2014年09月20日
四逆散と柴胡疏肝湯
2008年9月20日のボクチン(4歳) posted by (C)ボクチンの母
もともと四逆散の融通無碍の活用は、お手の物であるはずが、昨今、間違いなくフィットしているものの、シャープさに欠け、ちょっと物足りないな〜という人が、立て続けに3名続いた。
そこで、ここ連日その3名の人に、それぞれ四逆散を柴胡疏肝湯に切り替えて、どちらがよりフィットしているか? 比較してもらうケースが続いた。
水曜日・木曜日・昨日の金曜日と連日3名である。
それぞれ病気はまるで異なっても、実に興味深い共時性である。
水曜日は、鬱傾向と慢性疲労に牛黄製剤との併用。
木曜日は、コリン性蕁麻疹と機械性蕁麻疹の合併に、猪苓湯、イオン化カルシウムとの併用。
金曜日は、クローン病に他の数種類のやや特殊な方剤および中草薬類との併用。
そのうち一名は、常々頑固に続いていた手足の冷え症が、四逆散を服用しはじめて間もなく、短期間で即効を得て、むしろ手足がポカポカするくらいに温まっている。
これぞまさしく熱厥に対する四逆散の即効例である。
いずれにせよ、柴胡疏肝湯に切り替えて、効果を比較する必要がある。
ともあれ、華奢で昔から少食、せっかちな割りに体力のない痩身の70代の女性。
常連さんの母親であるが、腹痛・腹満・便秘が苦しく、大腸癌など内臓の悪性腫瘍であっては困るので、病院で検査と治療を受けるように強く奨めても、絶対にイヤだ、たとえ癌であっても知らぬが仏、その時はその時の問題だから、漢方薬でやれるだけやって欲しいというたっての願い。
意志強固な確信犯なので、最悪の時は自己責任。
見事にフィットした配合が、大柴胡湯・茵蔯蒿湯・桃核承気湯・開気丸に、本日のテーマの柴胡疏肝湯。
これら5種類の併用が、的確にフィットして、多くの症状が改善して、無症状とまでは行かないまでも、食欲は回復し、腹痛・便秘も解消。
40Kgも満たない体重ながら、元気で家業に勤しんでいる。
中医学的に弁証論治すれば、このようなケースもあるものだが、もしもこの女性が、日本古方派に相談していたなら、少食で痩身、体力低下の外見と症状から、間違いなく虚証と決め付けて、桂枝加芍薬大黄湯など、やわな漢方薬ばかり投与されて、ろくなことになってなかったことだろう。
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2009年9月20日のボクチン(5歳) posted by (C)ボクチンの母
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2011年9月20日のボクチン(7歳) posted by (C)ボクチンの母
posted by ヒゲジジイ at 00:00| 山口 ☔| 時代的な傾向や使用頻度が増加中の漢方薬方剤
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