大学生時代、大阪の「高見の里」から兵庫県の「西ノ宮」の自宅(といっても父の会社の社宅)に帰る道中、「天王寺」の国鉄・環状線に乗り換える前に、しばしば「阿倍野」の古書店に通ったものだった。
その一軒を訪れるたび、河出書房のグリーン版でバルザックの『幻滅』の上下2巻が棚に憮然と鎮座しているのが、どうにも気になってならなかった。
といっても気になるばかりで、購入する気にはどうしてもならなかったのは、当時の小遣いの多くをパチンコという博打に消費していたから。
不思議なほど気になっていたその『幻滅』だったが、昨日の日曜日、偶然WOWOWのオンデマンドの2時間半の映画で鑑賞することができた。
大学生時代にあれほど気になっていた『幻滅』だったからというわけでもないが、その後、グリー版の全巻を古書店で入手し、バルザック全集も新刊ですべて入手し、『ふくろう党』『Z・マルカス』や『ゴリオ爺さん』など、人間喜劇を愛読したものだが、あれほど気になっていたのに、読んで幻滅したくないという無意識が働いていたのか、不思議と『幻滅』だけは読まないまま今日まで来てしまったのだった。
ところが、50年近くもなって、偶然にも昨夜、映画で鑑賞する機会を得たというわけ。
千八百年代のフランスの雰囲気が大変興味深かったものの、貴族社会では主人公の父親が「薬屋」であったことをひどく軽蔑するので、実に不愉快やら可笑しいやら、やや複雑な思い(苦笑。
以上、極めて個人的な備忘録に過ぎない。
応援したくないアンチの人が多いですね⇒
2010年12月11日の茶トラのボクチン6歳 posted by (C)ボクチンの母
2023年12月11日
薬屋はそれほど馬鹿にされるのか!?
posted by ヒゲジジイ at 17:33| 山口 ☔| 近況報告
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