2016年10月12日のシロちゃん(メス3歳) posted by (C)ボクチンの母
日本漢方主体の方剤ばかりで、しかも日本全国どこででも容易に入手可能な十全大補湯、補中益気湯、人参養栄湯などを駆使して、癌サポートの成果を多種類(少なくとも5冊以上?)の著書で喧伝されている癌研有明病院の星野先生。
中医学や中草薬知識の介入なしに、ここまで優れた業績を報告され、世間に漢方薬の有用性を知ってもらうのは悪いことではないが、ちょっと勇み足の文言には、失礼ながら、呆れ果ててしまった。即ち
漢方医学は、診断の精緻さ、治療の有効性、生薬の使用量や副作用の少なさなど、いずれにおいても、生薬治療学として、現代中国の中医学よりもはるかに優れています。このように、中医学よりも漢方医学がはるかに優れていると、臆面もなく極めて信憑性の低い、偏った主観を断定的に書かれる無神経さには唖然とさせられましたね。
━『漢方によるがん治療の奇蹟』星野惠津夫著より
たくさんの著書のある星野氏は、東大医学部出身とのこと。
村田漢方堂薬局にも東大医学部出身の医師自身が某疾患の漢方相談に、たまにやって来ては、無神経な発言を繰り返されて辟易しているが、同等レベルの無神経さといっても過言ではないだろう。
ともあれ、日本漢方でもここまでやれることを喧伝されるのは素晴らしいことではあるが、牛黄や麝香のような高貴薬が無記載なのはやむを得ないにしても、東洋医学の素晴らしさを喧伝されようというのに、腹水や胸水のサポートに五苓散が記載されるのみで、日本漢方でこそ長く使われてきて定評のある補気建中湯や分消湯、あるいは小陥胸湯+五苓散などの記載がみられないことには驚かされた。
いずれにせよ、東洋医学が中医学よりもはるかに優れているという記載は、あまりにも勇み足に過ぎるだろう。
蛇足ながら、数十年前にも、東大出身の当時の近畿大学医学部の遠田裕政教授が、中医学理論は荒唐無稽だと激しく非難する論文を月刊『和漢薬』誌に掲載された折に、ヒゲジジイが激しく逆非難の論文を投稿したところ、同じ東大出身の某大学医学部の某教授から、よくぞ書いてくれたと拍手喝采のファンレターをもらったことを懐かしく思い出した(呵々。
1日1回、今日も応援のクリックをお願いします⇒
2016年10月12日のシロちゃん(メス3歳) posted by (C)ボクチンの母
2011年10月16日の茶トラのボクチン(7歳) posted by (C)ボクチンの母