それはともかく本題である。
芍薬甘草湯は、こむら返りに著効を奏するのは常識だが、それ以外でも各種疼痛にしばしば偉効を奏するので、乱用には注意が必要である。
以前、某社の芍薬甘草湯は濃度が低く、低い割にはよく効くので、甘草の過剰服用の心配はほとんどないので、安心して販売できていたが、某社のエキス剤が軒並み製造中止となったことがあり、昨今はその2倍濃度の他社の芍薬甘草湯エキス細粒に切り替えていた。
各種疼痛に折々に利用されていた常連さんに、ますます好評で、好評なだけに乱用すると浮腫や血圧上昇を見る場合があるので、注意を怠れない。
効果があったら直ぐに中止して、再度疼痛を感じたら頓服的な使用にすべきで、この注意を怠らなければ、一生涯役立つ漢方薬だからと口が酸っぱくなるほど折々にアドバイスしている。
万一、連用し過ぎて浮腫などが生じたら、即中止して五苓散エキスを服用すれば短期間で解消する。
ともあれ、現実にはよくあるこむら返りのみならず、様々な疼痛に効果があるので、他の方剤で効果がみられない場合に、一度試してみる価値は大いにあり得ることで、それは想像以上である。
極端な例でも、45年以上前、我が父親が食道癌で、気が付いた時には肝臓と脳に転移していたのだが、その食道癌の疼痛に用いて、超即効を得て、その煎じ薬を毎回、拝みながら服用していたのを思い出す。
昨今では90代の一人暮らしながら、そんじゅそこいらの若者よりも頭が冴え、しかも漢方薬類の運用にもかなり習熟された常連さんは、牛黄製剤と麝香製剤の長きにわたる愛用者ながら、こむら返りどころか、昨今では手指や肩・腕などの疼痛に悩まされるようになり、さすがの心龍や疎経活血湯では効果が判然としない。
そこで、こむら返りの時に使用して常備している芍薬甘草湯エキスを試したところ、あらゆる個所の疼痛に即効を得て大喜びの電話があった。
もう一人の60代の常連さんは、日頃から右背中などに疼痛を発し、本人は胆石や胆嚢炎ではないかと心配されるので、その筋の漢方を使用しても一向に効果がない。
重いものを持つことが多いので、筋肉痛ではないかと、だから試しに芍薬甘草湯エキスを勧めておいたのだが・・・。
そこで近所の生まれる前から親しい内科クリニックでも診てもらったところ、内臓には全く異常はみられないという。
ということで芍薬甘草湯エキスを試したところ、やはり即効を得たという報告があったが、その後どうなったことかまだ不明であるが、上記の90代の女性は、日々上手に服用されて、その後も経過良好とのことで、ますます漢方薬の信頼が深まるばかりとなっている。
エキス濃度が2倍の製剤は、明らかに効果が優れている。
蛇足ながら、含有量が多いから効果が必ず上がるとは限らない。
配合中の生薬それぞれの品質の優劣については、想像以上に効果の影響が大きい。
品質の優劣問題は絶対に看過できないことで、最近も以下のような報告があったので、ややショックを受けている。
昨年、某社の杞菊地黄丸が廃止となったのに変えて、含有量が4%少ない他社の製品に切り替えてもらったところ、愛用されているベテラン薬剤師の女性の報告では、眼精疲労には明らかに新たな他社製の方が効果がよいと、一昨日メール報告を得たばかり。
応援したくないアンチの人が多いですね⇒
2012年2月17日の茶トラのボクチン7歳とクロちゃん1歳未満 posted by (C)ヒゲジジイ
ラベル:芍薬甘草湯