ご質問者:東海地方の内科医師
いつも有益なご助言を頂くことができ、感謝しています。
今日は二点ご教示ください。先ず一件めです。●●●●に関してです。年齢的なこともあると思いますが(7?歳)、眼が見難いと言っております。
白内障もありますのである程度は仕方がないのでしょうが。今年の2月ごろにもやはり見えにくいといって眼科に受診しましたが、視力自体はさほど悪くなかったようです。
そして、当時ちょっと気力と申しましょうか、意欲といったらいいのか微妙ですが、気分的に優れないといっていました。
以前に抑肝散加陳皮半夏を飲む機会がありまして(イライラしたときに)、随分調子が良く美味しく服薬できたそうでしたので、本人が一日3包(エキス剤)服薬したところ随分調子
がよくなって眼の見え方も改善したといっていました。
そして、杞菊妙見丸はなにやら気分がいいそうです。夫との間柄とか娘のことやらでストレスは尽きないようではあります。
いつもながらに情報量が少ないなかでのご相談で恐縮です。
二件目ですが、腎機能が低下している方への漢方に関してです。
近隣の結構漢方で有名な先生がある雑誌のなかで黄耆(オウギ)が腎機能を改善する作用があり、それも単味でかなり大量を煎じて投与すると良い、と論じておられ、一般的に単味からニ味にこだわっているそうです(多くても六味までだそうで、それ以上は無駄であるとはっきりおっしゃっています)。
個人的には、煎じぐすりを処方する予定はなく(いまのところ、エキス製剤の組み合わせで十分のようです)当クリニックとしては考慮外です。
また、村田さんにご助言いただき、中医漢方薬学的に処方させていただいて、患者さんにも一定の手ごたえを感じていますので、さらに精進して行きたいと思っています。
愚問かもしれませんが、黄耆の腎機能改善作用についての見解を教えていただければ幸いです。
お返事メール:
http://m-kanpo.ftw.jp/u37512.html#727(平成17年07月27日の日録)このように現在は休眠中のサイトでも平成17年に取り上げています。
ただ、小生の薬局では、やはり従来どおりの弁証論治で、クレアチニンや尿素窒素が異常に高くて透析寸前でもない限りは、従来どおり、クレアチニンや尿素窒素を正常化できているので、この記事を常に意識しながらも現実には黄耆の大量使用はまだ行ったことがありません。
腎不全患者さんには黄膩苔を認めることが多いので、高濃度の茵陳蒿湯を必要とすることが多く、六味丸系列の方剤とともに必要に応じて補中益気丸などの脾肺気虚を救う方剤に、尿素窒素を積極的に下げるためには大黄の粉末(煎じては無意味)を併用する従来の考え方で、透析を免れた人が現在も何年にも亘って服用し続けておられます。(一生続けるべきだと考えていますが・・・)
これらの方法でも、週二回の透析が三回に増えそうで、三回になると会社を辞めざるを得ないという切羽詰った男性でも、この方法で週二回の透析で維持できる状態が少なくとも五年以上続いています。
黄耆の大量使用は、今後、透析寸前の患者さんに遭遇する機会があれば上記の通常の弁証論治に加えてみるべきか、と考えています。
(追記: 過去に二例ほどビクとも反応せずに困惑した苦い経験があるものの、その後は上記のような基本的な弁証論治に薬用量を十分に使用することなどの工夫で、多くの人が透析を免れている。
今後、もしも十分な改善効果が得られないケースに遭遇すれば黄耆を大量に追加してみる方法を試みるべきかと考えている。但し、上記の方法で今のところは十分に通用している。)
●●様の眼につきましては、より効果を挙げるために、一度、杞菊地黄丸系列の方剤をイスクラ製の杞菊地黄丸に切り替えてみては如何でしょうか?
時にメーカー間の薬効の違いや相性の違いは驚くべきほどで、たとえば最近も医療用の五苓散と、当方で自信のある某メーカーの五苓散の効果の違いを偶然比較する機会があり、歴然とした差異が出ているようです。
やはり蒼朮(ソウジュツ)と白朮(ビャクジュツ)の問題は小さくないように思います。





