2015年07月11日
玉屏風散エキス製剤(衛益顆粒)の両面性
2009年7月11日の茶トラのボクチン(5歳) posted by (C)ボクチンの母
もともとアトピー性皮膚炎が補中丸・清心蓮子飲・茵蔯蒿湯・葛根黄連黄芩湯・莪朮製剤・当帰四逆加呉茱萸生姜湯などを必要とするものの、ここ1年以上はしっかり安定していたのに、春頃から肌が乾燥し、やや熱感を感じて、見かけ上は他人からは分かりにくいものの、本人は異変を感じていた。
久しぶりの異変に、六味丸や地竜も一時的に即効を感じても、次第に効果が落ちてくる。
そこで、思案の結果、補中丸が必須の体質であることから、皮膚表面のバリアー不足を配慮して、黄蓍が大量に含まれた玉屏風散エキス製剤(衛益顆粒)を追加してみたところ、即効を得て、肌は潤い、六味丸はそのまま必要としても、地竜はまったく不要になったという。
黄蓍は滲出液を調節するだけでなく、状況によっては熱感を伴う皮膚の乾燥にも効果が得られるのだが、熱感も取れたことから考えると、甘温除熱の作用を発揮したものと思われるが、上記の配合を見ての通り、実熱と虚熱が入り混じった虚実挟雑は当然としても、さらに寒熱錯雑しており、この人こそ、五臓六腑それぞれの寒熱虚実がバラバラで統一性に欠け、とんでもなく複雑化した体質であったことを伺わせる。
もともと高名な中医学の名医(日本の医師)の2名に、それぞれ比較的長期間、中医学治療を受けても治らなかったアトピー性皮膚炎の患者さんだっただけに、結果としてこのような複雑な配合とならざるを得なかったのかもしれない。
それゆえ、見かけ上はしっかり治っているように見えても、今後も漢方薬による長期間の体質改善を必要とすることだろう。
このようにアトピー性皮膚炎は、一筋縄ではゆかない場合も多いので、よっぽど気合の入った根性のある人でなければ、相談を受け付けないようにしている所以である。
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2010年7月11日の茶トラのボクチン(6歳) posted by (C)ボクチンの母
2012年7月11日の茶トラのボクチン(8歳) posted by (C)ボクチンの母
posted by ヒゲジジイ at 18:02| 山口 ☁| アトピー性皮膚炎や慢性湿疹など痒みを伴う皮膚病
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2015年07月10日
漢方薬の服用を食前や食間に限定するのは、まったくのナンセンス
2010年7月10日の茶トラのボクチン(6歳) posted by (C)ボクチンの母
漢方薬は使用する方剤の性質や、あるいは服用する人の体質と病状によって、食後がよかったり食間がよかったりするが、食前がよいというケースは特殊なケースだけであろう。
食欲不振や逆流性食堂炎の場合に限り、食前の方が効果的だったということもあるが、それ以外の多くは食後で十分に効果が出るし、飲み忘れもしにくい。
せっかく美味しい食事の後に、漢方薬の不味い味で興醒めしたくないという人は、食後1時間以上経って服用してもよいし、その人の好みに応じて服用時間帯を試して、自分に向いた時間に決めても問題はない。
但し、1日3回服用するときの、それぞれの服用時間が接近し過ぎないようにする注意は必要である。
他所の漢方薬は、食前に飲まされていたので、せっかくの食欲が台無しになってばかりいたという話をシバシバ聞くが、食前の服用にこだわること自体がまったくのナンセンス。
何の科学的根拠もないのに、漢方薬は食前というのは、日本漢方における迷信に過ぎない。
あえて科学的に言うなら、漢方薬は食後の服用が最も吸収率がよかったという女医さんによる研究データもあるくらいである。
いずれにせよ、食前や食間、あるいは食後にしても、いずれもこだわる必要はまったくない。自分の好みに応じて決めても構わないが、食後に決めた方が、飲み忘れがすくないので無難だろう。
なお、ここで言う食後というのは食後30分以内の服用を言うのであり、食直後も含まれている。
蛇足ながら、薬学部在学中に、某教授が口を酸っぱくして繰り返し講義していた問題で、「食直後」というのは「食後30分」に含まれており、「食後30分」という意味は、食後30分以内に早く飲んでしまいなさいという意味だから、食直後も含まれている。
多くは合成医薬品が胃障害を生じる危険性を少しでも回避しようという服用指示なのだから、「食直後服用」と「食後30分服用」というのは同義であるから、二つに分ける表示はナンセンスであると吼えまくられていた。
合成医薬品の服用方法においては、実に説得力のある講義だったと思う。
ともあれ、漢方相談43年に近い仕事で、上記のことを皆に実行してもらっていることも、漢方薬の有効性を高めているものと自負している。
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2010年7月10日の茶トラのボクチン(6歳) posted by (C)ボクチンの母
2010年7月10日の茶トラのボクチン(6歳) posted by (C)ボクチンの母
posted by ヒゲジジイ at 20:34| 山口 ☁| 間違いや問題の多い日本の漢方と漢方薬
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2015年07月09日
クーラー病による下腹部不快感と腰痛および両下肢痛に漢方薬の即効
2009年7月7日の茶トラのボクチン(5歳) posted by (C)ボクチンの母
もともと閉経後の子宮筋腫の治療で大黄牡丹皮湯がよくフィットして常用されている常連さんが、車の助手席で移動することが頻繁で、クーラーで冷やされることが続いていた。
とうとう下腹部の不快感と腰痛に下肢痛が耐えられないほどに合併して相談に来られた。
そこで藿香正気散・猪苓湯・疎経活血湯に常用されている大黄牡丹皮湯もそのまま併用してもらったところ、わずか3回の服用で、そのほとんどが雲散霧消する即効を得た。
この常連さんこそ、以前、ブログで取り上げた、親類の女性が膀胱炎治療後の下腹部不快感に、病院から八味丸や大建中湯を誤投与されたのを見つけて、猪苓湯を送ってあげて即治させた、お手柄の女性である。
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2012年7月7日の茶トラのボクチン(8歳) posted by (C)ボクチンの母
posted by ヒゲジジイ at 18:33| 山口 ☁| 熱中症や冷房病
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2015年07月08日
最近の即効例、藿香正気散、芍薬甘草湯、防已黄耆湯、延年半夏湯、茵蔯蒿湯など
2009年7月7日の茶トラのボクチン(5歳) posted by (C)ボクチンの母
藿香正気散の即効例は枚挙に暇がないが、クーラー病には必須の漢方薬。
車で運転中にクーラーで冷やされ過ぎて、身体が冷え切って頭痛がする時など、必須の漢方薬で、頓服1回でほとんど治ることが多い。
ところで、芍薬甘草湯は、巷では甘草が多量に含まれた製剤を乱用気味の昨今で、浮腫や血圧上昇の弊害を避けるには、品質優良で、甘草の使用量が少ない製剤を選択すれば、即効が出るだけでなく、常用することも可能となる。
たとえば、最近、介護職の七十代の男性(体重100Kg近い)が、歳のせいか、起床時に足腰が攣って難儀し、歩行時にも突然足腰が痛くなるというので、甘草が2gしか含有しない芍薬甘草湯エキス製剤10日の服用で即効が出たので、しばらく常用することとなったが、品質が優秀であれば、甘草が低濃度でも十分に効果が出て、副作用の心配がほとんどない。
足腰の疼痛および足の浮腫と滲出液が流出して難儀されている常連さんの父上に、牛車腎気丸から附子を去った特殊な製剤に、活楽宝とともに、防已黄耆湯を加えたところ、一週間も経たない間に浮腫が軽減して滲出液も激減。
胃の調子が悪く、左肩凝りが慢性化して、あらゆる治療に抵抗して治らないという薬剤師(調剤薬局勤務)に、延年半夏湯エキス製剤の10日分で即効あり。徹底的に体質を改善すべく、しばらく常用することとなった。
左肩凝りだけでなく、右肩凝りも消えたということだった。
ストレス性の蕁麻疹とて、病院治療では治らない人に、茵蔯蒿湯のみで一定の効果があるが、人間関係でイライラすると出没するものの、これを服用することで断然改善傾向にある。
ストレス性であっても、肝胆系に湿熱が巣食ている茵蔯蒿湯証を呈しておれば、茵蔯蒿湯のみでも十分に根治は可能である。
同様なケースは42年間に何例も経験しているが、これほど安上がりな治療方法はないだろう。さらにイオン化カルシウムでも追加すれば、なおさら治るスピードが高まることだろう。
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2009年7月7日の茶トラのボクチン(5歳) posted by (C)ボクチンの母
2012年7月7日の茶トラのボクチン(8歳) posted by (C)ボクチンの母
posted by ヒゲジジイ at 19:14| 山口 ☁| 漢方薬および生薬・中草薬・漢方の即効例
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2015年07月07日
腸管免疫が人間の免疫の8割を占める、と言われるだけに暑いときこそ、必要に応じて胃腸を温める藿香正気散
2009年7月7日の茶トラのボクチン(5歳) posted by (C)ボクチンの母
暑いからといって、冷たいものばかりを摂り過ぎていたら、胃腸が冷えて気分が悪くなる人が増加する季節。
そんなとき、日本漢方では一般的に人参湯が使われるようだが、甘草や朝鮮人参が多量に含まれるだけに、高血圧傾向のある人や、浮腫が生じやすい体質の人には不適である。
無難なところでは藿香正気散や胃苓湯である。
但し、藿香正気散を不必要に乱用すると、身体が温まり過ぎたり、粘膜の乾燥症状が出て来る場合もあるが、多くは即効が得られるので、それほど連用する必要はないだろう。
やや温まり過ぎたり、少し乾燥を感じるかな〜と思った時点で中断すればよい。
昨今も、ヒゲジジイはみずから犠牲的精神を発揮して、折々に冷たい氷菓子やアイスクリーム、冷えた果物を過食しては体調を崩しても、頓服で藿香正気散を使うと、即効が得られることを再確認している。
問題はこれからである。
折々に藿香正気散や胃苓湯などを必要とするような食生活習慣こそ、不健康で各種の病気を誘発する原因となり、極端な場合は短命の原因となる。
腸管免疫こそ、人間の免疫の8割を占めると言われるだけに、冷飲や冷食こそ免疫系を狂わす元凶となるので、健康で長生きしたければ、冷飲や冷食の摂り過ぎは絶対に慎むべきである。
ところで、日頃から免疫系統を正常に保つ漢方としては、安上がりなもので莪朮(ガジュツ)やクマザサを原料とする製剤などがよいかもしれないし、やや高価なものでは●●●●や◎◎など。
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2009年7月7日の茶トラのボクチン(5歳) posted by (C)ボクチンの母
2009年7月7日の茶トラのボクチン(5歳) posted by (C)ボクチンの母
2009年7月7日の茶トラのボクチン(5歳) posted by (C)ボクチンの母
posted by ヒゲジジイ at 22:23| 山口 ☔| 時代的な傾向や使用頻度が増加中の漢方薬方剤
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2015年07月06日
朝のことは忘れる
2015年07月04日のシロちゃん(2歳) posted by (C)ボクチンの母
落胆ばかりしてはおれない。
悪いことがあれば、必ず次には良いこともある。
それが人生というもので、禁門の変で長州は絶体絶命に陥っても、高杉晋作などの活躍により、七転び八起き。
明治以後の日本は長州人が中心に創ったといっても過言ではないだろう。
ただ、昨今の政治家たちは、世界情勢を正確に把握できない近視眼的な野郎ばかりが目に付いて、行く末が思いやられる。
やっぱり長州人でなければ、この国はまともな進路に進めないのではないか?
ところで、このブログをアップしようとした前後に、最近相談に乗っている関東の男性から電話相談があたので、相談が終わったとき、挨拶代わりに朝の出来事を話してもピンとこない模様。
というより、なでしこジャパンの朝の闘いそのものを、仕事をしていてぜんぜん知らないといわれ、それ以前に根本的にまったく無関心な様子。
試合の内容以上に、このことのほうがショックが大きかったかも(苦笑。
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2010年7月6日の茶トラのボクチン(6歳) posted by (C)ボクチンの母
posted by ヒゲジジイ at 12:16| 山口 ☁| 近況報告
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2015年07月04日
6日(月曜日)は、朝10時までサッカー観戦のため、ヒゲジジイの職場への出勤は10時になります
2015年07月04日のシロちゃん(2歳) posted by (C)ボクチンの母
6日(月曜日)は、なでしこジャパンの試合観戦のため、女性薬剤師は平常通り9時出勤し開店しますが、ヒゲジジイは朝10時出勤となります。
月曜日と土曜日は、新規相談は御遠慮願っているものの、一週間の中ではもっとも忙しくなりやすい曜日でもあるので、あらかじめ御了解願います。
10時以降は、通常通り、老体を鞭打って頑張ります!
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2009年7月4日の茶トラのボクチン(5歳) posted by (C)ボクチンの母
posted by ヒゲジジイ at 18:15| 山口 ☔| 近況報告
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2015年07月03日
高濃度の独活葛根湯の楽しみ
2012年7月3日の体調を崩した茶トラのボクチン(8歳) posted by (C)ボクチンの母
前期高齢者の仲間入りしたとはいえ、昨今、五十肩になったらしく、右腕が上がりにくい。
こんな調子では得意の右ストレートや右フックの威力が激減する(笑。
過去にはなかったことながら、首の真裏を揉むと右腕まで感覚が放散して伝わる。しかも温めると気持ちがよい。
明らかに独活葛根湯証である。
またまた面倒臭がって1日1回しか服用しないから、服用後は症状をわすれているが、就寝時の寝返り時に相変わらず不快な違和感を感じる。
そういえば、コタローさんから高濃度の独活葛根湯エキス製剤が新発売になる。従来の他社製品と比較してみるのも面白いので、今から楽しみだ。
五十肩といっても、仕事上では七十代の男性もおられるが、五十肩といわれるだけに、その男性も、お年の割には見かけ上はとても若い(笑。
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2012年7月3日の体調を崩した茶トラのボクチン(8歳) posted by (C)ボクチンの母
posted by ヒゲジジイ at 13:12| 山口 ☁| 三叉神経痛・上腕神経痛・五十肩や肩凝りなどの疼痛、鈍痛、疝痛・シビレなど
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2015年07月02日
生きている限りはこんなに悲しいことが必ず起こるのだから
2009年7月3日の茶トラのボクチン(5歳) posted by (C)ボクチンの母
今朝のなでしこジャパンの勝利はおめでたいけれど、英国のディフェンスのクリアミスを犯した女性の悲劇の方がショック。
人間、生きている限りは悲しい出来事が必ず起こる。
それも、ちょっとやそっとでは慰めようもない悲しみが。
なでしこジャパンの勝利に嬉しさ半分、英国の彼女のために悲しみはそれに反比例して次第に倍加して来る。
でも、クリアしなかった場合は、きっと大儀見がネットを揺らしていたことだろう。
だから、本来なら川澄の機転をこそ褒めるべきだろう。
だから、どちらにしても、なでしこジャパンが勝っていたのだろうと思って割り切るのが一番だとわかっていても、それでも悲しい。
とはいえ、後半の途中から岩渕を投入した途端に、それまで押される一方だった形勢が一気に逆転。
冷静に見れば、なでしこは勝つべくして勝ったとしか言いようがない。
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2009年7月3日の茶トラのボクチン(5歳) posted by (C)ボクチンの母
2012年7月3日の茶トラのボクチン(8歳) posted by (C)ボクチンの母
posted by ヒゲジジイ at 20:25| 山口 ☁| 日本残酷物語
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2015年07月01日
猪苓湯でとってもスッキリしたとお礼の電話
2009年7月2日の茶トラのボクチン(5歳) posted by (C)ボクチンの母
2015年7月1日のシロちゃん(2歳) posted by (C)ヒゲジジイ
2015年06月24日 膀胱炎に病院で投与されたツムラの八味丸による誤治は、猪苓湯1回の服用でほとんど解消!の後日談。
昨日、当のご本人からお礼の電話がかかった。
いえいえ、貴女の親戚の女性(当方の常連さん)の機転のお陰ですよ、とおこたえするも、病院で投与される薬の恐ろしさを述懐される。
そこで、
すべてではありませんよ。病院で投与される西洋医学の薬は一定の信頼度はあって当然ですが、あくまで問題は、漢方薬にまるでシロウトの先生が、安易に保険漢方を投与されることが問題なだけです。
としっかり説明して差し上げた。
ともあれ、常連さんが送付された猪苓湯+板藍茶で久しぶりに、下腹部がスッキリして身体も軽くなり、健康感を味わっているということだった。
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2009年7月2日の茶トラのボクチン(5歳) posted by (C)ボクチンの母
2015年7月1日のシロちゃん(2歳) posted by (C)ヒゲジジイ
2015年7月1日のシロちゃん(2歳) posted by (C)ヒゲジジイ
posted by ヒゲジジイ at 20:19| 山口 ☁| 間違いや問題の多い日本の漢方と漢方薬
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