二名は小陥胸湯加味製剤合辛夷清肺湯が主方剤で明らかに有効、もうお一人は地竜を主体に体質改善三点セットの併用で明らかに有効である。
やっぱり温暖化は人体にも及んでいても当然であろう。
にもかかわらず三名とも多かれ少なかれ、各種の間違った温め療法で被害を蒙っていた。
しかしながら、ここで注意を強く喚起しておかねばならかいことは、熱証に偏った持病を持たれていても、強い寒邪に遇えば一時的に寒証に陥ることはあり得る事で、やや熱証に傾くアトピーがある人でも、折々に葛根湯証の頭痛を呈する人も珍しくない。
一時的な風寒束表である。
先日も、典型的な実熱証と陰虚火旺証が合併していたアトピー性皮膚炎の男性が、20度のクーラーでひどく寝冷えして強烈な悪寒とともに頭痛・吐き気でどうしようというメールが舞い込んだ。
地元だから来れない距離ではないが、動けないからメールが来たのである。
全面的に現在服用中の漢方薬は一時中止するように厳命し、かわりに藿香正気散(カッコウショウキサン)だけを服用するように指示。(バッファリンも併用したとのこと)
結果は二回の服用で完全に治ったので、従来の清熱解毒剤を主体にした多種類のアトピー治療方剤類を直ぐに再開している。
このように熱証や陰虚証体質であっても、気象条件や生活環境条件によっては一時的な外感風寒の症候を呈するので、臨機応変な配合変化がここでも必要になるのである。
しかしながら、上記の気管支喘息の患者さんたちに限っては、過去の病歴を詳細に検討してみたところ、風寒束表に見舞われても直ぐに温病に転化しており、二名の人は明らかに葛根湯を代表とする麻黄や桂枝など辛温発散の薬物が配合された方剤は、どのような時にも使ってはならない体質者のようである。
つまり発作を誘発する風邪症状はいずれも外感風熱の症候を呈していたということである。
ところで、とても重要なことは四季を通じてお腹だけは保温に注意すべきで、お腹が冷え過ぎるのはよくないことである。
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