2005年12月05日

欧州の某国に在住の日本女性、耳鳴りの漢方薬の御相談

お問い合わせ内容 : 現在×××に住んでいて、×××から書いています。
今年の3月に音楽がうるさくかかっているパーティーに3時間ぐらいいてそれ以来、両方で耳鳴りがしています。
それまでだったら一晩寝たら治った耳鳴りが今回、二日してもなおらないので、耳鼻科にいって薬をだしてもらい一週間ほどのみましたが治らなかったので、その後2週間点滴を毎日うちました。
がぜんぜんよくなりませんでした。
耳鼻科のその先生には、一ヵ月たってもよくならなかったら、多分ずっと残ると言われました。
一週間後あきらめきれず、今度は耳鼻科の先生で鍼をする先生を見つけて鍼をうってもらいましたが、二日か三日おきに三回ぐらいしましたが、痛くてやめました。
それプラス音が大きくなりました。

その後二人の耳鼻科医と一人の内科医をまわりましたが、結論は耳鳴りの原因は、大きな音だったのか、首、肩がこっているなら、そういうものからきているかもしれないし、ストレスかもしれない。
結局、分からないので慣れるしかないですねといわれました。
私の悩み、心配はだんだん音が大きくなってきているということです。5月にフィジカルセラピーも6回ぐらいしました。
その最後のセッションで、どういうわけか音がジーという感じのおとから、キーンという音にかわりました。
自分でできるプチお灸をもっていたので、足の裏にしたら血液の循環が良くなるとよんだので、お灸をしたら、耳鳴りが大きくなりました。
その後、飛行機を今までに3回のっているのですが、飛行機にのるたびにキーンという音が高く、大きくなってきています。
最初のころは車にのったら、車の音で耳鳴りの音が消えたぐらいの静かな音なのですが、今は飛行機に乗っていても聞こえるぐらいです。来年からは出張で月に2、3回は飛行機にのるかもしれないので、困っています。最低でも悪化するのをとめたいのですが。
いいお薬はないでしょうか?
後、12年前ぐらいから冷え性がはじまり年々ひどくなってきています。
冷えるので夏でもスカートは、はけないじょうたいです。不思議なことは、夏とかそんなに寒いと感じないときでも、油断するとすぐおなかが痛くなります。
ひえるとすぐにおなかが痛くなるのが私の冷えの特徴です。下半身は会社にいる間はずっと冷たいです。家に帰って楽なかっこうであったかくしても足首から下がいつも冷たいです。真夏のちょう暑い35度ぐらいでも足首から下がつめたいです。
運動はできるだけ毎日30分ぐらい歩こうとしています。車通勤で、日に10時間ぐらい働いています。もともと野菜とかあっさりした料理が好きなのですが、新しく勤務するようになった事務所が、暖房はいっていてもわたしにとってはあまりにも、さむいのでお昼はこってりした肉料理を食べるようにしています。
(お肉を食べると冷えは少しやわらぎます。)
でも、コレストロールがあがるのではないかと心配です。
耳鳴りを治すのが得意だと書いていましたので、ネット販売はしないということは承知ですが、いいお薬をぜひ紹介してもらえないでしょうか?送り先は親の家の●●●でいいです。よろしく検討お願いします。


ヒゲ薬剤師の返事:拝復
詳細なご報告で、これだけの現状報告を頂ければ、適切な漢方薬がアドバイスできるかと言えば、そうも行かないのが中医漢方薬学のつらいところです。

実際に、直接お会いして舌の状態など、もっとしっかりした体質の把握がないことには、もう一歩、情報が不足です。

お送り頂いた情報だけで推量すれば、香蘇散・当帰芍薬散に海馬補腎丸の併用であるいはうまくいくかも、という推測が成り立つ程度です。
もしも、項背部(首の真裏)が凝って気持ちよいようなら、葛根湯みたいな単純方剤で耳鳴りが消えるかもしれません。
でも、ひどい冷え性は、耳鳴りと関連しようがすまいが、放置しておいてよいとも思えません。
このように、文面だけであれやこれや想像しても、決して正確ではありません。

お悩みの症状に対する漢方薬を、日本国内で直接通える状態の人でも、10日〜15日毎に何度も足を運んでもらって、3回目に適切な配合が決まればよいほうで、その後も、微調整をしながら治していくのが普通です。

こういう面倒な手続きを経なければ、そう簡単にはピッタリの漢方薬の配合を決められる訳がありません。
儲けたい薬局さんでは、お送り頂いたメールの情報のみで、「これで様子を見て下さい!」と安易に出されるところも多いようですが、多くは中途半端に終わって、漢方薬のイメージを悪くさせるだけです。

以前、×××の日本人に、直接電話相談を受けながら喘息関連の漢方薬をお送りしていたことがありますが、×××の冬は相当に寒いということをお聞きしていました。
(日本に一時帰国された時に、何度も直接やって来られていたから、その後は電話相談による通信販売に切り替えたものですが・・・)

フランスなどでは、中医学が盛んなようですが、×××には中医学専門の病院や薬局はないのでしょうか?
直接出向いて、正確なピントを合わせないと、なかなかいい配合はできないものです。

なお、食事としては生野菜は決して食べてはなりません。余計に冷え性を増すばかりです。

コレステロールは、特に日本人の場合は200〜280以内であれば問題ない、200以下など、少なすぎるほうが遥かに問題だと言われています。

むしろコレステロールが多目のほうが、若い女性にとっては熱エネルギーも蓄えられて冷え性にはプラスに働くはずです。

http://murata-kanpo.ftw.jp/u45185.html

いずれにせよ、もしも×××に漢方薬を専門に扱うところがなければ、日本に帰国した折にでも直接、中医学専門の薬局か医院を訪問されて、正確な配合の漢方薬を得るべきだと存じます。

頓首
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posted by ヒゲジジイ at 21:06| 山口 ☁| 漢方と漢方薬関連の御質問 | 更新情報をチェックする