2010年12月28日の茶トラのボクちん(6歳) posted by (C)ヒゲジジイ
華奢で痩身で少食の70代の女性。
激しい便秘と腹満と腹痛を繰り返すので、ご家族が病院に行くことを奨めても、絶対にイヤだという。
もしも大腸癌だったとしても構わない。病院だけは絶対に御免蒙るから、自己責任で、漢方薬でなんとかして欲しいというたっての依頼。
病院で診断を一度も受けてない人は絶対にお断りであるが、常連さんのご家族だから例外的に、病院検査を何度も奨めながら、止むを得ず漢方薬を飲んでもらうことになった。
しばらくは柴胡疏肝湯、大柴胡湯・茵蔯蒿湯・桃核承気湯の4種類で一定の効果が出ていたが、もう一つ、服満と疼痛が完全には取れ切れないものの、かなり改善した状態が一年も続いた。
もう一歩がどうしても改善できないので、さらに通導散を加えると、しばらくは排便が多過ぎると苦情を漏らしていたが、他の漢方薬も含めて、服用回数の調整によって、しだいに良好なペースを掴んで、いつの間にか、あらゆる症状が改善して既に数ヶ月以上が経過する。
結局、一度も病院で受診しないままで、以前よりも食事量も増えて、元気で家業に専念されている。
日本漢方特有の体力の有無で適応方剤を振り分ける虚実論、虚証や実証あるいは虚実中間証など、実にあやふやな定義を当てにしていたら、上記のような配合は絶対にあり得ない。
虚証の女性だからということで、せいぜい麻子仁丸に六君子湯の併用くらいが関の山だろう。
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ラベル:通導散