2015年07月10日
漢方薬の服用を食前や食間に限定するのは、まったくのナンセンス
2010年7月10日の茶トラのボクチン(6歳) posted by (C)ボクチンの母
漢方薬は使用する方剤の性質や、あるいは服用する人の体質と病状によって、食後がよかったり食間がよかったりするが、食前がよいというケースは特殊なケースだけであろう。
食欲不振や逆流性食堂炎の場合に限り、食前の方が効果的だったということもあるが、それ以外の多くは食後で十分に効果が出るし、飲み忘れもしにくい。
せっかく美味しい食事の後に、漢方薬の不味い味で興醒めしたくないという人は、食後1時間以上経って服用してもよいし、その人の好みに応じて服用時間帯を試して、自分に向いた時間に決めても問題はない。
但し、1日3回服用するときの、それぞれの服用時間が接近し過ぎないようにする注意は必要である。
他所の漢方薬は、食前に飲まされていたので、せっかくの食欲が台無しになってばかりいたという話をシバシバ聞くが、食前の服用にこだわること自体がまったくのナンセンス。
何の科学的根拠もないのに、漢方薬は食前というのは、日本漢方における迷信に過ぎない。
あえて科学的に言うなら、漢方薬は食後の服用が最も吸収率がよかったという女医さんによる研究データもあるくらいである。
いずれにせよ、食前や食間、あるいは食後にしても、いずれもこだわる必要はまったくない。自分の好みに応じて決めても構わないが、食後に決めた方が、飲み忘れがすくないので無難だろう。
なお、ここで言う食後というのは食後30分以内の服用を言うのであり、食直後も含まれている。
蛇足ながら、薬学部在学中に、某教授が口を酸っぱくして繰り返し講義していた問題で、「食直後」というのは「食後30分」に含まれており、「食後30分」という意味は、食後30分以内に早く飲んでしまいなさいという意味だから、食直後も含まれている。
多くは合成医薬品が胃障害を生じる危険性を少しでも回避しようという服用指示なのだから、「食直後服用」と「食後30分服用」というのは同義であるから、二つに分ける表示はナンセンスであると吼えまくられていた。
合成医薬品の服用方法においては、実に説得力のある講義だったと思う。
ともあれ、漢方相談43年に近い仕事で、上記のことを皆に実行してもらっていることも、漢方薬の有効性を高めているものと自負している。
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2010年7月10日の茶トラのボクチン(6歳) posted by (C)ボクチンの母
2010年7月10日の茶トラのボクチン(6歳) posted by (C)ボクチンの母
posted by ヒゲジジイ at 20:34| 山口 ☁| 間違いや問題の多い日本の漢方と漢方薬
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