2008年07月07日

日本漢方にも中医学理論を導入しなければ将来は暗い

おたより: 関東の内科医師

 大建中湯ですか? これも結構出されてますよね…
 老人のお腹の痛みには大建中湯とか?(笑
 人参、乾姜、山椒ですから…冷えによる痛みが大建中湯かな?

 桂枝加芍薬湯は、腸の熱が原因の痛みかな?
 自分には…芍薬が腸の熱を取る感覚あるんですよね…。
 実際に芍薬だけ煎じて飲んでみたらどうなるかを経験するとよく分かりますね(笑。

 これからすれば…両者反対の処方?(^_^)
 同じなのは「お腹の痛み」かな?(笑

 自分なら…腸の痛みをどう考えるかと言えば、
「腸の痛みは気の流通の途絶と深い関わりがある」と感じています。

 お腹の後ろの背骨(腰椎)両脇の筋の張り具合を確かめ…緊張している所をほぐします。結果…気の流通が良くなり腹痛がなくなります。(^_^)v

 麻痺性イレウスなども気の停滞しているポイントに正確に鍼を打つと2〜3日もすれば治ります。鍼灸師の先生も、この村田先生のブログをごらんになっているとのこと…すでに、お分かりではないかと思います。

 自分の場合、麻痺性イレウスの患者さんの時などは、看護婦に口止めして…内緒で鍼を打ってテープで止めて2〜3日放ったらかします(笑。点滴はしますけど…。 結果…治ります!
v(^_^)v プロスタルモンは余り効きませんね〜(笑。

 治った後から一般的な漢方薬で調整するとVeryGood!ではないか?と感じています。
 もちろん…開気丸や胃神我述錠などを使えば、処方内容から考えて展開は異なると思いますが…。

GOOD NIGHT! (-。_)。。o〇


お返事メール:貴重なご意見、毎度ありがとうございます(笑・

 ただ、桂枝加芍薬湯の考え方については、些か異論があり、芍薬は確かに寒性の生薬ですが、桂枝加芍薬湯ともなれば、やはり芍薬と甘草以外は温性の生薬ばかりで構成されており、とりわけ日本で使用される桂枝は桂枝にあらずして桂皮ですから辛甘大熱であるがゆえに、桂枝加芍薬湯の性質は温性に偏るものと思います。

 大建中湯における問題点は、大建中湯エキス製剤による副作用⇒痒みを訴える患者さん続出 にも書いてみたのですが、やはり昨今、術後の癒着予防に適応者でない人にまで無作為に投与されることに大きな問題があるように思われます。
 と同時に、やはり日本で使用される「乾姜」が曲者だと睨んでいます(苦笑。

 漢方入門当初の日本漢方の時代から、術後のひどい癒着症状には大建中湯や小建中湯あるいは桂枝加芍薬湯や柴胡桂枝湯などを繁用して随分著効を得た経験をして来ましたが、軽症の人達に大建中湯の適応者はあまりいなかったと思います。

 ところが、昨今は温暖化と栄養過剰の時代に、予防的措置として重症用の大建中湯が乱用されていること自体に問題があるのではないかと勘ぐっているところです。

 ところで鍼灸も素晴らしいことと存じますが、地元では鍼灸でも治せなかった坐骨神経痛の重症者まで漢方内服薬で救ってきた経験が多いだけに、どうしても手前味噌的に考えてしまいます(唯我独尊だと嘲笑されそうですが・・・)。

 先生の長年培われたユニークな考察に、是非とも中医学理論をもっともっと注入されればっと常々期待しているところです。
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posted by ヒゲジジイ at 12:10| 山口 ☁| 日本漢方の情けない現状と限界 | 更新情報をチェックする