ブログを拝見していますとお忙しい毎日をお過ごしのようですね。当クリニックも、中医漢方薬学もどきの投薬を行いすこしずつではありますが、馴染みの患者さんが増えていまして、何とか息をつないでいるところです。
なかには、一回の受診だけでそのあと来院していないかたもいらっしゃいます。効果の現れるのが遅いという印象をお持ちのかたの場合、もうすこし時間を頂戴できればと思うこともあります。
最近のご時勢からいって超即効をご期待のかたがだんだん多くなり、当方も余裕のない診療を余儀なくされる傾向が日増しに大きくなってきている感じがします。でも可及的速やかに正確な弁証を行えるように日々研鑽を心していかなければとも思っています。
前置きがやや長くなりましたが、個人的に相談にのっていただければと存じます。
血圧は降圧剤とチョウトウサン、ハチミガン少量(一日10丸)を服薬し、夕食のあとジュンチョウトウを1包内服しています(内服しないと硬い排便となります。リアルの話で恐縮です)。
おかげさまで血圧はまずまずで、排便も出だしはやや硬いですが、普通便からやや軟便がでています。
舌は紅で、以前は薄い黄色苔がありましたが、目立たなくなっています。
この最近午前中の診療の10時半過ぎになりますとやたらと眠くなります(就寝が1時過ぎになることも影響しているかもしれません)。
そして、これは随分まえからの症状ですが、フラツキ感・軽度耳鳴り・めまいがあります。
土曜日の診療を終了すると結構フラフラになるのは脳疲労のせいでしょうか。さほど頭を酷使しているとも思えないのですが。
さすがに、患者さんの前でウトウトすることはありませんが(笑)、何とかできないかと愚考しています。
ご助言くださいますようにお願いします。
御返事メール:先生も御多忙続きのご様子、お互い老体?には応える毎日のようにお察し申し上げます。
といっても先生はまだ中年真っ盛り、小生は五十代でもすでに老体の気分です。
実に馬鹿げた妄想ですが、いつまでも血気盛んな頃の自身のイメージから脱し切れないまま、気が付けば既に中年っ!
まさかこんなに年を取るはずではなかったのだがっ!
三島由紀夫の小説にしばしば出て来る「夭折」するはずだったはずだが・・・、このような老醜を晒す身になるなど信じられない毎日。
どうせ老醜を晒すくらいなら、この腐り切った日本を少しでも古きよき時代を思い出させようとはじめたはずのブログ 文武両道・失われた日本の心も、昨今は放置したままのテイタラク。
何を書いてるのやら、心身ともに疲れ切る毎日。昨今、新しい来訪者がずっと続くことは喜ばしい事ながら、繊細な神経が常にピ〜〜ンと張り詰めた状態で、牛黄製剤や哲学の煙で何とか毎日を過ごしている状態。暑くなって血圧は正常化したものの、冬になればアテにならないし・・・と、当方も冗漫な前置きが長くなるのも、この度の先生のご相談内容、小生自身が昨今、同類の悩みを上記の哲学の煙や牛黄製剤や麝香製剤で何とか誤魔化している毎日。
こちらからも先生にご相談したいくらいです(苦笑。
むしろ先生のように診療中に眠くなるのはうらやましいくらいです。
ただ小生も、耳鳴りこそありませんが、フラツキ感は折々に感じることがありますが、これは目を酷使することと若い頃に右腕ばかり使う運動をやり過ぎたため(と頭部打撲もあり)の頚椎症が原因であろうと考えています。
しかしながら、ここ一年近くは首を縮めない姿勢を保つ、首をなるべく伸ばすことを心がけることで、ほとんど解消しています。
先生の「フラツキ感・軽度耳鳴り・めまい」も頚椎症関連、あるいは頚動脈の狭窄などが原因ではないかと勝手に推測するのですが、案外、葛根湯証があるのではないでしょうか?
首の真裏を軽く揉むと気持ちが良いというのと、同じ首の真裏を温めると気持ちが良いという二拍子揃えば間違いなく葛根湯証です。但し、この条件が揃っていても高血圧傾向があることを考えますと、ツムラなど医療用の葛根湯では甘草の比率が多過ぎます(逆の表現をすれば甘草の配合分量に比較してに葛根の量が足りない)ので、一回に服用する量を半量に減らす必要があります。
上記の条件が揃っていれば、葛根湯の半量を適宜使用することで、葛根湯による覚醒作用と同時に軽度の頚椎症が原因だった場合の「フラツキ感・軽度耳鳴り・めまい」であれば、そのほとんどが雲散霧消する可能性が高いと思います。
世の中、意外に釣藤散証と葛根湯証が合併することも多いのですが、葛根湯は比較的速効があるので、あえて常用する必要はなく、適宜使用する方法でも十分な効果が出ることが多いものです。
まずは、葛根湯証が潜んでないかを点検されてみては如何でしょうか?
もしも葛根湯証がなければ、姿勢を正す整体治療が有効なように思います。
【関連する記事】
- 突然生じた激しい回転性の眩暈(めまい)に即効を得る方法
- メマイというよりもフラツキに対する漢方薬は一定の効果があっても数年以上の根気が必..
- 動揺性めまい?の漢方薬のご相談(でも、お返事メールは着信不能だった!)
- 「めまい」とは微妙に異なる「ふらつき」は、とくに原因に沿った漢方薬の配合が必須
- 前回の続き(浮動性のめまいを主訴として様々な症状を抱える胃腸虚弱者からのご相談)..
- 浮動性のめまいを主訴として様々な症状を抱える胃腸虚弱者からのご相談
- 日本漢方では思いつかなかった配合
- 耳鳴の漢方薬は気剤が有効なことも多い
- 著効がありながら直ぐに効果を失った場合は・・・
- 高血圧体質の人に葛根湯を用いることの是非
- 真武湯証が疑われる高校生の御相談
- 耳鳴りが20日分の漢方薬で7年間再発しなかった例