2009年10月02日の茶トラのボクチン(5歳) posted by
(C)ヒゲジジイ そもそも実証用の大柴胡湯、虚証体質者に六君子湯や補中益気湯などと振り分けて考えるレベルは、ほんの初心者のための便宜上の教えと思っておいた方がよい。
現実には、体格の見かけで方剤を割り振ってばかりいたら、玉石混淆のネットで検索して処方を指名するような素人同然で、とんでもない方剤を選びかねない。
慢性疾患では、当然のことながら虚実挟雑、寒熱錯雑していることが多いので、だから容易に病院治療では治らないのである。
ましてや保険適用レベルの漢方薬では、よほど漢方医学のみならず中医学にも堪能な医師に巡り合わない限りは、なかなか困難だろう。
吐き気恐怖のために食事恐怖となった比較的体格の良い、いかにも健康そうな女性が六君子湯+オルスビー錠に少量の四逆散の連用一年で、すっかり自信を取り戻しているし、逆に顔面蒼白で痩身、食事中にも吐き気がして中断してしまうような30代の女性が、大柴胡湯+オルスビー錠+香蘇散の半年以上の連用でしっかり回復している。
体格の良し悪しで方剤を決めては「絶対に!」いけない。
消化器症状を訴える場合には、まず調べるべきは、本人自身に、心窩部を軽く抑えてもらって、気持ちがよいか? あるいは触るのも不快でトンデモナイと口走るか? そのいずれかの程度問題を探るべきである。 消化器症状に漢方処方を考えるとき、体格の良し悪しなどほとんどまったく無関係。
六君子湯が適応する人には、当然、華奢で痩身な人も多いし、大柴胡湯が適応する人には体格がガッチリしている人も多いが、その真逆の人も珍しくないどころか、現実にはザラに見られる。
だからやや複雑な体質では、現実に、痩身で胃弱と眼科疾患を伴う人に大柴胡湯+補中益気湯+杞菊地黄丸などがよくフィットしている人や、同じく痩身で胃腸が弱い体質者に大柴胡湯+参苓白朮散+開気丸などが適応する人もいるくらいだから、そのうち大柴胡湯+六君子湯がフィットする人が現れても、まったく不思議ではないだろう(笑。
果ては、とても華奢な六十代の女性で、大柴胡湯+葛根黄連黄芩湯+茵蔯蒿湯+石流茶+当帰四逆加呉茱萸生姜湯という極端に寒熱錯雑している胆石持ちで下半身は冷えによる腰痛で、眼瞼下垂を生じていた人には、このような複雑な配合がしっかりフィットしている。
みかけで虚実を判断すると、大きく判断を誤るので、だから素人判断で、玉石混淆のネット情報や書籍に頼って、漢方薬に手を出すのは怪我の元だろう。
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2009年10月02日の茶トラのボクチン(5歳) posted by
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posted by ヒゲジジイ at 01:11| 山口 ☀|
大柴胡湯や茵蔯蒿湯(インチンコウトウ)の真実
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