2018年03月06日
五苓散は超重要方剤ではあるが(付:腹水に対する利用法)
2009年03月06日の茶トラのボクチン(4歳) posted by (C)ボクチンの母
問題は、各社それぞれで、五苓散の効果がマチマチであること。
同じ会社のエキス製剤がすべて効果が優れていたり、劣っていたりということはないのが現実で、方剤ごとに、たとえばAという方剤は、●社が優れていて、Bという方剤は、〇社の製剤が優れていたりと、長年の経験では、方剤ごとに違いがあるように思われる。
本題の五苓散であるが、浮腫みやすい体質の女性が、長年愛用していた分消湯+茵蔯蒿湯+五苓散(その他にも神経痛やインフルエンザ予防薬類も常用)で、たまたま長年使用している五苓散がなくなったので、他社の製剤に切り替えたところ、顔面浮腫が再発すると同時に、全身も浮腫みっぽくなって、その全身が重だるくなった。
そこで従来の五苓散に戻すと、敵面に、顔面および全身の浮腫が消失して、身が軽くなった。
製剤によって、同じ五苓散でも、これほど効果に違いが出るのだから、油断がならない。
たとえば、腹膜播種によって腹水の貯留がみられるようになって相談に来られる人が多いが、分消湯や補気建中湯のいずれかで、即効を得る人ばかりでもないので、状況によっては、分消湯+補気建中湯の併用でも、効果が上がらず、さらに五苓散を追加することで、ようやく腹水が軽減できるということも、決して珍しくはない。
通常の方剤で行われる補中益気湯+五苓散で、腹水が軽減できることは意外に少なく、ましてや五苓散単独での腹水軽減効果が得られることは滅多になく、分消湯+補気建中湯+五苓散によって、はじめて軽減効果が得られたというケースは意外に多い。
ときにはこの方法でも、暖簾に腕押しということもあるのだが、これについて論じれば際限がないので、本題に戻れば、それほど重要な役割を果たす五苓散なので、今回のような由々しき問題が発覚したことは幸いでもあり、これまでの五苓散料エキス製剤の製造メーカーの選択は間違ってなかったことに自信を得たという結論である。
こんな手の内を明かす必要もないのだが、遠方の常連さんたちが、ブログが途切れる日があると、とうとう仕事をやめたのではないかと不安がられるので、本日判明した五苓散の品質問題を取り上げてみたまでのこと。
それにしても昨今、「お話が聞きたい」というだけの人が増えて、断るのに往生している。
あんまりウルサイので、高額な「お話料」でも設定して、それを伝えれば、恐れをなして退散してくれるだろうか?
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2009年03月06日の茶トラのボクチン(4歳) posted by (C)ボクチンの母
posted by ヒゲジジイ at 23:58| 山口 ☀| 癌性腹膜炎・腹膜播種・腹水や胸水に対する補気建中湯や分消湯の可能性
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