2011年02月06日の茶トラのボクチン(6歳) posted by (C)ヒゲジジイ
嫌いだ、キライだ、という割にはしばしば使用してもらうことの多い消風散。
この方剤でなければ治らないアトピー性皮膚炎や尋常性乾癬、一般の湿疹類があるのだから、止むを得ない。
のみならず、あらゆる方剤で無効な浮腫に、即効を得たりする不思議な方剤でもある。
配合内容が、あらゆるタイプの皮膚病に応じようとしたかのような、たとえて言えば、卑怯な配合と言ってしまいたくなるような内容である。
古方の方剤のような「いさぎよさ」がない。しかしながら、消風散でなければ治らない皮膚疾患も多々あるのだから、場違いな言葉ながら、実に歯がゆい。
但し、一歩間違えると、逆効果になる方剤でもあるので、もしも逆効果の兆しがあれば、直ぐに中止してもらうように強調している。
好転反応なんて、そうそう滅多にあるものではないので、消風散を飲んでもらうときには、細心の注意が必要である。
ところが、消風散がフィットすると、多くの場合、数日以内で効果が判明する。
先日も、皮膚科のあらゆる治療で効果が無く、次第に拡がって行く湿疹で、漢方治療を求めてやって来られた人の状況が、どう見ても「教科書的な消風散証」を呈していた。
だからといって、実際に使ってみないことには、その良し悪しの判断が出来ないのが、消風散のイヤらしいところである。
そこで、まずは単方で飲んでもらったところ、数日の服用で明らかな効果があったとの連絡があった。
消風散には、皮膚病に対する効果とは別に、特定の体質の人に対して、浮腫を改善する効果が得られる。
浮腫みやすい体質の人が、あらゆる方剤で抵抗を示していたのに、消風散であっさりと浮腫みが改善されることがある。
最近も、一般的な利水剤ではびくとも効果がなかった女性で、消風散による浮腫の軽減効果を発揮したケースに遭遇したが、決して珍しいことではない。
これだから、42年の長きにわたって漢方薬の仕事をしていても、漢方薬の奥深さ、というよりも、やや超常的な不思議さを感じないわけにはいかないのである。
だから、消風散は逆の言い方をすればヒゲジジイレベルでは、究極的な本質を並大抵では理解困難なほどの神業(かみわざ)的な配合方剤なのかもしれない。
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ラベル:消風散