2016年09月26日

東海地方の漢方内科医の先生による 『漢方薬にて著効を得た進行期悪性リンパ腫の一例』

2009年9月26日のボクチン(5歳)
2009年9月26日のボクチン(5歳) posted by (C)ボクチンの母

東海地方の漢方内科医師(クリニック院長)による症例のご報告

  漢方薬にて著効を得た進行期悪性リンパ腫の一例

こんにちは、最近、ブログの上で、ガンの患者さんについて記されていますが、興味深く拝読させて頂いています。こちらでも興味深いケースがありましたので、ご一読ください。ちょっと長いです。

61 歳女性

平成 2◯ 年 1 月 6 日に初診された患者さんです。

「昨年の 9 月に吐き気があり近位を受診しました。 内視鏡検査とエコー検査を受けて腹部に 8cm 大の腫瘍を指摘されて近くの総合病院へ紹介されました。肝臓と腫瘍の生検をされて肝臓ガンとか胆管がんではなく、悪性リンパ腫の疑いがある、と言われました。友達に相談したところ、勤務医のときに血液内科をしていたことがある、と聞いてこちらに受診しました」

「もし悪性リンパ腫であれば抗がん剤治療で良くなる可能性があるので、血液内科の専門医がいる総合病院へ受診してみてはいかがでしょう。もし、良ければお近くの病院で紹介します」とお伝えし、自宅からあまり離れていない総合病院を紹介しました。

平成 2◯ 年 5 月 31 日、久し振りに再診されました。

「脾臓原発のびまん性大細胞型 B 細胞性リンパ腫で抗がん剤治療を 6 クール受けました。担当医からは、『肝臓中に直径 2 センチくらいの腫瘍が残存している。あと 2 クール追加して評価します。でも、寛解になる確率は低い。放射線治療も困難で、別の抗がん剤併用による治療になるでしょう』とのことでした。治療を開始するまえは肝臓の中に最大で 14cm の巨大な腫瘍がありました。漢方薬でなんとか免疫力をあげることはできませんか?」とのことで、抗がん剤治療の副作用で痩せた顔の上に必死さが現れている表情でした。

あと 2 クールの抗がん剤治療が残っているとのことでしたので、抗がん剤によって受けた全身的ダメージからの回復を図るために煎じ薬を投薬しました(オウギ 6g 、コウジン 4g 、ジオウ 4g 、ソウジュツ 3g 、チンピ 2g 、ハンゲ 3g 、ビャクジュツ 3g 、ホウブシ 1g) 。

平成 2◯ 年 7 月 4 日再診されました。「結局、初めからの治療は 6 クールで見切りをつけられてしまい、抗がん剤治療が変更になりました。 6/27 に検査しましたが、貧血と血小板が低くなっていました( WBC 2600 RBC 207 Hb 7.2 Pt 4.2) 」

血液毒性からの回復を期待して八味丸を 30 丸追加しました。

平成 2◯ 年 7 月 25 日、「いままでは、抗がん剤治療のあとで白血球を増やす注射を必ず受けていましたが (G-CSF) 、今回打たなくて済みました。不思議でした。先生によると、今受けている治療を 2 クール目までして 7/29 に CT で評価するそうです。ドキドキですね」

継続投与としました。

平成 2◯ 年 8 月 25 日、「白血球の値が少なくて治療を受けれませんでした。からだは楽ですが、微妙な気持ちですね。それから、 CT 検査で肝臓の中で胆嚢上に不規則な腫瘍がある、と言われて心配です。以前は指摘されいませんでしたので」

煎じ薬に加えて、バンラン根 3g、丹参 4g 、冬虫夏草 2g を追加しました。

平成 2◯ 年 10 月 17 日、「ちょっと久し振りですね。おおきな病院へ転院なり、放射線治療を受けてきました。初めは出来ないと言われていましたが、結局、他に手がなかったようで、放射線治療に振られました。でも全部で 25 回受けるところを、 11 回で中断になりました。白血球減少があって継続できなかったようです。すこし、放射線治療せいか、吐き気があります」

チンピ 4g とインチンコウ 4g を追加しました。

平成 2◯ 年 12 月 5 日、「白血球減少の回復が悪く、肝機能が上がってきまして、放射線治療が予定の途中で完了になってしまいました。エコーをして、胆嚢に近い肝臓の中に 22x28mm の腫瘍がありました。心配ですが、来年の 1 月以降に PET 検査するそうです。吐き気ありません」

心窩部に浸水音を認め再発を心配しいる状況でしたので、ブクリョウ 6g を追加しました。

平成 2◯ + 1 年 1 月 21 日、「 10 日前に受診しましたが、肝機能は良くなっていましたし、白血球とか血小板回復していました。体重も 45kg に太りました」

前回受診ときの血液検査で免疫の数値が良好でした (NK 細胞活性 63%) 。

煎じ薬に半枝蓮 2g と白花蛇草 2g を追加しました。

平成 2◯ + 1 年 3 月 31 日、「エコーの検査しました。昨年 11/6 に検査したときは 22x28mm でしたが、今回は 17mm 長径に小さくなっていました。ちょっ嬉しかったです」

処方は継続しました。

平成 2◯ + 1 年 5 月 15 日、「 3/16 にエコーしました。肝臓の S4 の腫瘍が縮小していました。肝機能とか、白血球と血小板も良かったです」

平成 2◯ + 1 年 6 月 19 日、「 6/8 に検査しましたが、白血球血小板とも回復していました (WBC 4600 RBC 356 Hb 12.0 Pt 22.0 TP 6.3 Alb 4.2) 。」

抗がん剤治療の後の全身ダメージから回復しているようです、と伝えて継続処方しました。

平成 2◯ + 1 年 8 月 21 日、「 6/22 に血液内科へ受診しましたが、先生から、もうここへは受診しなく良い、と言われてしまいましたが、心配なので、経過観察をお願いしました」

平成 2◯ + 1 年 10 月 2 日、「先生は、 3 ヶ月一度でいいでしょう、と言われました」

「お薬は継続とします。 3 ヶ月 に一度の受診で済むということは、担当医も安定した状態にあるとお考えだと思います」

平成 2◯ + 1 年 11 月 27 日、 12 月 4 日再診。継続投薬。

平成 2◯ + 2 年 1 月 8 日、「胃が詰まった感じですが、体重が最低から 15kg 増えました」

平成 2◯ + 2 年 2 月 5 日再診

「 1 月 8 日の検査で、以前良かった NK 細胞活性数値が少なくてなっていましたが、何かストレスとかありましたか?」とお聞きしたところ、付き添いの家人がおっしゃいました「本人としてストレスはないと思います。むしろ、私達のほうがストレスです。薬を作っても最近ちゃんと飲んでくれませんので」とのこと。ご本人もすこしきまり悪そう様子でした。

漢方薬の服薬が不規則になって、免疫力 (NK 細胞活性 ) が低下している可能性を説明して、継続投薬としました。

平成 2◯ + 2 年 3 月 9 日、「胃の具合が今一つです。体重も 45kg に痩せました。内視鏡検査をしまして、ピロリ菌の除菌が必要であと言われました」

平成 2◯ + 2 年 4 月 15 日、「脳の MR 検査受けて異常なく、 CT で骨盤底ごく僅か腹水ありましたが、肝臓とかに異常を指摘されませんでしたし、エコーで指摘されていた病変が悪化しているようでもないようです」

五苓散を追加。

そのあと月に一度のペースで再診しておられました。

平成 2◯ + 2 年 8 月 27 日、「先生、いよいよ再発できなくなってしまいました。担当医からお聞きしたのですが、先生がたが大勢出席する学会で私のケースが症例報告として発表されたそうです。先生がおっしゃっていました『学会で発表してしまったので、再発してもらってはこちらが困る。まれな経過として報告させていただいた』 再発したら先生に叱られそうです。どうしましょう」

「悪性リンパ腫に対して行われた、最終の治療である放射線治療が中断せざる終えない形で終了となって、はやくも 2 年近くになります。この間、担当医としては無治療で経過観察してきた訳ですが ( そのおつもり ) 、途中の画像診断で再発の兆候はなく、むしろ、巨大な腫瘍の跡も肝臓内に指摘されない状態になっているのは、確かに、担当医として不思議な経過だと感じたに違いありません。そんなことで “ 稀な ” 経過を辿った症例報告をなさったのでしょう。一般的に言って、治療を終了して 2 年再発しなければ、そのあとに再発する危険性は非常に少ないので、心配しないで良いと思います。なにより、現在も無治療ではなくて、免疫力を賦活する漢方薬治療を継続していますので」とお伝えしたところ、幾らか表情は緩んでお帰りになりました。

悪性リンパ腫への治療が経緯はどうあれ、終了してしばらくして検査した NK 細胞活性が 60% 台と良好な値にあったものが、漢方薬内服が十分ではなくなって低下していた事から、漢方薬の免疫力賦活作用が考えられます。また、抗がん剤とか放射線とかの治療がなされていない状況で、残存病変が縮小していった経過から、本人固有の抗がん性の免疫力が頑張ってくれていることが強く示唆されます。

いつも、村田さんが事例を通して実感していることが再現されているような気がしました。

それにしても、主治医の想う無治療の背後に、実は、漢方薬が暗躍していたとお知りになったときの先生がたの感想については興味深いところです。



話は大きく変わります。最近の日本代表の戦いぶりには危なさが見られますが、将来は期待できるかもしれません。今インドで行われている U16 の AFC の選手権での中高校生世代の戦いぶりは、今までの代表にはない次元を感じます。 UAE に対しては堅実な試合を展開して、すこし危ないところがありましたが、 U17 のワールドカップ出場権を取得しました。タレント性、戦術、メンタルなど驚くばかりです。ひょっとすると U17 のワールドカップでも結構暴れそうな感じがします。

長くなってしまいました。

2009年9月26日の茶トラのボクチン(5歳)
2009年9月26日の茶トラのボクチン(5歳) posted by (C)ボクチンの母

お返事メール:

 このたびは、貴重な症例報告、ありがとうございます。

 それにしても、漢方薬類のバックアップをご存知ないまま、学会で発表される事例は、意外に枚挙に暇がないことと存じますが、そのために西洋医学治療だけの効果であると過信されるのもどうかな〜と思います(苦笑。

 本格的な中医学的な手法で、中草薬を多数採用されていることで、一般の医療用漢方エキス剤レベルをはるかに凌駕されていることと存じます。

 漢方薬類によるサポートを快く思われない西洋医学の主治医の先生方も多い中、こちらでは先日もブログでも取り上げた例で、ご高齢者のかなり進行した悪性リンパ腫に、漢方薬の併用を禁止したQ大系列で勤務される主治医の命令にも拘わらず、結局は漢方薬類の服用によって重度の腹満もアッサリと解消して食欲も回復したことから、主治医に隠れて服用を継続されておられます。

 偶然、先日、Q大出身の医師の方が漢方相談に来られたのですが、その先生に言わせれば、ご出身の科では決して漢方薬を否定することはなかったと言われます。
 巨大組織なので、例外の科は存在するのでしょうけど・・・。

 ところで U17 のワールドカップ出場権を獲得したUAE選は、偶然テレビで観戦していましたが、頼もしい限りですね。現在の日本代表は頼りになりませんが、先生もご指摘の通り、この年代には将来とても期待が持てそうですね!

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2010年9月26日のボクチン(6歳)
2010年9月26日のボクチン(6歳) posted by (C)ボクチンの母

ラベル:悪性リンパ腫
posted by ヒゲジジイ at 21:53| 山口 ☁| 悪性リンパ腫でステージ4・胃マルトリンパ腫 | 更新情報をチェックする