2010年8月6日のボクチン(6歳) posted by (C)ボクチンの母
昨日、定期的に来られている関節リウマチの女性は、最近はすっかり調子がよいので、漢方薬の服用が、どうしても1日2回になることがあるが、それでもよいだろうか、という質問である。
ちょうどレッジ係りが、奥へ入っていたので、戻って来るまで最近、皆に注意している冷飲・冷食の害悪を布教(苦笑!)するつもりで、食習慣を訊ねたところ、案の定、ここ20年間に亘って、大好物の生野菜の多食と夏は氷の入った飲料水の常用を行って来たと言われる。
関節リウマチと診断されたのが、2〜3年前で、病歴が浅いお陰で、漢方薬も順調に効果を得てきたものの、その食生活習慣は大いに問題だから、例によって即刻改善してもらうように強くアドバイスした。
貴女の場合、関節リウマチを発症した原因は、その20年間の冷飲・冷食が原因だから、それらをすべて中止して、煮た野菜を中心に、飲み物は必ず真夏でも常温レベルで我慢すべきであることなど。
この女性の場合の病理機序のアウトラインは、昨今ブームのグリーンスムージーなど生野菜や果物の多食によって、腹腔内の慢性的な冷却が長年続いたために、腸管免疫の機能が正常に作動しにくくなり、免疫細胞の誤作動を誘発して、自己攻撃という誤爆が始まったのだろうということが、大いに推測されるのである。
といっても、中医学的な考えと併せて考えると、腸管の持続的な冷却によって最初は腸管免疫機能が低下し、関節リウマチの病因とされる風寒湿邪による侵襲を容易に許し、その後は、病因を誤認した免疫細胞が誤作動を生じ、免疫過剰による自己攻撃が持続するようになった、ということだろう。
これを単純化して言えば、関節リウマチの発症原因は、最初は免疫力の低下により、風寒湿邪に侵襲され、その後は、病因の誤認による自己攻撃という、免疫過剰を招来したものと思われる。
つまり、免疫過剰を誘発した根本原因は、免疫力の低下である、という側面を決して見逃してはならないのである。
但し、ここで注意を要することは、「免疫過剰」の反応を「免疫力が高まり過ぎ」のことだと誤解している人が多いが、実際には免疫システムが病因を誤認したことによる、「誤爆」なのであって、決して免疫力が高まり過ぎた訳ではない、はずである。
この「誤爆」が問題なのてあって、自己免疫疾患などは、単に「免疫力が高まり過ぎなのだから、漢方薬などによって免疫力を高めるのは間違いだ」という、意外に短絡的な思考をする医師やネット中毒の素人さんも、実際に見聞きする。
関節リウマチも含めて、自己免疫疾患には免疫抑制剤が有効だからという短絡的な発想のようであるが、考えても見るがよい!
その免疫抑制剤によって、自己免疫疾患の諸症状は軽減するのとは裏腹に、他の重要な方面の免疫力を低下させる結果、様々な感染症(細菌やウイルス)に犯されやすくなることを!
ともあれ、最初の彼女の質問に戻って・・・
1日2回の服用で済ませようと思ったら、上記の食生活習慣をアドバイス通りに改善されるなら、それでも構わないだろうと、お答えしたのであった。
要するに、昨日も書いたようにグリーンスムージーや野菜サラダなど、生の野菜や果物および冷飲という食生活習慣が続くと、
腹腔内の慢性的な冷却によって腸管免疫の機能が正常に作動しにくくなり、あらゆる慢性疾患を治りにくくする、と長年の漢方相談の経験から、このように考えている。ということである。
自己免疫疾患であれば、自身の内部組織への誤爆頻度をますます高め、アレルギー性疾患であれば、ますます過剰防衛の激しさを増し、癌や悪性腫瘍では免疫力が弱まって、がん細胞の増殖を防ぎ切れなくなるなど。
━2014年08月05日 生野菜や冷えた果物の常食によって膀胱炎を慢性化させてしまっていた実例より
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2011年8月6日のボクチン(7歳) posted by (C)ボクチンの母
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