2015年11月06日

わざわざ遠路はるばる、こちらに来られなくとも・・・

2008年11月06日の茶トラのボクちん(4歳)
2008年11月06日の茶トラのボクちん(4歳) posted by (C)ヒゲジジイ

 昨日の続き

折り返し頂いたメール:
 早速のご返信ありがとうございます。

 やっぱり‥という感じです。
 漢方薬治療に対する考え方にもいろいろあるのですね。

 先生には辛抱が足りないと叱られそうな話ですが、数年微調整を繰り返す薬局に通っていましたが、なかなか改善がみられず、つい薬局を自律神経失調症を専門にしている薬局に変更してしまいました。

 そこでは微調整のお願いもしましたがそれは「数打ちゃあたる」理論とのことで無理でした。

 治療難民になっている自分をなさけなく感じます。もう一度よく考えてみます。

 でも今の薬局に対してもやもやした思いがありましたが、気持ちがすっきりしました。ありがとうございました。

 ところで体質によって杞菊地黄丸以外にも白内障に効く漢方薬はあるのでしょうか?

 また村田薬局にはみなさん最初は何泊くらいの予定で行かれるのでしょうか?
 重ね重ねお疲れのところすみません。

2009年11月06日の茶トラのボクちん(5歳)
2009年11月06日の茶トラのボクちん(5歳) posted by (C)ヒゲジジイ

お返事メール:

 杞菊地黄丸だけでも各社によって製法や濃度、品質など大きく異なる場合があるので、杞菊地黄丸がフィットする人でも、どの製品を使うかによって効果はことなります。

 また、以前のように手術が簡単ではなかった時代には、杞菊地黄丸が適応する人でも、かならず他方剤やイオン化カルシウムを併用するなどの工夫があったからこそ、一人の例外を除いて、全員根治しています。

 但し、昨今は手術が容易になったので、白内障治療に漢方薬を利用される人は激減しています。

 また、もちろん杞菊地黄丸が不適な人でも、弁証論治を正確に行えば、必ずフィットする方剤があるものですが、手術と異なって、相当長期間の連用が必要となります。

 本当に白内障に困ったら、昨今は手術が手っ取り早い方法です。

 ですから、白内障だけのために、当方に通うのは勿体無い話ですので、お近くでよいところを探すか、以前行かれていた微調整を繰り返されてい漢方薬局に戻られるのがよいと思います。

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2009年11月06日の茶トラのボクちん(5歳)
2009年11月06日の茶トラのボクちん(5歳) posted by (C)ヒゲジジイ

2011年11月06日の茶トラのボクちん(7歳)
2011年11月06日の茶トラのボクちん(7歳) posted by (C)ヒゲジジイ

2012年11月06日の茶トラのボクちん(8歳)
2012年11月06日の茶トラのボクちん(8歳) posted by (C)ヒゲジジイ


2015年11月05日

初期の白内障のご相談とはいえ・・・

2009年11月05日の茶トラのボクちん(5歳)
2009年11月05日の茶トラのボクちん(5歳) posted by (C)ボクチンの母

【 ブログへ掲載の可否 】:転載応諾(ブログへ転載させて頂く場合があります。)
【 年 代 】:50〜59歳の女性
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 いつもブログ拝見させていただいています。

 早速ですが、1年前より極初期の白内障との診断を受け、点眼薬もなく経過観察していましたが、先月1年後の診察でやはり右目だけ初期の後嚢下白内障とのことでした。

 右目の違和感は数年前よりあり、コンタクトレンズで矯正しても違和感があります。医師からは場所的に初期でも症状が出るのかもと言われました。ただ点眼薬はでませんでした。

 ずっとストレートネックや頚椎症でひどい肩、首こりがあり、浮遊性めまいや胃の不調もあるのでそのせいかと思っていました。

 上記の症状が10年くらい続いているため自律神経の乱れや更年期の症状もあり不定愁訴満載です。
 肩や首のこりはブロック注射も効果なしでした。

 現在は黄連解毒湯と平胃散を服薬していますが、白内障の症状の改善のために杞菊地黄丸はどうかと考えています。

 漢方薬局では白内障も老化なので今の処方で様子をみてくださいと言われました。

 薬剤師の方は、証は変わらないので最初の見立てを信じて継続して体質改善をすると言われていますので、不調を伝えても処方は変わりません。

 ひとつずつでも体調を改善したいのですが、漢方薬を追加して白内障の改善は望めますでしょうか?よろしくお願いします。

2009年11月05日の茶トラのボクちん(5歳)
2009年11月05日の茶トラのボクちん(5歳) posted by (C)ボクチンの母

お返事メール:

 杞菊地黄丸は、肝腎陰虚の証候が備わってなければ、効果はありません。
 専門家が舌を観察すれば、適不適を判断できます。

 但し、杞菊地黄丸は胃症状がある場合は、却って胃の不調が出る場合もありますが、適切な方剤を併用すれば防げます。
 いずれにせよ、胃の不調があるようですので、必ず肝腎陰虚の兆候があるかどうかを確かめないと、安易に使用すべきではありません。

 ともあれ、

>ずっとストレートネックや頚椎症でひどい肩、首こりがあり、浮遊性めまいや胃の不調もあるのでそのせいかと思っていました。上記の症状が10年くらい続いているため自律神経の乱れや更年期の症状もあり不定愁訴満載です。

 こういう症状がある人に、黄連解毒湯と平胃散の配合だけで押し通そうとされる薬剤師を信じろといっても、私なら絶対に信じません!

 もっとマシな漢方薬局に変わるべきです。

 といっても、それだけの症状があれば、定期的に漢方薬の微調整を繰り返しながら、様々な配合の工夫が必要だろうと思われます。

 上記のようなややピンと外れの配合を墨守することなく、臨機応変の配合変化を行ってもらえる融通の利きそうな薬局を見つけて、数年は通うつもりで頑張れば、ほとんどの症状を治すことが可能になると思います。

 すくなくとも上記のような漢方薬だけを、いつまで続けるのは大いに疑問ですので、まずは他の漢方薬局に変わるべきだと思います。

 取り急ぎ、お返事まで。

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2009年11月05日の茶トラのボクちん(5歳)
2009年11月05日の茶トラのボクちん(5歳) posted by (C)ボクチンの母

2011年11月05日の茶トラのボクちん(7歳)
2011年11月05日の茶トラのボクちん(7歳) posted by (C)ボクチンの母

2012年11月05日の茶トラのボクちん(8歳)
2012年11月05日の茶トラのボクちん(8歳) posted by (C)ボクチンの母


2015年11月03日

鼻息が荒かった27年前、某大学医学部の教授(東大医学部卒)に対する反論文の反響の思い出

2008年11月03日の茶トラのボクちん(4歳)
2008年11月03日の茶トラのボクちん(4歳) posted by (C)ボクチンの母

 すでに故人となられた某大学医学部の教授(東大医学部の御出身)が、当時、東洞直系の思想を受け継ぐと考えられる氏は徹底した実証主義の立場から「漢方近代化の試み」の一環として、『康治本傷寒論』を原始『傷寒論』として独自の研究を数々展開発表され、「固体病理学」を提唱されておられた。

 漢方薬の作用を現代医学的に理解するうえで大変興味深い部分があったものの、中医学思想や言語に対する非難と排斥文まで専門の月刊誌に発表されるに至って、とうとう若かりし頃のヒゲジジイが大反論を企てた。

 陰陽五行学説を荒唐無稽呼ばわりされ、挙句は中医学そのものを否定される勢いに、氏の権威に気おされて、日本国中の医師や薬剤師が洗脳されては適わないという思いから、大反論文をその専門の月刊誌に発表させてもらった。

 案の定、ヒゲジジイの反論文に対する反論はなしのつぶて。

 ところが、思いがけず、他大学医学部の某教授(同じ東大医学部の御出身)から、ファンレターが送られて来たものだった。
 
 よくぞ書いてくれた、自身も反論文を書こうとしていたが、書きあぐねているところへ、ヒゲジジイの反論文が掲載されて、思わず快哉を叫んだほどであると、諸手を挙げて万歳して下さるが如き、嬉しいお手紙だった。

 同じ東大医学部出身でも、片や陰陽五行学説を荒唐無稽と断じられる東洞流の「観念的実証主義」の先生と、片や陰陽五行学説にもとづく中医学理論こそ必須であると認められる先生と、世の中は同じ学歴でも、こうも違うものかと、感心するやら、呆れるやら。

 それもこれも、今となっては懐かしい27年前の鼻息が荒かった頃の思い出に過ぎない。

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2010年11月03日の茶トラのボクちん(6歳)
2010年11月03日の茶トラのボクちん(6歳) posted by (C)ボクチンの母

2011年11月03日の茶トラのボクちん(7歳)
2011年11月03日の茶トラのボクちん(7歳) posted by (C)ボクチンの母

2011年11月03日の茶トラのボクちん(7歳)
2011年11月03日の茶トラのボクちん(7歳) posted by (C)ボクチンの母

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2015年11月02日

炙甘草湯は即効ばかりとは限らない

2010年10月02日の茶トラのボクちん(6歳)
2010年10月02日の茶トラのボクちん(6歳) posted by (C)ヒゲジジイ

 中医学的には、炙甘草湯はしばしば不整脈治療に使用されるのは常識だが、なかでも各種原因による(原因不明の場合も多いらしいが)⇒心房細動に対しては、ほとんど基本方剤といっても過言ではないように、張瓏英先生が強調されておられた。

 経験的には、炙甘草湯が効く場合は、かなり即効が出るように思っていた。

 ところが、初期にあまり効果がない人でも、病院治療でも思わしくないので、効果が弱くとも、漢方薬なら安心とて、数年以上の長期間続けている人達が何名かおられる。
 そこで、最近その後の調子を訊ねてみたら、1年近くも続けていると、かなり軽減して、数年経つうちには、ほとんど忘れるようになったという人もおられた。

 中には明らかな効果が得られないので一年くらい続けたところで中止していた人も、数年後、やっぱり飲んでいたときの方が、明らかに減っていたようだと再開された人もおられる。

 いずれの人達も、疲労回復作用という嬉しい附録があるので、不整脈に即効が得られなくとも、そのお陰で長期間続けられる部分もあったようである。

 たしかに、張瓏英先生の諸著作には、炙甘草湯で直ぐに効果が出なくとも、適切な他方剤とともに長期間続けるべきだと書かれていた。
 
 併用方剤としては、諸条件によって五苓散や柴胡剤、生薬製剤二号方や冠元顆粒、あるいは牛黄配合製剤など多岐に亘るが、人によっては単独で即効が得られる場合もある。

 即効がなくとも、各種不整脈で、病院治療でも思わしくない場合には、中医学的に弁証論治すれば、多くは炙甘草湯が適応することが多いので、張瓏英先生のアドバイス通りに、長期的に続ける必要があるよう思われる。

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1989年にウチダ和漢薬同好会で張瓏英先生に別室でお会いした時の記念写真
1989年にウチダ和漢薬同好会で張瓏英先生に別室でお会いした時の記念写真 posted by (C)ヒゲジジイ

2011年10月02日の茶トラのボクちん(7歳)
2011年10月02日の茶トラのボクちん(7歳) posted by (C)ヒゲジジイ

ラベル:心房細動 不整脈

2015年11月01日

現代社会における漢方薬局の存在意義

2009年11月01日の茶トラのボクちん(5歳)
2009年11月01日の茶トラのボクちん(5歳) posted by (C)ボクチンの母

 人間がいかに信用ならないかは、昨今のフォルクスワーゲンや、国内の建築業界の杭打ち偽装の問題ばかりでなはない。

 国内外の情勢を眺めていると、人間社会の救いようの無い巨悪やペテン、二枚舌外交や三枚舌外交、あるいは強大な武力を背景にした強引な領土拡張主義など、これらがやけに目についてうんざりしていると、ブログを更新することさえ、うんざりする。

 ジャーナリスト上がりの歴史家、イギリスのポール・ジョンソン氏は『キリスト教の2000年(下巻)』のエピローグで「人間には残酷で無慈悲な本性が」あると書かれているが、確かに人類の歴史を見れば指摘される通りで、ヒゲジジイに言わせれば人間は、猫よりも劣る動物であるとしか思えない。

 だから、同類にはなりたくないという思いから、ときどき人間であることがイヤになる(苦笑。

 最初から脱線し過ぎたが、ここからがようやく本題である。

 村田漢方堂薬局の漢方相談では、西洋医学畑の医療関係者やそのご家族の漢方相談が比較的多いことは、常々書いている通り。

 ということは、西洋医学だけでは解決不可能な疾患がまだまだ五万と存在する証拠と言っても過言ではないだろう。

 西洋医学関連の医療関係者であっても、西洋医学治療では治らなかったり、不十分な効果であるために、漢方薬に期待を込めて漢方薬局を訪れるという訳である。

 だから、現代社会において、まだまだ漢方薬局の存在意義がありますネ、という結論(苦笑。

 いずれにせよ、地球のような3次元世界でウロウロしている人間様は、お互い、まだまだ修業が足りないという証拠でしょう。

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2008年11月01日の茶トラのボクちん(4歳)
2008年11月01日の茶トラのボクちん(4歳) posted by (C)ボクチンの母

2008年11月01日の茶トラのボクちん(4歳)
2008年11月01日の茶トラのボクちん(4歳) posted by (C)ボクチンの母

2008年11月01日の茶トラのボクちん(4歳)
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