まったくの新規で訪れるご高齢者の場合、当時でさえ、いったん漢方薬を出してしまうと、親族(多くは遠方の大人の子供さん達)の横やりで、延々と不快な詰問を受ける羽目に陥り、他の仕事に支障を来したトラウマから、常連さんの超身近なご家族のご高齢者でもない限りはすべてお断りせざるを得なかった。
昨今はなおさら、すべて新規のご相談はお断りしているのだから、なおさらとはいえ、立て続けにご高齢者の新規の依頼がかなり目立つ。
しかも、かなりきわどい末期的な状況下であることも多い。
「相談できなければ、漢方薬だけでも販売してもらえないだろうか?」 というなんとも怪訝な質問。
適切な漢方薬を選ぶのに、詳細な質問に答えてもらう必要があり、それをもとに弁証論治する必要があるのだから、やるせない。
と、そんなことで思い出したのが、過去、ご自身の病苦を治すのに、漢方を勉強しているが自身では治せないと、遠路はるばるやって来られた若い医師(超トップクラスの医学部を卒業)の漢方相談時の出来事。
あれこれとフィットする漢方薬の配合を考えている最中に、唐突に「そんなに考え続けてもしょうがないじゃないですか!」という趣旨の発言に、こちらは頭にきて、烈火のごとく𠮟り飛ばして、二度と来るなと拒絶したことを思い出したのである。
受験は暗記力だけで勝てるので、いくらコピー人間のように暗記力が優れていても、中医学や漢方医学のように、やや特殊な思考能力を必要とする領域には、いくら超難関の医学部を卒業していても、まったく不可能な領域であるらしい。
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2012年03月27日の茶トラのボクチン(7歳半) posted by (C)ヒゲジジイ
ラベル:弁証論治