この定義内容の諸症状こそは、中医漢方薬学が得意とするものであるが、西洋医学で治ったという人は聞いたことがないのは、村田漢方堂薬局に相談に来られる人に限っては、当然のことかもしれない。西洋医学治療で治るくらいなら、相談に来られるはずもないからである(笑。
ところで、機能性ディスペプシアは漢方治療によっても「姿勢が悪い人はなかなか改善しない」というネットの記事を読んだという胃弱の相談者は、ご自身が長年、猫背で姿勢がとても悪く、機能性ディスペプシアの定義にもピッタリだからと嘆かれるので、ヒゲジジイ自身の経験をお話しして慰めたことだった。
すなわち、私自身も若いころに重症だった経験(拙著『求道と創造の漢方』の序文にも書いている)をしていますが、中年前後から、漢方のお陰もあってか、いつも食事がおいしく、胃のことなどすっかり忘れて数十年以上が経ちます(笑。
何を隠そう、長年のサンドバックとの格闘やチヌ釣り、および鳥撮など、長年の前屈みの影響か、私自身が猫背で姿勢がとても悪く、姿勢を直そうともしませんでしたが、この通り、胃症状はスッカリ消えています。もちろん姿勢は直すに越したことはありませんが・・・。
というように、猫背で姿勢が悪くとも、大食漢で胃は丈夫と豪語する人すら、珍しくないだろう。
どうしても猫背気味になる事務職や、趣味の世界では魚釣りや、スポーツではボクシングなど、様々であるが、一部の人ではその姿勢の悪さが胃腸に影響することもあるかもしれないが、まったく影響しない人こそ多数かもしれない。
ヒゲジジイの場合は、オルスビー錠・ガジュツ製剤・藿香正気散などを長年常用することで、いつの間にか完治していた。
(といっても例外的に、練乳かき氷を1日に9個食べたときだけは、流石に藿香正気散のお世話になることがある。)
当時、藿香正気散は煎じ薬の半量のエキスしかなかった時代だが、最近は、煎じ薬濃度の勝湿顆粒という高濃度の優れた製剤があるので、便利な時代になったものである。
ともあれ、適応する漢方薬は、それぞれの体質に応じて様々で、大柴胡湯から四逆散・柴胡桂枝湯、六君子湯や参苓白朮散・オルスビー錠や開気丸・藿香正気散・半夏白朮天麻湯・ガジュツ製剤・桂枝茯苓丸など、体質と一連の症候に応じて実に様々である。
但し、症状が消失して自信を持てるまでの期間は、人によってかなりな長短の違いがあるのは、病歴にも関わる問題と、精神的な安定度との相関関係も否定できない。
完璧を求めすぎる人こそ、やや長引きやすい。
完璧なんて、世の中に滅多に存在するものではないが、「ほぼ完璧」なら、ありそうである。
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2010年10月4日の茶トラのボクチン(6歳) posted by (C)ボクチンの母
ラベル:中医漢方薬学 機能性ディスペプシア