2008年07月25日

腎不全に病院で投与された大黄甘草湯の問題点

 本日遭遇した恐怖体験。

 帯状疱疹に対する抗ウイルス薬を、医師の禁止にも関わらず過剰に飲用して以後、メッキリ体力を喪失した患者さん。
 しかしながら半年以上、医師もそれを見逃し、高血圧治療の一環として毎日の運動を強く推奨していた。一年に一回の血液検査によりクレアチニンとBUNが暴走しはじめていた。
 そして出された漢方薬が大黄甘草湯エキス製剤である。

 腎不全の兆候が明らかで、同時に浮腫傾向がみられる高血圧患者さんに対し、BUNを改善するのに大黄が有効だからと言って「大黄甘草湯」はないだろうっ!
 通常なら大黄甘草湯に含まれる一日量2gの甘草はそれほど問題とはならないが、高血圧と浮腫・腎不全に対するときはどのような災いが待っているかっ?
 このような基礎的な知識が皆無であることの怖さは漢方の専門家でなくとも常識中の常識ではないかっ!
 
 素人さんでも怪訝に感じて当方に来局されたわけだが、当然、大黄甘草湯は禁止し、甘草の入らない大黄の原末を奨めて、他の数処方と共に透析を免れるべく背水の陣をしいてもらった。
 腎不全患者さんに対する大黄甘草湯を投与することの問題点についてよく説明して、主治医に伝え、当方で奨める大黄の原末製剤に切り替えることの許可をもらうようにアドバイス。
 もしも許可を与えないようなら、直ぐに転院すべきことを強くアドバイスしたことは言うまでも無い。

 テレビなどでは漢方薬は病院でもらいましょうとさかんに宣伝されているが、患者さんも稀には命がけの覚悟が要るときがあるかもしれない。
posted by ヒゲジジイ at 23:56| 山口 ☀| 腎盂腎炎や慢性腎炎および腎機能低下や腎不全 | 更新情報をチェックする