2014年04月05日

花粉症のおたより

2008年8月20日のボクチン(4歳)
2008年8月20日のボクチン(4歳) posted by (C)ボクチンの母

【 ブログへ掲載の可否 】:転載応諾(ブログへ転載させて頂く場合があります。)
【 年 代 】:30〜39歳の男性
【 地 域 】:四国地方
【 具体的なご職業 】:鍼灸師
【おたより】 花粉症に対する漢方薬アドバイスのお礼

 お世話になっています。昨年に、花粉症について先生からアドバイスをいただきました四国の鍼灸師です。

 村田先生のアドバイス通り辛夷清肺湯+茵蔯蒿湯(いんちんこうとう)+板藍根茶の基本配合にて、今年はつらい花粉症を乗り切れております。

 もともと胃腸が弱い体質なので、大黄がきついので、地元の漢方薬剤師さんに相談して併せて半夏瀉心湯も加えて飲んでおります。

 これで、アレルギー症状(結膜炎と突発的なクシャミとは多量の鼻水が8割がた改善しております。

 例年ですと、花粉症には葛根湯など多用して、鼻の鼻孔回りが乾燥する吹き出物が出るなど難儀しておりましたが、今年はそのような症状はでておりません。
 有難うございました。

 そして、偶然ですが、私の知人も茵蔯蒿湯(いんちんこうとう)+補中益気湯を、身体のだるさの改善として内科医から処方されていました。
 予想通り、この方の花粉症の症状も例年の半分程度の軽さで済んだようです。

 先生の弁証論治と漢方医学の奥深さを、改めて噛みしめております。
 有難うございました。
 先ずはお礼と報告まで。
 
 四国の鍼灸師より

2008年8月20日のボクチン(4歳)
2008年8月20日のボクチン(4歳) posted by (C)ボクチンの母

お返事メール:
おたよりありがとうございます。

 今年の花粉症は、こちらでは九州地方の人などではアトピー性皮膚炎の人たちに合併するケースでは、明らかにPM2.5の影響も伴って重症化している場合でも、体質によって同様に辛夷清肺湯+茵蔯蒿湯というケースが代表的でしたが、荊芥連翹湯+茵蔯蒿湯の配合が適応するタイプも今年はやけに目立っており、重症例ではやはり辛夷清肺湯+荊芥連翹湯+茵蔯蒿湯なども目立ちます。

 但し、いわゆる虚証タイプでは、衛益顆粒(玉屏風散)+茵蔯蒿湯や、寒熱錯雑証タイプでは藿香正気散(かっこうしょうきさん)+茵蔯蒿湯などのタイプもあり、後者を数年常用されていた人では、昨年から藿香正気散を廃薬しても、今年はまったく花粉症が起こらなくなり、根治してしまった人もおられます。

 ただちょっと怖い質問をベテランの看護師さんから受ける機会がありました。

 すなわち彼女が勤務する病院では、花粉症の患者さんに病名治療的にすべてツムラの小青竜湯を乱発投与されているが、大丈夫なんでしょうか?というものです。患者さんには高血圧症や心疾患で通っている人が多いというのに、そのような患者さんにもワンパターンでもっぱら小青竜湯の乱発投与ということなのです。

 肺寒停飲が明らかであれば当然適応して速効が得られるし、たとえ肺熱や肺陰虚が主体であっても、一時的には強引に症状を緩和できるかもしれないけど、そんな野蛮な投与を繰り返していると、必ずどなたか麻黄剤が禁忌の人たちではとんでもない副作用が生じかねないので、無謀といえば無謀ですよ、とお返事しておきましたが、高血圧症や心疾患を抱える人たちにもお構いなしに投与されているというのですから、実に巷の医師の漢方知識レベルというのは、ほんとうに怖いというか、あまりにもレベルが低すぎるというか、恐ろしい限りです。

 その点では、ご紹介の茵蔯蒿湯(いんちんこうとう)+補中益気湯を投与される内科医の先生は、よく漢方薬を学ばれておられるようですね(笑。

2008年8月20日のボクチン(4歳)
2008年8月20日のボクチン(4歳) posted by (C)ボクチンの母

ラベル:花粉症