2020年10月05日

絶対にマネしてはいけない胃腸薬の飲み方

 吾輩の若い頃の重度の胃弱は、おそらく現代の医学で命名されている機能性ディスペプシアに違いないが、漢方薬類で治った経緯を述べると、絶対にマネしてはいけない方法が主体だった。

 まずは牛胆汁エキスを主成分とするオルスビー錠の味が大好きで、毎回、口に含んで味わいながら服用すること多年(これは絶対にマネしてはいけない!理由はのちほど)。これがよくフィットして、胃もたれなどの胃の不快感が常用している限りは、ほとんど自覚することがなくなった。

 ところが、あの刺激的な味を1日3回以上続けるものだから、10年以上経つ頃には、舌が痛くなって、これはヤバイ!と思って、通常の服用方法に切り替えたところ、次第に飲むのが面倒になって、次に口内で強い刺激にならないものを物色していたが、ガジュツの錠剤を試してみると、これがまた実に美味である。

 これには長年嵌って、味わいながら口で溶かして服用しても、オルスビー錠の時のように、舌が痛くなることもなく、20年以上は徹底的に続けた。

 このガジュツの錠剤を続けるうち、タバコの影響だろう長年の歯茎や唇の「どす黒い暗赤色」が、明らかに、どす黒さが消えたと愚妻に褒められたことだった。

 上記の2種類の生薬製剤の他には、例の藿香正気散は、折々に常用していた。

 そうこうするうち、いつの間にか、大変丈夫な胃に豹変しており、冷たい練乳かき氷などを多食した時には、用心のため、藿香正気散を必要とする以外は、いつのまにか、オルスビー錠も、ガジュツの錠剤も、過食した時に、消化剤として服用することがあるくらいとなっている。

 それよりも、歯医者に行くのがイヤで、長い間、排膿散及湯+白花蛇舌草などで、調子よく経過していたのが、先月の中頃だったか、仕事で多忙を極める日が続き、疲労困憊が続いた挙句、歯茎の腫れが引かなくなり、夜も寝れないほどの疼痛で、とうとう排膿散及湯でも間に合わなくなった。

 そこで、いよいよ排膿散及湯を中止して、天津感冒片と同一成分の代替品を服用したところ、即効があり、夜中に歯痛で目覚めることもなくなり、急速に炎症が消退したまま現在に至る。

 規定量を1日3回続けだすと、一時はいつもより食事がまずく感じた時もあったが、それも慣れると、元のように食事のたびに、何を食べても美味しい、オイシイと、幸せな気分を味わっている(笑。

 なお、それら以外に長く常用しているのは、まずは牛黄製剤を主体に、杞菊地黄丸・茵蔯五苓散(頭部打撲の血種予防)・キノコ食品・板藍茶・雲南田七・適宜、生薬製剤二号方や茵蔯蒿湯とイオン化カルシウム以外にも石流茶や猪苓湯、便秘したときのみ麻子仁丸、希に葛根湯や真逆の葛根黄連黄芩湯、腰痛には心龍に適宜地竜など、こうやって書いてみると、意外に多種類のものを必要とする老体に陥ってしまったが、いわゆる胃薬は、ほとんど必要としなくなっている。
応援のクリックをお願いします 健康・ダイエットランキング

2011年10月5日の茶トラのボクチン(7歳)
2011年10月5日の茶トラのボクチン(7歳) posted by (C)ヒゲジジイ

2020年10月04日

「機能性ディスペプシア」は、中医漢方薬学が最も得意なものの一つ

 数十年前には機能性ディスペプシアという病気は、まったく聞いたことがなかった病名だが、何のことはない、「症状の原因となる器質的、全身性、代謝性疾患がないのにもかかわらず、慢性的に心窩部痛や胃もたれなどの心窩部を中心とする腹部症状を呈する疾患」という定義だという。

 この定義内容の諸症状こそは、中医漢方薬学が得意とするものであるが、西洋医学で治ったという人は聞いたことがないのは、村田漢方堂薬局に相談に来られる人に限っては、当然のことかもしれない。西洋医学治療で治るくらいなら、相談に来られるはずもないからである(笑。

 ところで、機能性ディスペプシアは漢方治療によっても「姿勢が悪い人はなかなか改善しない」というネットの記事を読んだという胃弱の相談者は、ご自身が長年、猫背で姿勢がとても悪く、機能性ディスペプシアの定義にもピッタリだからと嘆かれるので、ヒゲジジイ自身の経験をお話しして慰めたことだった。

 すなわち、私自身も若いころに重症だった経験(拙著『求道と創造の漢方』の序文にも書いている)をしていますが、中年前後から、漢方のお陰もあってか、いつも食事がおいしく、胃のことなどすっかり忘れて数十年以上が経ちます(笑。
 
 何を隠そう、長年のサンドバックとの格闘やチヌ釣り、および鳥撮など、長年の前屈みの影響か、私自身が猫背で姿勢がとても悪く、姿勢を直そうともしませんでしたが、この通り、胃症状はスッカリ消えています。もちろん姿勢は直すに越したことはありませんが・・・。

 というように、猫背で姿勢が悪くとも、大食漢で胃は丈夫と豪語する人すら、珍しくないだろう。

 どうしても猫背気味になる事務職や、趣味の世界では魚釣りや、スポーツではボクシングなど、様々であるが、一部の人ではその姿勢の悪さが胃腸に影響することもあるかもしれないが、まったく影響しない人こそ多数かもしれない。

 ヒゲジジイの場合は、オルスビー錠・ガジュツ製剤・藿香正気散などを長年常用することで、いつの間にか完治していた。
(といっても例外的に、練乳かき氷を1日に9個食べたときだけは、流石に藿香正気散のお世話になることがある。)

 当時、藿香正気散は煎じ薬の半量のエキスしかなかった時代だが、最近は、煎じ薬濃度の勝湿顆粒という高濃度の優れた製剤があるので、便利な時代になったものである。

 ともあれ、適応する漢方薬は、それぞれの体質に応じて様々で、大柴胡湯から四逆散・柴胡桂枝湯、六君子湯や参苓白朮散・オルスビー錠や開気丸・藿香正気散・半夏白朮天麻湯・ガジュツ製剤・桂枝茯苓丸など、体質と一連の症候に応じて実に様々である。

 但し、症状が消失して自信を持てるまでの期間は、人によってかなりな長短の違いがあるのは、病歴にも関わる問題と、精神的な安定度との相関関係も否定できない。

 完璧を求めすぎる人こそ、やや長引きやすい。
 完璧なんて、世の中に滅多に存在するものではないが、「ほぼ完璧」なら、ありそうである。
応援のクリックをお願いします 健康・ダイエットランキング

2010年10月4日の茶トラのボクチン(6歳)
2010年10月4日の茶トラのボクチン(6歳) posted by (C)ボクチンの母

2020年10月02日

辛夷清肺湯が頭痛や咳嗽に即効するタイプ

 前回の葛根湯には麻黄が含まれるので、諸条件がそろってもいないのに、安易に使用すると、若い年齢層でも、動悸がして続けられないというケースもあるが、たとえ寒気がある風邪の初期症状でも、安易に使用できない。

 そのような人は、直ぐに熱化して温病の症状を呈する人達である。

 条件が揃えば、葛根湯は風邪症状以外にも、肩こりのみならず、慢性頭痛にも適応する人が意外に多いものである。

 ところで、首の真裏を揉んで気持ちがよく、その部分を温めるよりも冷やした方が断然気持ちが良いというケースは、葛根黄連黄芩湯がしっかりフィットするタイプがとても多い。

 ところが、それ以上に辛夷清肺湯こそ適応するケースも、とても多く、隠れた慢性副鼻腔炎や、あるいは明らかな蓄膿症を持病としている人達に多い慢性頭痛には、辛夷清肺湯で即効を得る人も、想像以上に多いものである。

 あるいは顔面、上半身のアトピー性皮膚炎に、葛根黄連黄芩湯であれ、辛夷清肺湯であれ、ピッタリ適応する人も、想像以上に多い。

 さらには最近遭遇した例でも、デート中に咳ばかりしているので、彼氏に嫌われて捨てられそうという人が、慢性副鼻腔炎による後鼻漏が原因の咳き込みとみて、辛夷清肺湯で即効を得た。
(その後、彼氏とどうなったかまでは、気の毒で訊くことができずに不明。)

 頑固な後鼻漏による咳き込みには、実際には辛夷清肺湯+半夏厚朴湯や麦門冬湯、あるいは小陥胸湯や竹葉石膏湯などの併用すべきケースが多いのだが、上記のように、咳と後鼻漏を減らすだけなら、シンプルに辛夷清肺湯だけで即効を得ることもある。

 慢性気管支炎や咳喘息ともなると、辛夷清肺湯だけでは効果が弱いので、さらに数種類の配合が必要なことが多い。
応援のクリックをお願いします 健康・ダイエットランキング

2011年10月2日の茶トラのボクチン(7歳)
2011年10月2日の茶トラのボクチン(7歳) posted by (C)ボクチンの母

2020年10月01日

葛根湯で頭がボンヤリの霧が晴れてスッキリ!

 吾輩と同年代の女性の常連さんが、上半身の凝りや疼痛に悩まれているので、常備されている葛根:麻黄:甘草の配合比率が理想的な4:2:1のエキス錠を使用するようにアドバイスしていたところ、しばらくして報告があったのは、悩んでいた諸症状の問題よりも、喜ばしい反応に感激されていた。

 それは、日々、頭がぼんやりしていたところ、これを服用すると、頭がすっきり霧が晴れたようになって爽快であると。そこで、朝と晩2回の服用を続けているとのことだった。

 それで思い出したのが、ずいぶん前の話なので不正確な記憶かもしれないが、大塚敬節先生が80歳以上?のご高齢に達しながらも日々診療に当たられておられたが、診療前にまずは葛根湯を服用して頭をスッキリさせて診療をはじめられる、というような記事を読んだ記憶があった。

 きっと、大塚先生も、上記の女性のように、首の真裏を揉むと気持ちがよく、その個所を温めるのも気持ちがよいという2つの条件が揃っておられたことだろう。

 但し、よく効くと思っていても、突然、諸症状が取れ切ってまったく不要になり邪魔になる時期や、嵌っているときでも、あまり夜遅く服用すると、頭が冴えて眠れなくなることが多い。

 葛根湯に関しては、慢性症状に使う場合であっても、症状が取れたらいったん中止し、再度症状がでるようなら再開するという、臨機応変に使用するのがよい。

 ともあれ、これを飲んでおくと肩こりなどが取れて、ぐっすり眠れる、という奇特な人もいるのだから、人それぞれで、例外のない法則はない、というべきか。
応援のクリックをお願いします 健康・ダイエットランキング

2011年01年01日の茶トラのボクチン(6歳)
2011年01年01日の茶トラのボクチン(6歳) posted by (C)ヒゲジジイ
posted by ヒゲジジイ at 13:33| 山口 ☀| 漢方薬および生薬・中草薬・漢方の即効例 | 更新情報をチェックする