2009年03月19日の茶トラのボクチン(4歳) posted by (C)ボクチンの母
東海地方の漢方内科医の先生からのおたより
3?歳 女性
平成 x 年 2 月 16 日 初診されました。
「 9 年前に潰瘍性大腸炎と診断されて、某大学病院へ通っていて投薬 ( アサコール ) を受けていましたが、血便はなくなりました。でも、 4 年ほど前からおなかが渋るように痛くなることがしょっちゅうです。今、 3 ヶ月の乳児いますが、妊娠が判明したときにアサコール中止になりました。この腹痛について担当の先生にお伝えしてありますが、血便がなく血液検査で異常がないので、あまり取り合ってくださいません」とのこと。
臍部左側に圧痛があり、腹直筋が緊張していて、他に、血虚を観察しました。
桂枝茯苓丸と、真武湯合人参養栄湯を処方し、腹痛のときに芍薬甘草湯を頓服で使うようにお伝えしました。
3 月 1 日
「なおりそうです。次の日からおトイレに行かなくて済むようになりました。しぶるような腹痛はなくなりましたね、驚きです。ただ、前からですが、排便が週に一度で、足先がすごく冷えてコメカミがおかしくなることがあり、そのときにおなかがぎゅーっと握られるような感じがします」
当帰四逆加呉茱萸生姜湯を追加しました。
3 月 16 日
「おなかはスッキリよくなりました。便通は 3 日一度くらいです。例年は花粉がひどかったですが、今年は全然よいです」
継続処方としました。
初診から 2 週間で、患者さんの一番困った訴えは改善し、約 4 週間でほぼいろいろな症状が消失ないしは改善しました。結構漢方薬の効果が早く現れたケースです。しかし、このような症例は決して稀ではない感じです。 1 ヶ月単位の処方ではもっと時間がかかったものと想像されます。村田さんがご指摘のように 2 週間程度のペースで投薬の効果を評価するのが妥当と感じています。
それにしても、こちらとしては花粉を治療するつもりは全くありませんでしたが、患者さんから「花粉もぜんぜんいいです。先生!」と言ってもらえるというのは漢方内科をやっている医師冥利に尽きるという感じで感謝ですね。
やはり、漢方おそるべし、です。
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お返事メール:
素晴らしい症例報告、いつもながら、ありがとうございます。
かなりデリケートな疾患でもある潰瘍性大腸炎に対して、綿密な方剤の運用には驚かされます。
お見事としか言いようがありません!
同じ病名でも、適応する漢方薬は体質と病状によって様々に異なるところを、的確に証候を把握され、状況によってなされる微調整の見事さ。
いつの間にか、神業の域に達してしまわれたご様子。
先生のようなレベルの医師の人達が増えれば増えるほど、日本全国の漢方薬局の必要性が少なくなって行くはずなのですが、まだまだ、それほど増えているようには思えません。
現実には、相当に有名な医療機関でも、どうしようもない乱暴な漢方投与が行われている現実には、目に余るものがあります。
だから、いつまでたっても、こちらは引退できないのですが・・・(苦笑。
また、この度もブログへのご協力、ありがとうございました。
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ラベル:潰瘍性大腸炎