを見逃し、高血圧治療の一環として毎日の運動を強く推奨していた。一年に一回の血液検査によりクレアチニンとBUNが暴走しはじめていた。
 そして出された漢方薬が大黄甘草湯エキス製剤である。

 腎不全の兆候が明らかで、同時に浮腫傾向がみられる高血圧患者さんに対し、BUNを改善するのに大黄が有効だからと言って「大黄甘草湯」はないだろうっ!
 通常なら大黄甘草湯に含まれる一日量2gの甘草はそれほど問題とはならないが、高血圧と浮腫・腎不全に対するときはどのような災いが待っているかっ?
 このような基礎的な知識が皆無であることの怖さは漢方の専門家でなくとも常識中の常識ではないかっ!
 
 素人さんでも怪訝に感じて当方に来局されたわけだが、当然、大黄甘草湯は禁止し、甘草の入らない大黄の原末を奨めて、他の数処方と共に透析を免れるべく背水の陣をしいてもらった。
 腎不全患者さんに対する大黄甘草湯を投与することの問題点についてよく説明して、主治医に伝え、当方で奨める大黄の原末製剤に切り替えることの許可をもらうようにアドバイス。
 もしも許可を与えないようなら、直ぐに転院すべきことを強くアドバイスしたことは言うまでも無い。

 テレビなどでは漢方薬は病院でもらいましょうとさかんに宣伝されているが、患者さんも稀には命がけの覚悟が要るときがあるかもしれない。
posted by ヒゲ薬剤師 at 23:56| 山口 晴れ| 漢方と漢方薬関連の御質問 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする