2015年08月01日

超末期がんの場合は漢方相談は不可能なケースが多いのだが

2010年7月31日の茶トラのボクチン(6歳)
2010年7月31日の茶トラのボクチン(6歳) posted by (C)ボクチンの母

 超末期がんでは、当方の出る幕ではないはずなのだが、諸条件によってはお断りしきれない場合がある。
 
 若い頃には、亡くなられた後に、突然ご家族が訪れて、残った薬草を店に入るなり、喚きながら投げつけられたショックによるトラウマは、いまだに消えない。

だから当然、どんなに依頼されてもお断りしたい病状のレベルというものがあり、保身の上からも逃げるに限るのだが、どうしても人情にほだされてお断りしきれないことが稀にある。

 昨年は膵臓がん末期で腹水ひどく、少しでも楽にしてもらえないかと御家族に依頼されて、お断りしきれずに補気建中湯に牛黄製剤などで、苦痛を軽減できて、なくなられた後に、とても感謝されて胸を撫で下ろした。

 今年は、地元で見捨てられたという北陸地方の同年代の御夫婦が、九州で抗癌剤注入治療を繰り返され、その都度腹水が生じて、いつもは自然に消失していたのが、抗癌剤の効果が弱まるにつれ、相対的に腹水が引きにくくなり、ネットで腹水治療の宣伝を打っている薬局で漢方薬を求めても効果がないというので、例によって、補気建中湯+分消湯に牛黄製剤や中草薬の併用によって1日で腹水が一気に軽減された。

 お二人の不安は、亡くなられるときの苦痛の持続の問題だといわれ、腹水が軽減したことで、最後の賭けとばかりに、よせばよいのに再度抗癌剤注入を依頼したところ、再度激しい腹水が生じて、今度ばかりはなかなか漢方薬の効果が十分に発揮できない。

 その後は自宅療養しつつ、病院で対症療法を行ってもらっていたが、突然、肝不全および腎不全を生じてお亡くなりになった。
 もともと食欲があまり衰える人ではなかったが、お亡くなりになる2日前までは食事を摂れていたので、突然のことで、とても不安に思われていた亡くなる前の苦痛もなく、ほっとされたとの御家族からのご報告があった。

 少なくとも過去の記憶では、漢方薬を続けられた人で、苦しんで亡くなったといわれたことはないので、こんなところにも漢方薬類の有用性はあるのかもしれないが、超末期癌の漢方相談は、本心から言えば、こちらの胃が縮む思いが長期間継続することにもなるので、できることなら御遠慮申し上げたいところである。

 いずれの人達にも、たとえばジョージ・W. ミーク著の『死後の世界と魂の成長―死んだらどうなるか』を噛み砕いてお話しているので、今頃は皆さん天界で笑っておられることだろう。

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2010年7月31日の茶トラのボクチン(6歳)
2010年7月31日の茶トラのボクチン(6歳) posted by (C)ボクチンの母

posted by ヒゲジジイ at 08:13| 山口 ☁| 悪性腫瘍・癌・ステージ4の進行癌や転移癌 | 更新情報をチェックする