2014年02月27日

速効例を書くと誤解されるが、それには侮れない意味がある

姿はボクチンに似ていても性格がじゃじゃ馬娘で真逆の性格のトラちゃん
姿はボクチンに似ていても性格がじゃじゃ馬娘で真逆の性格のトラちゃん posted by (C)ボクチンの母

 昨今、県内から来られる新人さんが多いが、いずれの人もブログを見ていて、県外が多いのが信じられないといって怪訝顔の人が多い。

 今週は火曜日と水曜日は連日多忙で、本日などは昼食が午後3時を過ぎてしまったが、それほど忙しかった日ではなかった。

 それでも本日の外来と送りの人達で思い出すだけでも挙げてみると、偶然にまったく他人同士の関東地方の同じ県の人が2名。東海地方1名、九州地方1名。県内2名。

 直接来られている人達は、当然たっぷり時間をかけて弁証論治を行うことが通例であるから、意外に心身ともに疲労が蓄積する。
 火曜日・水曜日・木曜日と同じように相談時間をかける日々が続いているからでもあるが、合間にメールの返信は日々十通以上は軽く超える。

 それはともかく、本題の速効例。
 
 二年間近く咽喉に痰が絡んで不愉快であるという地元の人。
 根掘り葉掘りの弁証論治に呆れ顔であったが、こちらが熱心にやっているのに聊かムッと来たが、なんとか我慢してようやく見つけたのが、潜在的な蓄膿症をかかえていて後鼻漏が原因であろうことを発見した。

 怪訝顔の人であったから、基本の辛夷清肺湯のみを10日分渡しておいたところ、昨日やってきて予言(苦笑)通りに大量の濃厚な鼻汁があふれ出て、それですっかり気分がよくなったところで、気が付いてみると、咽喉の不快症状が完璧に百パーセントすっかり治ってしまったとか。

 極めて品質優良な辛夷清肺湯製剤がものをいう。

 念のため、あと10日分だけもらって行きたいと初回とはうって変わって大いに喜ばれていたが、もしもその後に再発することがあれば、蓄膿症というのはとても根深いのだから、そのときは再度しっかり漢方薬を続けるべきことを伝えておいた。

 先日も、県外の遠方から通って来られていた女性では、10日毎に通ってもらって、ある自己免疫疾患が1ヶ月以内でほぼピントがあって明らかな改善の兆しが出たところで、もう一つの目的である不妊症も同時にちょうど1ヶ月でめだたく懐妊された。

 数種類以上のやや複雑な配合がともによく効を奏したのである。

 速効例ばかり挙げていたら、皆がみなが速効が出ると誤解されても困るのだが、このような速効が出ることも決して珍しくはない。

 ところが注意しなくてはならないのは、速効が出たからといって、それで直ぐに根治する訳ではない。

 むしろ遅効であるほうが、止むを得ず地道な努力が必要となるので、却って結果的には根治に到達しやすいのだから、現実というのはちょっと皮肉な部分がある

 実は、もっとも再発率が高いのは初期に速効が出た人たちなのである。

 その理由は、ほかでもない、服用者がどうしても油断して服用を怠り、四季折々の弁証論治の重要性を認識できずに、たまにでも念を入れた点検にやって来るのを完全に怠るからである。

2008年8月5日のボクチン4歳
2008年8月5日のボクチン4歳 posted by (C)ボクチンの母

posted by ヒゲジジイ at 21:38| 山口 ☁| 漢方薬および生薬・中草薬・漢方の即効例 | 更新情報をチェックする

2014年02月26日

舌の奥の黄膩苔は肝胆湿熱による茵蔯蒿湯証が内在していることが多い

2008年8月5日のボクチン4歳
2008年8月5日のボクチン4歳 posted by (C)ボクチンの母

おなじみの東海地方の内科医の先生からの症例報告

64歳 女性
2012.6.4 「一ヶ月まえから右足の甲が腫れていて、足首も痛い。ひどい便秘もあるので直して欲しい」とおっしゃって受診されました。臍部から両側下腹部にかけて瘀血を認め、舌の中央から奥にかけて薄い黄色の舌があり、茵蔯蒿湯(T社)と桂枝茯苓丸(K社)を処方しました。

2週後 「排便は二日に一度になりました。でも足のほうは全然良くなっていない」と満足していない様子でした。しきりに、右足触りながら、「この浮腫がねー」と不満そうにしておられたので、「膝から下のむくみは防己黄耆湯」といつかの漢方研究会で聞いたフレーズを思い出して、「足の甲浮腫が取れるかもしれないので」と言って防己黄耆湯と桂枝茯苓丸を合方で処方しました。

2週間後、「先生は足の浮腫が取れるといったけど、全然よくなっていないよ」と凄く不満そうで、「足の裏がジンジンしてきたよ。冷房効いているとこはダメだね」とのこと。そこで、冷えで増悪しているとのことから、桂枝茯苓丸を桂枝加朮附湯に変更して、茵蔯蒿湯(T社)を3包に増量しました。

2週間後、「便通は変わらないけど、足のジンジン感は良くなったよ」と満足そうでした。すこし、こちらも胸を撫で下ろす気持ちになり、すこし気をよくして「じゃあ、毎日排便がでるようにしたいですね、20番を防風通聖散に変更します」といって帰宅を促しました。防風通聖散に変更した理由ははっきりしません。便秘・浮腫・下腹部がややぽっちゃりタイプでしたので、何となく変更したのかもしれません。

2週間後、 「便秘はまあまあで、足のジンジンもあまり感じないけど腕と脚が痒くなってきた。どういうこと?」組織内の水分を引っ張り過ぎたのか、と思いながら、桂枝加朮附湯を人参養栄湯に変更しました。

3週間後、「脚のジンジン感はほぼ無くなった。腕のかゆみがすこし残っている」といってあまり不満そうではありません。処方継続としました。

3週間後、「腕のかゆみも随分よくなった」と言ってようやく笑顔を見せてくださいました。「1ヶ月分お薬出します」といって内心ホットしました。

4週間後、変化なし。

4週間後、「インフルエンザをもらってしまったようです、のどがいたい! 早く直してください」とのことで検査したところ、A型インフルエンザで、イナビルと柴胡桂枝湯合桔梗湯を処方しました。風邪の症状ですんなりお引き取りいただけました。

4週間後、「このまえのインフルエンザは熱が出なくて治ってしまいました。漢方を続けて飲みます」とびっくりしておられましたが、こちらもびっくりでした。

8週間後、「5月の連休の頃から顔が赤くなって、今腫れて困っている。早くなんとかして! 腰も痛くて生活ができない」
と患者さんの表情が険しくなっていました。ちょうど花粉で顔から首にかけて発疹が出ていて清上防風湯で改善した方が幾人かいたことを思いだして、清上防風湯合茵蔯こう湯(O社)と牛車腎気丸合疎経活血湯に変更しました。

2ヶ月後、「顔の赤みと晴腫れは引いてきたが、排便が隔日しかでない。毎日だしたい」とのことで、茵蔯蒿湯(O社)を一日3包増量しました。

1ヶ月後、「・・・」 患者さんは何も訴えがないので、こちらから「お困りになっていることはありませんか?」とお尋ねしたところ、「別に変わりない」とのお返事で、前回症状は改善しているものと判断し継続投薬としました。

1ヶ月後、「この前に言うのを忘れていたが、便通が硬くて困っている」とのこと。腰痛よくなっているようであったので、疎経活血湯を麻子仁丸に変更。

1ヶ月後、「透明な鼻水がでる。毎年春は鼻がぐちゃぐちゃで困っている。何とかなりませんか」いつもと比べて神妙におっしゃった。「花粉に良く効くお薬を出しておきます」といって、辛夷清肺湯合麻黄附子細辛湯を1週間分だけにして、いつものくすりは4週間分処方した。

1ヶ月後、「便通も快便で、例年だとこのじき花粉の鼻水と鼻閉で大変だけど、何ともない。漢方は良く効くね。また続けて飲むよ」とおしゃってくださって、初めて満面の笑顔を見せていただくことができました。辛夷清肺湯合麻黄附子細辛湯は前回1週間分しか処方していませんので、常用薬である清上防風湯合茵蔯蒿湯(O社)と牛車腎気丸合麻子仁丸でアレルギー体質が改善している愚考しました。

 患者さんの訴えに対していろいろ思案して投薬を変更してきましたが、やっと体質のゆがみを少し修正できてアレルギー体質も改善できてよかった症例です。

 それにしても、茵蔯蒿湯(O社)は舌に黄色い苔があって便秘のときは適量(この患者さん場合1日3回)が必要であるという村田さんのお話に真実さを実感できた一例でもありました。

 患者さんの険しい表情を見なくてすむようになって村田さんに感謝します。
 またよろしくお願いします。

2008年8月5日のボクチン4歳
2008年8月5日のボクチン4歳 posted by (C)ボクチンの母

お返事メール:

 興味深い症例、とても楽しく拝見しました。

 茵蔯蒿湯を終始一貫投与されたこともさることながら、折々に臨機応変に行われた配合変化こそ興味深く、清熱剤とともに附子剤を併用するところなどは、附子瀉心湯という方剤の存在を考えると、実に奥深い配合をなされることだと感服申し上げました。

 今回もブログの継続にご協力頂けるものと感謝申し上げます。

 早速、明日のブログに掲載させて頂きたいと存じます。
 ありがとうございました。

2008年8月5日のボクチン4歳
2008年8月5日のボクチン4歳 posted by (C)ボクチンの母



posted by ヒゲジジイ at 00:06| 山口 ☁| 大柴胡湯や茵蔯蒿湯(インチンコウトウ)の真実 | 更新情報をチェックする

2014年02月25日

電話での問い合わせは苦手だからほとんどお断りの毎日

四匹が勢揃い
四匹が勢揃い posted by (C)ボクチンの母

 春の陽気の兆しが出たらしく、月曜日になって電話の問い合わせが激増した。

 漢方薬の処方指名の問い合わせや、〜〜〜病は漢方薬で治せますか?

 保険はききますか? 相談時間は長いですか?などなど・・・

 電話の問い合わせはウンザリである。
 受付嬢はすべてきっぱりとお断りしている。

 〜〜〜病が漢方薬で治せるかどうかは、相談者が真摯に漢方相談に根気よくついて来れるかどうかの問題。

 ところが代理による問い合わせや、本人であってもハナから怪訝そうな、あるいは些か高飛車な問い合わせであれば、いずれも「無理だと思います」とお返事するのが受付嬢の決まり文句である。

 絶対ということは絶対にないのだから、安易に漢方薬でなんでも治せるようなことは、見ず知らずの人の電話の問い合わせに答えるわけにはいかない。

 「こちらでは無理です」と答えるのが無難というもの。

 要するに電話でのお問い合わせにはほとんどのケースでお断り、なのである。

 常連さんでは決してこのような愚問は発しない。
 気心知れた常連さんでは、無心で弁証論治が可能だから、そのほとんどが漢方薬で十分に対処できるからである。

 ところが、はじめての見ず知らずの人からの電話にうっかり治せますなどと答えて、もしも直ぐに効果が出なかった場合、人によっては大変なプレッシャーを与えられることになる。

 「こちらでは無理です」と答えておくに限るのである。

 それでなくとも、薬局には日々、本気の人達は申し訳ないくらいに緊張して真剣な眼差しで来られるのに、そのような人たちに十分な相談時間を確保するには、電話で問い合わせるレベルの人達まで受け入れていたら、こちらの身体が持たない。

2008年8月4日のボクチン4歳
2008年8月4日のボクチン4歳 posted by (C)ボクチンの母


2014年02月24日

もっと痩せて目がパッチリとした美人になりたいと願う女性が多いが・・・

2008年8月3日のボクチン4歳
2008年8月3日のボクチン4歳 posted by (C)ボクチンの母

 世の中、美の本質を知らない女性が多過ぎる。

 外見の容貌や容姿ばかりを気にして、効きもしない防風通聖散を飲んでみたり、揚句は整形手術を行ったり。

 いくら外見を変えたところで、心の美しさがなければ、本当の美は永遠にやって来ない。

 そのくらいの当然のことが分からないで、何年人間をやっているのだろうと怪訝である。

 もっとも反映するのは眼である。

 眼は口ほどに物を言う、というが実際にはそれ以上である。

 眼はすべての人格を物語っている。どんなに整形しようがアイシャドーを塗ろうが、付け睫毛をつけようが、人の目は誤魔化せない。

 人生において辛酸を舐めて尽くし、ぎりぎりのところで踏ん張って、悪を思わず悪をなさず、わずかに憂いを帯びた眼ほど、美しいものはない。

シロちゃん
シロちゃん posted by (C)ボクチンの母

 

 
posted by ヒゲジジイ at 14:46| 山口 | ダイエットや肥満症 | 更新情報をチェックする

2014年02月23日

問題があるのは漢方薬局なのか?それとも相談者の方なのか?

2008年8月3日のボクチン4歳
2008年8月3日のボクチン4歳 posted by (C)ボクチンの母

ブログへの転載の可否 : ブログへ転載を許可します
年齢 : 10歳〜19歳の女性
ご職業 : パート・アルバイト
お問い合わせ内容 : はじめてメールさせていただきます。

 赤ら顔で悩んでます。現在○○歳です。頬全体が赤く、くすんでいます。

 小学生の頃からニキビがあり、16歳ごろまで酷かったです。顔は脂ぎっており、赤ニキビが頬やおでこにありました。

 17歳のころから水洗顔を始め、痛んだ肌が徐々に修復してくれたのか、ニキビはかなり減りました。しかし、今では大量のニキビ跡が残ってます。

 最近保湿をするようになってから、油の量は結構減りました。しかし、ほっぺた全体がピンクく、鼻付近は赤いです。ニキビ跡のせいもありますが、顔の肌だけ赤黒いです。

 1ヶ月ほど前、近場の評判の良い漢方薬局へ行きましたが、石鹸で顔を洗って保湿!と言われ、化粧品を買うことになりました。

 冷え性で悩んでることを伝えると、婦宝当帰膠という漢方を貰いました。

 しかし、私の一番の悩みは肌のことなので、肌に効くような漢方が欲しかったので、違う漢方薬局へ行きました。
 そこでもらったのは便秘薬でした…。ウチダの駆瘀血丸という漢方です。

 冷え性も便秘も小学生の頃から強かったです。この2つが肌荒れ原因になってるのはわかりますが、ネットなどで肌に関する漢方の体験談など読んでると、羨ましくて、私も早く肌の治療をしたい!と思ってしまいます。

 赤ら顔だから、熱を下げる漢方が良いのかな?でも、冷え性だから合わないのだろうか…とうじうじ考えてます。

 やはり素人なので自信がないです。

 しかし、今の漢方では、冷えと便秘はマシになりましたが、赤ら顔や肌荒れが治ってるとは思えません。

 早く肌の状態を治したくて、ネットで桂枝茯苓丸を注文してしまいました。

 今服用中の漢方と桂枝茯苓丸の併用は問題ないでしょうか?

 冷え、ニキビ、ニキビ跡、赤ら顔、目の下のクマなど、私にとっては嬉しい効果なので選びました。

 肌は良くなるでしょうか?

 参考までに、私の体質ですが、足先が冷える、のぼせやすい、年中鼻づまり、イライラ、目の下のクマ、月経は正常、便秘、乾燥肌、です。

 アドバイスよろしくおねがいします。

2008年8月3日のボクチン4歳
2008年8月3日のボクチン4歳 posted by (C)ボクチンの母

お返事メール:

 文面を拝見する限りでは、婦宝当帰膠を服用されたのはほとんとナンセンスで、体質によってはむしろ顔の熱感を増強してしまう場合もあり得ます。

 むしろ・・・活字化けしているので、内容がやや不明ですが、ウチダの駆瘀血丸(くおけつがん)が出されていたとしてら、まだその薬局さんの方が信頼できるかもしれません。

 この漢方薬の内容には桂枝茯苓丸の成分がすべて含まれていますので、両者を併用するのは成分が重複するものが多すぎるので、どちらかを使用すべきです。

 両方の併用は桃仁など、ややきつい成分が二重になるので、両者の併用はしないほうが無難です。

 桂枝茯苓丸を試す場合には便秘症であれば、ほかに大黄を併用する必要があります。

 ただし、重要な問題は、たとえいずれかの方剤がフィットしていても、お悩みの症状にはまだまだほかの問題が絡んでいる可能性もありますので、一つや二つの漢方薬だけでは効果が不十分な可能性が高いと思います。

 たとえ数種類のしっかりフィットした配合が見つかったとしても、それほど短期間で治ることは滅多になく、8〜9割以上のしっかりした改善が得られるまでには短くても半年から一年以上はかかって当然であり、多くは数年がかりで体質改善が必要になります。

 ですから、貴女のように転々と短期間で漢方薬局を変えるようでは、本当にフィットした漢方薬の配合を得られることはなかなか困難だと思います。

 ましてや素人療法は怪我の元、できるだけ信頼できそうな漢方薬局で7〜10日毎に通って根気よく漢方薬の微調整を繰り返してもらうお互いの忍耐が必要です。

 できれば、婦宝当帰膠を出された薬局ではなく、ウチダの駆瘀血丸(くおけつがん)を出された薬局でじっくり通い詰めてみるのが無難なように思われます。
 いずれにせよ、素人療法は怪我の元です。

 いくら効能書きがピッタリ合っていると思っても、まったくアテにならない場合も多々ありますので、専門家にしっかり相談しながら続けた方が無難です。

>今の漢方では、冷えと便秘はマシになりましたが、赤ら顔や肌荒れが治ってるとは思えません。早く肌の状態を治したくて

 とありますが、些か焦りすぎです。
 その薬局でしっかり相談して、現在の漢方薬だけでは足らないものがあるはずですので、他にも併用すべき適切な漢方薬を見つけてもらうべきだと思います。

 年中鼻づまりということですが、もしもこれが熱証の副鼻腔炎がからんでいるとしたら、顔面の諸症状に悪影響が重なっている可能性も大きいので、そちらの方面の漢方薬を併用する必要があります。

 いずれによ、詳細綿密な弁証論治が必要ですので、しっかりとその薬局で相談を繰り返すことが必須です。

 以上、取り急ぎ、お返事まで。

2008年8月3日のボクチン4歳
2008年8月3日のボクチン4歳 posted by (C)ボクチンの母

折り返し頂いたメール:お返事ありがとうございます。

 文字化けしたようですが、ウチダの駆お血丸で合っています。

 この漢方をくれた薬局なんですが、「とりあえず便秘を治してから。」とのことで、3種類ほど薬を持ってきて、「この中でどれがいい?」とい言われ、私がよく分からず迷ってると「じゃあこれにしようか」と駆お血丸をくれました。

 正直、そんな選び方で大丈夫なのかな…と不安に思いました。なので、行くとしたら、婦宝当帰膠をくれた薬局(家からも近い)にしようかな…と思ってたのですが、やはりこっちの方がいいのでしょうか?

 駆瘀血丸の中に、桂枝茯苓丸の成分が入ってることは知っていました。

 ですが、私は駆瘀血丸の一日摂取量の1/3しか服用してません。(漢方薬局から、まずはこの量で様子を見て,と言われました。)この量でも最近は排便時にお腹が痛くなるので、増やすつもりはありません。

 こうなると、桂枝茯苓丸の成分があまり取れないのではと思い、単品で購入してみました。

 一つや二つの漢方薬だけでは効果が不十分な場合がある、とありましたが、いろんな漢方を同時に服用しても大丈夫なのでしょうか?(効果が弱くなったり、打ち消されたりしませんか?)

 また、7〜10日毎に通う、とありましたが、どちらの漢方薬局でも一ヶ月分の漢方を出されました。

 なので、一ヶ月服用して、漢方が切れたらまた相談しに行く、というようなやり方だったのですが、それだと改善はもっと長引くのでしょうか?

 長期に渡ってずっと同じ漢方薬も飲み続けるのもあまり良くないですかね?

 正直漢方薬局が信じれなくてあまり行く気になれません。。。合っていない処方の漢方にお金と時間をかけたくないからです…。

 ちなみにこんな肌です。おでこは綺麗です。
 アドバイスよろしくお願いします。

2008年8月3日のボクチン4歳
2008年8月3日のボクチン4歳 posted by (C)ボクチンの母

お返事メール:

 最初から1ヶ月分を販売するなんて、ちょっと信じられない薬局ですねっ!!!
 1ヶ月分まとめて販売できるのは、一定レベルのピントが合っている場合に限るはずですが・・・。

 駆瘀血丸(くおけつがん)の販売のしかたも「この中でどれがいい?」なんて、まったく漢方知識が皆無である証拠ですので、その薬局も失格ですね!

 写真を拝見しましたが、メールの内容や写真を拝見しただけでは、桂枝茯苓丸が合っているかどうかまでは、うかつにお返事できません。

> 一つや二つの漢方薬だけでは効果が不十分な場合がある、とありましたが、いろんな漢方を同時に服用しても大丈夫なのでしょうか?(効果が弱くなったり、打ち消されたりしませんか?)

 こういう素人考えがある人には、正直言って、残念ながら本格的な漢方治療は向きません。

> 正直漢方薬局が信じれなくてあまり行く気になれません。。。合っていない処方の漢方にお金と時間をかけたくないからです…。

 という思いがあるようでしたら、なおさら漢方薬治療はあきらめて、食事療法で改善してみてはどうでしょうか?

 甘いものや肉食類を徹底的に食べないようにして、いわゆる和食ばかりに切り替えるのです。
 また生野菜も食べず、煮た野菜を中心に摂るのです。
 例外的に摂ってはいけない食品は、和食の中でもタケノコ、ゼンマイ、ワラビなどアクの強い食品類です。

 食事の徹底した改善だけでも現在の症状が半減する可能性大です!

 なお、女性の肌は、ストレスも大きく影響することがあり⇒
     2014年02月20日 病気の原因はストレスにあり、という典型的な例証
 このような例もありますので、ご参考までに。

2008年8月3日のボクチン4歳
2008年8月3日のボクチン4歳 posted by (C)ボクチンの母


posted by ヒゲジジイ at 00:33| 山口 ☀| とんでもない話や、信じられない困った話 | 更新情報をチェックする

2014年02月22日

急性疾患に罹患したときは慢性疾患用の漢方薬を一時中断して正解

霊感の強いシロちゃん
霊感の強いシロちゃん posted by (C)ボクチンの母

ブログへの転載の可否 : ブログへ転載を許可します
年齢 : 20歳〜29歳 の女性
お問い合わせ内容 : お世話になっている○○の●●です。

 症状に改善が見られ、皮膚のかゆみも落ち着きました。

 ただ、18日の夜から体調不良で19日に熱と吐き気、下痢、胃痛があり、病院で検査をしてもらったら、ウィルス性胃腸炎ではないかと診断され食欲もないため漢方薬も飲めず、18日の夜からストップしています。

 現在は、熱も下がり、胃痛が時々あるくらいなので、漢方薬を再開したいのですが、舌の苔が白くなっていたり、14日に見て頂いたときと状態が違うと思います。

 どのようにしたら、いいでしょうか?

 病院で処方された薬・・・ビオフェルミン配合散。

 一応、漢方薬を飲んでいた期間の皮膚の状態を少し書かせて頂きます。

 2月15日  顎回りの湿疹とかゆみが7割程度落ち着く。顔の火照りはない。

 2月16日〜 左頬に火照り(左頬)がある。(起床時のみ)        
 
 2月18日  両頬に時々(温度差)火照りがある。       
 火照ると皮脂の出やすい部分(額、眉間など)にかゆみがあった。
 肌全体が少ししっとりしてきたような感じがする。

 現在、全体的にあった顔の痒みと細かいブツブツと、引っ掻いて?少し出ていた浸出液も止まっています。

 火照りは、夜中気温が下がり、朝方気温が高かったりすると、暖房で火照ります。

 以上です。よろしくお願い致します。

2008年8月3日のボクチン4歳
2008年8月3日のボクチン4歳 posted by (C)ボクチンの母

お返事メール:
 急性疾患時は漢方薬を一時中断したのは正解です。

 ウイルス性の胃腸炎は、通常漢方では証候に応じて五苓散や藿香正気散に板藍茶の併用でかなり速効的に治ることが多いものです。(但し、アトピーには藿香正気散や五苓散中のシナモンがよくない場合があります。)

 でも、常連さんのように常備薬を備えてない場合では、速攻で病院で診てもらって正解です。

 ともあれ、まだ胃痛が残っているそうですが、それほど遠くないのですから、こちらに直接来られて舌の状態をみて考えたほうがよいと思います。

いつも憂い顔のスコちゃん
いつも憂い顔のスコちゃん posted by (C)ボクチンの母


posted by ヒゲジジイ at 08:34| 山口 ☀| アトピー性皮膚炎や慢性湿疹など痒みを伴う皮膚病 | 更新情報をチェックする

2014年02月21日

西洋医学は多くの慢性疾患において、あまりにも限界が多過ぎる

2008年8月3日のボクチン4歳
2008年8月3日のボクチン4歳 posted by (C)ボクチンの母

ブログへの転載の可否 : ブログへ転載を許可します
年齢 : 30歳〜39歳 女性
お問い合わせ内容: はじめまして。
 漢方を自在に操られる様子もさることながら、鳥類の飛び立つ瞬間などの肉眼では捉えられない写真に魅せられている者てす。

 早速ですが、身体の不調に悩んでいます。
 生理不順で不正出血がしばしばあり、産婦人科では多嚢胞性卵巣と子宮筋腫と診断されました。

 肩こりもあり、少し無理をすると頭痛がひどくなります。
 整形では「頚椎が後弯してるから肩こりは仕方ない」と言われ肩こりと頭痛に気を遣う毎日です。

 低体温と低血圧でこんな年(とし)なのに冬はしもやけが毎年できます。
 ビタミンEや紫雲膏、ステロイドは効果なしでした。根本から改善していきたく思っています。

 どうぞ宜しくお願いします。

2008年8月3日のボクチン4歳
2008年8月3日のボクチン4歳 posted by (C)ボクチンの母

お返事メール:

>整形では「頚椎が後弯してるから肩こりは仕方ない」

といわれているそうですが、西洋医学は多くの慢性疾患において、あまりにも限界が多過ぎるようです。

 当方では西洋医学に見捨てられた人のみならず、各地の都会方面での漢方治療でも効果がなかった人たちがメインとなっています。
 根気さえあれば、ほとんどのケースで8〜9割以上の改善が得られています。

当方の予備HP( http://www.kanpouyaku.biz/ )からの引用になりますが・・・・・
※初期のしばらくは7〜10日毎に通い続けて頂き、適切な漢方薬の組み合わせを見つける努力が行われます。
 効果的な配合が見つかった後は、遠方でしばしば通うのが困難な方達の場合、ある程度まとめて必要な漢方薬を購入することも可能となります。
 また必要に応じてメールや電話相談に切り替えて通信販売を行うことも可能です。

 但し、個有の疾患特有の性質により、季節変化や不養生による病状変化が生じた場合は、漢方薬の配合の微調整が必要になることも稀ではありませんので、 その時には再度直接来られる必要があります。
 以上のように記載していますが、症状が多岐に亘る場合は、一定の効果が感じられる配合が出来上がるまでは、とうぶんの間は7〜10日毎に根気よく、直接通っていただく必要があります。

 それが不可能(通えるのは1〜2回だけとか)の場合は、残念ながらお断りさせて頂いております。

 取り急ぎ、お返事まで。

2008年8月3日のボクチン4歳
2008年8月3日のボクチン4歳 posted by (C)ボクチンの母

折り返し頂いたメール:お返事ありがとうございます。
お忙しいところ恐縮です。

 ブログを読み写真に癒されながら、メールを送信した時から根気良く通うことは決めていました。

 向き合うのは自分の身体。
 見捨ててどうする!と思っています。

 怖いのは先生からのお断りの言葉です。
 どうぞお付き合い頂けたら幸いです。

 寒いのでお身体に気を付けて下さいね。

 それでは失礼します。

2008年8月3日のボクチン4歳
2008年8月3日のボクチン4歳 posted by (C)ボクチンの母

お返事メール:ブログのトップに記載しています通り
漢方薬相談販売は遠近に関わらず御本人の意志と意欲で直接定期的に繰り返し来局できる人のみが対象です
ので、本気でさえあれば、初回は特に時間を要しますので、十分に時間に余裕を持たれる日にでも、予告なしに来られるのがベターです。

 予告されて来られるには及びません。
 突然来られた方が、集中力が増します。

 関東地方の人達のほとんどは、予告なしに突然来られます。
 当方のブログやHPをよく読まれていて、こちらの性格をかなり把握されて来られるからのようです(苦笑。

 追伸:最近はゆえあって鳥の撮影を中断していますが、 おたよりのブログ掲載にかこつけて、猫ちゃんの写真を貼りつけることができます(笑

2008年8月3日のボクチン4歳
2008年8月3日のボクチン4歳 posted by (C)ボクチンの母

2014年02月20日

病気の原因はストレスにあり、という典型的な例証

2008年8月3日のボクチン4歳
2008年8月3日のボクチン4歳 posted by (C)ボクチンの母

 先日、肌のきれいな女性から直接聞いた実話。

 二十代前半のOLだった当時、イヤな上司が赴任して来た途端、いままで出たこともなかった顎ニキビがびっしりと生じた。

 病院治療はもとよりエステや漢方など、あらゆる手を尽くしても一向に治らない。

 どんな治療方法もまったく無効だったという。

 そのうちイヤな上司に次第に可愛がられるようになったものの、それでも顎ニキビはびくとも変化がない。

 ところが、上司が転勤になっていなくなった途端、顎ニキビはきれいさっぱり即効的に完全に消滅してしまった。

 以上、最近、聞いたばかりの実話であるが、心と身体の相関関係はかくのごとし。

2008年8月3日のボクチン4歳
2008年8月3日のボクチン4歳 posted by (C)ボクチンの母



 
ラベル:顎ニキビ
posted by ヒゲジジイ at 07:53| 山口 ☀| 吹き出物やニキビ、脂性や角栓および脂漏性皮膚炎 | 更新情報をチェックする

2014年02月19日

中医学を学ぶ獣医師の女性からのおたより

2008年8月3日のボクチン4歳
2008年8月3日のボクチン4歳 posted by (C)ボクチンの母

【 ブログへ掲載の可否 】:転載応諾(ブログへ転載させて頂く場合があります。)
【 年 代 】:40〜49歳の女性
【 地 域 】:とっても寒い地方
【 具体的なご職業 】:主婦(獣医師免許あり)
【 おたより 】:いつもブログを拝見しています。
 貴重な御意見・経験を書いていただき、大変勉強になります。ありがとうございます。

 証が複雑な私は自分の通える範囲では適切な治療をしてもらえる専門家に出会えなかったため、独学で中医学を学び、自己治療をしています。失敗しながらですが、大分臨機応変に証の変化に対応できるようになり、普通の生活が出来るようになってきています。

 それとともに、中医学の奥の深さ、難しさ、安易な治療の恐ろしさも、嫌というほど実感しています。

 ですので、私の行っている自己治療はブログで拝見する先生の主義とは異なると思い、御連絡するのはおこがましいと思っておりましたが、このたび「猫ちゃんたちに漢方薬を利用される貴重なお便り」を読ませていただき、メールさせていただきました。

 私は体力がないので現在獣医業はしておらず、よって、中医学を知った後にルーティンに動物を診る機会がないので、あまり大きなことは言えませんが、それでも、イヌやネコなどに弁証を試みることがあります。

 そして、これは明らかに陰虚の舌だ、とか、これは腎虚による脱毛だ、とか、肝腎陰虚が根底にある肝気欝結だ、などということが分かることがあります。私が現在飼っているハムスターの1頭は、明らかな脾虚湿盛タイプです。言ってくれないので難しいですが。

 しかし、弁証できても、薬物の体内動態が異なることが多い動物に、人間に使うエキス剤などをそのまま使えるかどうかは分かりません。試しに使ってみたりはしますが、本当に手探り状態です。

 臨床でエキス剤を使う先生もいらっしゃいますが、中医学的診断がはっきりしないので、その動物のどんな証にエキス剤がどのように使われどのような効果があったのかなど、私にはよく理解できません。

 ただでさえ、日本では東洋医学的治療は人間の場合ですらあまりまともに行われているとは思えない現状ですが、人間の医学より遅れがちな獣医師領域では、動物の漢方治療はさらに遅れています。

 近年、獣医師が中医学を学ぶ場が出来、私もそれにチャレンジしようかと思ったことがあります。
 しかし、内容を見てみると、いかんせんレベルが低い。

 これにお金を出して通うくらいならば、人間のほうの鍼灸や中医師の免許を取ったほうが臨床に役立つはずだと思い、パスしました。(それら資格をとる気は今のところありませんが)

 この様な状況で、獣医師が、「漢方」や「中医学」を標榜するのは、早すぎると思っています。

  獣医学領域の東洋医学の発達には、まず、人間のほうの中医学・・・というか中医漢方薬学の論理的思考が普及することが必要不可欠です。
 自分のためにも動物のためにも、それを切に願っています。

 乱筆乱文失礼いたしました。
 その役割をになっていらっしゃる先生のブログを、陰ながら応援しています。

トラちゃんとシロちゃん
トラちゃんとシロちゃん posted by (C)ボクチンの母

お返事メール:おたより、ありがとうございます。

 掲載した「猫ちゃんたちに漢方薬を利用される貴重なお便り」には続編があります!
 後日掲載する予定ですので、こちらの方も是非ご覧下さい。
 大変なご苦労を重ねながらも、物言わぬ猫ちゃん達にみごとに漢方薬を運用されておられます。

 人間様相手に40年間、日々四苦八苦しながら弁証論治の毎日を送っていますが、物言わぬ猫ちゃん達に上手に運用されている人もおられるのですから、目が点になってしまう心地で、まことに脱帽ものです!

 そんじょそこらの人間様よりもはるかに霊性の高い猫ちゃん達を嫌ったり虐待する日本人が実に多い昨今、このような奇特な方がおられるのはとても素晴らしいことだと思います。

 ところで、独学で中医学を学ばれたそうですが、他ならぬ私自身こそ独学でまずは日本漢方を学びつつ、併行して中医学を学んできました。
 ●●さんも独学であることに何の引け目を感じる必要はまったくありませんので、自信を持って頑張って下さい。

 「中医漢方薬学」については、日々の仕事は漢方相談が専門であるがゆえに、日本漢方の優れた点とともに、救いようのない欠点を発見し、一方では※中医学特有の構造主義科学理論としての優れた点に目覚め、両者を融合する道を構想し、情熱に燃えていた平成元年より数年前までは体系的な拙論を完璧に構築するつもりで頑張っていた時期もありました。
(※その他の参考文献;中医学は構造主義科学であるということ

 ところが、生来の怠け者ゆえ、日々の仕事に追われているうちに、いつもまにか「大それた構想を思い描いたまま」に終わってしまいました。

 昨今は、一年半前に亡くなった「信じられないくらい霊性の高かった茶トラのボクチン」の写真をブログに貼り付けるのが唯一の生き甲斐となり、本末転倒したブログを続ける毎日となっています(苦笑。

 ●●さんも元気になられましたら、是非、本業に復帰され、猫ちゃんやワンちゃんの尊い命の救済に勤しんで頂きたいものです。
 専門知識を活かされつつ、獣医学における漢方薬治療の道を開拓して欲しいものです。

 おたより本当にありがとうございました。
 なお、数日以内にブログに掲載させて頂きたいと思います。
 ご自愛下さいませ。

2008年8月3日のボクチン4歳
2008年8月3日のボクチン4歳 posted by (C)ボクチンの母

折り返し頂いたメール:お返事ありがとうございます。
 温かいお言葉、大変嬉しく思います。(怒られるかと思っていました。スミマセン)

 「前回の続き」、読ませていただきました。
 猫後天性免疫不全症候群、俗に言う猫エイズは、機会があれば漢方でチャレンジしてみたいと以前から思っていた疾患です。
 貴重な報告ですね。

 後天性免疫不全症候群を発症してしまった猫は、気虚が根底にある、複雑な虚実挟雑の状態だと私も思います。

 私自身は治療経験がないので、推測でしかありませんが、私であれば、補気剤を中心に補益剤を適宜使いつつ、板藍根などの抗菌・抗ウイルス作用のある生薬を含む製剤を併用することからはじめようかな、とは思います。

 ただし、体温が低下している場合が多いので、寒性の板藍根などを使いすぎると余計に体温を下げてしまう恐れがあるため、適切な配合は必要でしょう。
 もちろん、証次第ですし、適宜調整が必要でしょうから、固定した方剤は使えないと思います。

 また、百会の経穴刺激は、猫後天性免疫不全症候群に対して使われています。
(*百会は人間と位置が違います。)
 が、直接手で揉んだりすると、痛みがあって嫌がる場合があるので、鍼灸や電気刺激など他の手段を証によって選択して使うほうがよいかもしれません。

 これらはあくまでも、「私だったら手探りでこうするかも」であって、果たして本当に有効なのかは分かりません。
 一意見として、参考までに。


 私自身のことですが、後遺症と先天的体質、及び、それにどこまで自己治療で対応できるかの見通しを総合して考えると、体力勝負の臨床に戻るのは難しいといわざるを得ません。
 この状態で何が出来るのか、目下模索中です。
 現在は、時々基礎の漢方講座などを開いたりしています。

 いずれにしても、微力ながら、弁証施治の普及に協力できればいいなぁ、と思っています。

 こちらは現在、猛吹雪で昨日から陸の孤島状態です。
 うちはまだ大丈夫ですが、周囲は停電しています。
 私は山口県出身ですが、温暖な山口の気候が懐かしいです。

 とはいえ、山口も底冷えのする時期ですね。
 大変お忙しいことと思いますが、どうぞ御自愛ください。

2008年8月3日のボクチン4歳
2008年8月3日のボクチン4歳 posted by (C)ボクチンの母


posted by ヒゲジジイ at 00:09| 山口 ☁| 日本漢方の情けない現状と限界 | 更新情報をチェックする

2014年02月18日

前回の続き:猫ちゃんたちに漢方薬を利用される貴重なおたより

2008年8月3日のボクチン4歳
2008年8月3日のボクチン4歳 posted by (C)ボクチンの母

折り返し頂いたメール:お返事、ありがとうございます。
 時間の限り、村田さまの猫や鳥についての記事も拝読したいと思います。

 確かに、村田先生のおっしゃる様に、「証の確定」どころか「試行錯誤の為の推測」さえも難しいのが、言葉を交わせない猫相手の看病です。

 母娘三匹まとめて保護致しました猫エイズファミリーの母猫は、保護してから六年目にとうとう重篤な状態になってしまいました。生後間もないファミリーの別な母猫の子がカラスに全滅させられたと聞いたので、私道を徘徊していた生後間もない三姉妹を保護したのでした。

 窓越しに様子を見に日参していた母猫は。「数日後に窓を開け中に入れ、また帰って行く」を始め、ほどなく、「窓を閉めそのまま一緒に暮らす」を始めたのでした。

 昨年の「2月22日(猫の日)」に逝った末娘が五歳でしたから「ギリギリ頑張った」と言えるのでしょうか? 母猫は、保護時に既に五六歳と言われて居ましたから、少なく見積もっても猫エイズの平均を超える長寿なのかも知れません。
 
 と慰めつつも。この一年より以前は、ホームセンターの安めのFood。様子が悪ければ、獣医さんで抗生剤、ステロイド剤でしたから。持って生まれた丈夫さ、天命、生命力があったのでしょうが「五六年前に今の意識と知識があったならば」という自責自戒の想いを消すには至りません。

 「猫の弁証認識の難しさ」について。例えばこの母猫の場合、
 「口内炎に苦しむ、顎や頬、耳から脂漏」
ならば、熱性だろうか?と思えば、口渇ではなく、むしろよだれが多い。に始まり、「○○は該当するが、舌苔や便、尿が反対の兆候」ばかりで.検証を定めることが出来ません。

 そもそも、人間の数百倍「我慢してしまう」らしく。「痛み」も、触れて嫌がる頃には「人間の激痛」なのでしょう。「近代化学物質対処療法では助からん!」と言いながら。日々、後手後手の対応という無念の状況です。

 例えば、三姉妹の真ん中の子は、ここ数日。飲水が過度に増え。はじめ「腎臓系」を案じましたが、にわか勉強で「もしかしたら胃熱か?」と、たまたま間違って入手していた「黄連解毒等湯」を「三日だけ 」と試してみましたところ、二日目に飲水が通常になりました。なので、三日目に中断。

 「便が緩く少量を多く排便する」も併発して居たので、「人参湯」に替えてみました。やはり二日目には、「まとまった便」と「相変わらずの少量」が交互の状態になりました。「温性」の「人参湯」にも拘らず、飲水は安定したまま。

 「黄連解毒湯」を施した時点で、「胃熱」があったのかどうか? 「あったけれど治まり、人参湯では再発しなかった」のか? 単に、「悪化はまぬがれた」だけなのか? 当の猫から、「投与前と投与後の胃の調子」を問診・聞診が出来ない以上分かり様が無いと思えてしまいます。

などなど、

 恐らく、猫エイズの悲しい症状で、多臓器が「皿回し」の様に相次いで不調〜持ち直し〜再発、などの状態が続いているのだろうと思います。

 上記の母親は、口内炎が悪化し、Vitamin-Bや、患部へのLicorice-Tincture(甘草エキス)塗布も、銀(ペット用)消毒でもある程度迄しか改善せず。
 今迄の知識の「茵陳蒿湯」も決定打にならず。 調べまくって「清熱補血湯」を与えてみ ました。
(煎じ湯の量を飲ませることは困難なので「煎じ薬」を、そのままCoffee-Milで粉末にしています。)
 やはり三日目にじわじわ改善され、絶食は三日で済み。自食も上向きになりました。

 同時に、やはり「三日勝負」で「十全大補湯」も与えましたが、自食し始めましたので、「補中益気湯」と「人参湯」に切り替えました。「人参湯」は、便秘気味になってきたからでしたが、排便も毎日に戻りましたので、「乾姜」以外は重複なのでしょうから二日で「人参湯」は止め、様子を見ています。
 
 一年前には、上記ファミリーの末娘を亡くしましたが、その当時は、猫用山羊ミルクに方剤を混ぜ、「苦い、不味い」に耐え、亡くなる前日迄、懸命に口を開けてくれていた子でした。

 「もっと早く思いついていれば良かった」と自責しましたが、
昨年夏前からは 、#4サイズのカプセルに方剤を詰めて、Salmon-Oilをまぶして口に押し込みます。味は鮭ですし、オイルの御陰で喉に貼付かず。なので、
「猫には無理」と複数の方に言われた「十全大補湯」も難なく飲んでくれています。

 などなど、「試行錯誤」と「後悔、自責、自戒」の日々です。

  重ねて御礼申し上げさせて頂けますれば、ヒゲジジイ先生のご見識に触れ、今迄の情報に対する愕然とする感覚、さて、これからどうしよう、という混沌とした感覚にも襲われがらも、「ああ、これこそ、守りたい、守るべき命に対して取るべき、より正しい道なのだろう」という武者震いこそが、本当の想いなのだろうと考えます。

 では「何が正解か?」は、相変わらず暗中模索ではありましょうが、

 巷の情報にすがり着くということの安直さ、逃げの心理が内在しているだろう短絡的な楽観主義とは決別すべきだ、と教えて頂き、深く感謝致しております。
 ありがとうございます。

2008年8月3日のボクチン4歳
2008年8月3日のボクチン4歳 posted by (C)ボクチンの母

ヒゲジジイによるお返事メール:前回のメールでご指摘の通説、

>「漢方の効き目はゆっくりおだやかだから」

というのはご指摘の通り、真っ赤なウソです。


 状況によっては日ごとに配合方剤を変えるべきケースがありますが、三日で勝負とされているのは貴重なご経験であると思います。

 但し、これらの頻繁な配合変化を必要とするのは、急性疾患のケースと、慢性疾患であっても亜急性化したり、病状が重篤化している状態のケースに限られるのではないかと思います。

 人間様の場合では、難治性疾患であっても病状が固定的な場合の慢性疾患では、臨機応変の配合変化が必要であるとはいえ、同様の配合で10日毎で観察し、10日以内に明らかな効果が出れば、病態の変化がない限りはしばらくは同様の配合で様子をみる必要があります。

 確実に言えることは、急性疾患であれ、慢性疾患であれ、漢方薬の効果はそれほどゆっくりではなく、症状が激しい場合は短期間(ご指摘の3日以内)で効果の有無がはっきり出ますし、1日で判明することも珍しくないと思います。

 何年来の固定した慢性疾患ですら、その効果の有無はほとんどのケースで10日以内に効果の有無が判定できます。

 ともあれ、猫ちゃんたちの忍耐強い闘病の姿を思い出すと、本当に切なくなります。

ご報告頂いたかなり具体的な漢方投与のご経験は、猫ちゃんたち専門漢方薬局の貴重な教訓になるものと思います。

「漢方の効き目はゆっくりおだやかだから」という謬説が世に喧伝されているのは、どうしようもない問題で、最初から1ヶ月分の漢方薬投与や販売が横行している現実は目に余るものがあります。
 これが出来るのは、病状が安定期に入り、徹底した体質改善を行うべき段階に達した時点ではじめて可能となるので、頑固な慢性疾患であっても初期には10日前後で反応を確かめながら配合の微調整を繰り返す必要があります。

 現実には多種類の難病が合併している人では、多種類の漢方薬類をほとんど日ごとに配合変化することで、数年がかりでようやく長期間の苦痛に満ちた病状が半減するに至っているというケースもありますので、固定観念を持ってはならないと思っています。

 長期間の難治性疾患でも日毎の配合変化が必要なケースでは、病人さん自身に習得してもらえるから可能なことであって、物言わぬ猫ちゃんには大変な困難を伴うものと存じます。

 貴重なご報告、ありがとうございました。
40年の本業でありながら、人間様だけが専門ゆえ、猫ちゃんの漢方治療の経験があまりに乏しいので、何のアドバイスもできないのが心苦しい次第です。

2008年8月3日のボクチン4歳
2008年8月3日のボクチン4歳 posted by (C)ボクチンの母

posted by ヒゲジジイ at 08:21| 山口 ☁| 間違いや問題の多い日本の漢方と漢方薬 | 更新情報をチェックする

2014年02月17日

猫ちゃんたちに漢方薬を利用される貴重なおたより

2008年8月3日のボクチン4歳
2008年8月3日のボクチン4歳 posted by (C)ボクチンの母

【 ブログへ掲載の可否 】:転載応諾(ブログへ転載させて頂く場合があります。)
【 年 代 】:50〜59歳の男性
【 具体的なご職業 】:民族音楽研究演奏家
【 お問い合せ内容 】:ご挨拶と御礼
 ネットでヒゲジジイさんのサイトに辿り着きました。

 漢方、Herb、ホリスティックに辿り着いて丁度一年。様々な記事で愕然としたり、「目の鱗」だったり、
 この一年、出逢った漢方薬剤師さんや獣医先生、ネット、ブログを通じて、どうにも「腑に落ちない」と思って居た事の多くが見事に語られており、感服致し、メールを書かせて頂いた次第です。

 方剤治法、中医学弁証、の記事の鋭さもさることながら、
 その厳しさとは全く似つかわしくない?(※) 里の野鳥と野良?猫の温かくも心が通うお写真に見せられ、励まされも致しました。 (※)あくまでも一般的な感覚で申した迄で、私個人の中では、むしろ全く矛盾無しですが。

 と、言いつつ。肝腎の方剤についてのお話も、写真もゆっくり拝見する時間が無く。
 もしかしたら中途半端で宜しくないのかもしれません。でしたらご無礼、恐縮です。

 具体的に申し上げますと、

 東京で20年民族音楽のライブハウス(1978年開店、日本初でした)をやった後、音楽のお弟子さんが持って来た一匹の捨て子猫が引き金で、幼児幼少で培いながら中学入学時に、障害者の母、妹を抱えて居た為に、封印した感覚が蘇ってしまい。
 東京で7年。その後、●●に転居して7年。

 捨て子猫、野良子猫、野良猫の保護活動をしております。

 スタッフ及び、一時預けの預け人に、早い話が逃げられて。
 この四年、独りでかなりな頭数。この二年も複数頭の世話をしております。

 猫エイズや猫白血病、猫伝染性腹膜炎で、八頭看取って「やっと」 西洋化学製剤対処療法と言うより、やみくもな抗生剤、ステロイド、解熱剤、下痢止めしかして下さらない獣医学に気付き、途方に暮れていた時に、「猫にも漢方」を知り、後に「ホリスティックアニマルケア」やHerbを知ったのです。

 しかし、知れば知る程、「腑に落ちない」ことが、多く。
 巷の「○○にはこれが効く!」レベルではどうにもならない。

 具体的には、エイズの子で丁度一年、危機的な状況の中で延命しておりますが、
 どうも単純な「免疫力の低下」とか「ウィルスの所為」とも言えない病状推移が見られる。

 私は、平和主義者では有りませんが、さりとて戦争肯定は致しませんけれど。
 生き物の体と、外邪、内邪の関係や、腸内環境は、「国家」の話に良く似ている。

 西洋化学製剤対処療法の抗生剤、ステロイド、解熱剤、下痢止めは、まるで「国連軍」の、艦砲射撃や無差別爆撃、時には、核兵器とさえ思える。けれど、言い換えれば、状況によっては、民間人、民兵、義勇軍の犠牲もやむなしで、一気に形勢を逆転させる必要もあろうかとは思いますが。

 そして、巷にあふれる、「免疫力アップ」のサプリの類いは、
 内政も、民の暮らしや精気も、田畑が河川の自然な健康状態も顧みずに「新兵器」を売りつけて、軍備ばかり増強されてしまい、挙げ句に、味方でさえも「スパイだ!」「反逆罪だ!」と過敏に反応し、アレルギー状態。

 サプリどころか、生薬Herbも含め。ヴィタミン、ミネラルさえもが、複雑に関係し合ったもの。
 その全体像を見ようとせず、樹を見て森を見ようともしない感覚では、猫達を救えない。

   長くなってしまいましたので、おしまいに致しますが。

 奇しくも、中医学の「弁証法」を学び始めて、ヒゲジジイ先生のサイトに辿り着きましたが。
 体調、病状によって、刻々と変化する証に対し、最早、巷の猫仲間、猫に詳しい(?)漢方薬剤師さん、ホリスティックの先輩たちの話しに振り回されて、「○○にはこれが効く!」を続けては行けないと痛感したその時に、ヒゲジジイ先生のサイトに辿り着いたのです。

 しかしながら、周囲に信頼出来る薬剤師さん、獣医さん。(漢方やホリスティックを謳っているのは逆に駄目ばかりでした。)が居ない。
 
 それ以前に、証を知りたくとも。本人の「何処そこが痛い、不快感、違和感、熱っぽい、鈍痛」などが訊けない。

 脈診も、じっとして居てくれない。  
 「しゃー!」の威嚇の瞬間に写メを撮って、やっと「分かる様な分からない様な舌診」
 飲水量、排尿量、排便量、便の様子、割って臭いを嗅いで、耳の中の温度、血管の様子、
  という、ごくごく限られた情報で検証せざるを得ない。
 
 しかし、本日、先生のサイトに辿り着き、最近感じ、実行し始めました、
 「状況を推察し、異なる方剤を短期間起用する」(Herbも含め)
 は、正解の方向は向いているのだろうと思いました。

 何しろ、今迄の「漢方に詳しい」とおっしゃる獣医さんや猫仲間や「猫に詳しい」とおっしゃる薬剤師さんは、異口同音に、

 「漢方の効き目はゆっくりおだやかだから」と長期使用を念押しされていました。

 が、私の経験則では、「三日が勝負」効いても効かなくても、ものによっては三日で止める。

 実際、翌日には答えが見えてくるものが多い。
 比較的安全そうで、下支え的な存在であろうと思われるものでも、二週間〜二ヶ月で様子によって再考する。


 とにもかくにも、
 巷の「念押し(固定観念)」からの脱却の勇気を下さった御礼は、深く感謝申し上げたい次第であります。
 ありがとうございました。

 乱筆長文、申し訳ございません。
 世話の時間が来ましたので、ろくに読み返しもせずに、送信致します。ごめんなさい。

ボクチンに似たトラちゃん
ボクチンに似たトラちゃん posted by (C)ボクチンの母

お返事メール:
 おたよりありがとうございます。
 猫ちゃん達の保護活動、ご苦労様です。

 総じて人間様よりも霊性の高い猫ちゃん達を虐待する日本人が多く、実に罰当たりだと思います(苦笑。

 漢方薬の運用方法は、何千年と研究されている人間様に対するものでも、相当に熟練が必要であるくらいですから、猫ちゃん達に時宜にかなった折々のフィットした配合を見つけるのは、はるかに困難を伴う作業だと思います。

 私自身、人間様に対する本業でも、日々四苦八苦する毎日なのですから、ましてや猫ちゃんに対してはまったく自信がありません。

 ご指摘の通り、物言わぬ猫ちゃんの弁証論治は甚だ困難を伴うものと思います。

 ありがとうございました。

2008年8月3日のボクチン4歳
2008年8月3日のボクチン4歳 posted by (C)ボクチンの母

posted by ヒゲジジイ at 00:05| 山口 ☀| 間違いや問題の多い日本の漢方と漢方薬 | 更新情報をチェックする

2014年02月16日

『漢方の臨床』2014年1月号「新年のことば」に掲載文

2008年8月3日のボクチン4歳
2008年8月3日のボクチン4歳 posted by (C)ボクチンの母

虚証と実証の概念

          村田漢方堂薬局 薬剤師 村田恭介

恭賀新年
 新年早々些か気が引けるものの、あまりにも基礎的な部分の問題なので、せっかくの機会だから記させて頂きます。

ネット上でよく見られる虚証と実証の解説について

 先日、久しぶりにネットで「虚証と実証」を検索してみて驚きました。
 実証は「体質強壮な人」で、虚証は「体質虚弱な人」、「中間証」は実証と虚証の中間で、中庸のとれたちょうどよいバランスがとれた状態を指すように書かれている。

 とするなら、日本漢方では「実証」も「虚実中間証」もまったく健康体であり、断じて病態ではないことを指すことになり、唯一「虚証」だけが病態といえることになる。

 とはいえ「虚証」の概念は「体質虚弱」というのではあまりに漠然としすぎているように思われる。
 翻って、現実的な問題としては、多くの疾患は虚証が基礎になって発病しているので「邪の湊るところ、その気は必ず虚す」と言われる。
 それゆえ、ほとんどの慢性疾患は虚実挟雑の証候を呈するはず。

一般用漢方製剤承認基準の手引書でも

 一般用漢方製剤承認基準に増補収載された294処方の解説書『新 一般用漢方処方の手引き』が出版されたという。
 いまだに托裏消毒飲(たくりしょうどくいん)が収載されないことには個人的には残念ですが、ともあれ、相変わらず由々しき問題は虚実の概念。

 各処方について、虚実の概念を体力のみで分類し、それを5段階表示で適応度をポイント化して示唆している。
 T.体力虚弱 U.やや虚弱 V.体力中等度 W.比較的体力がある X.体力が充実

 いったい全体、体力とは何ぞや?

 漢方専門薬局経営40年のキャリアがあっても、生来筆者の頭が悪過ぎるのか、さっぱり理解できない。
 一見して華奢でひ弱そうな女性たちで、いわゆる体力虚弱な人達に、大柴胡湯適応者が五万と存在するので、過去40年間に極めて多数のひ弱な女性達に著効を得ている。

 そもそも、虚実の概念を意味不明な「体力」のみで表現しようというのが土台無理な話ではないだろうか。
 虚弱で食欲もなく胃が痞えてばかりいた女性達が、大柴胡湯で胃がスッキリとして元気になり、体力を回復した人が多い現実がある。

 そろそろ実証と虚証について、これまでのような曖昧で模糊、どうしようもなく漠然とした概念でよしとせず、総力を挙げて綿密な検討を行ってもよいのではないでしょうか。

トラちゃんとシロちゃんとクロちゃん
トラちゃんとシロちゃんとクロちゃん posted by (C)ボクチンの母

2008年8月3日のボクチン4歳
2008年8月3日のボクチン4歳 posted by (C)ボクチンの母

ラベル:漢方の臨床
posted by ヒゲジジイ at 00:00| 山口 ☁| 日本漢方の情けない現状と限界 | 更新情報をチェックする

2014年02月15日

多くの漢方薬局が最低限の基礎理論さえ真剣に学ぼうとしなくなった理由

2008年8月3日のボクチン4歳
2008年8月3日のボクチン4歳 posted by (C)ボクチンの母

 前回までのように関西の若きサムライが漢方界の現状について悲憤慷慨されるのは尤もなことではあるが、そのような情けない現状になったのは大きな理由がある。

 漢方薬というものは、その人にフィットしたかなり正確な弁証論治にもとづいて方剤の必要な配合が決定されるべきものであるから、当然、相談者に直接会って根掘り葉掘りと細かな点まで詳細な病状や病歴、全体的な体質傾向などかなり時間をかけてはじめて可能となる。

 それゆえ、各漢方薬局では昔から勉強熱心な人でなければ開業は不可能とさえいわれたもので、一般薬局からは尊敬と嫉妬の眼を持って見られ、通常の薬局とは一線を画す矜持を持つことができる時代があった。

 ところが昨今では、漢方知識が乏しい人たちでさえ、安易にネット通販を行なえるようになった。

 手間暇をかけた漢方相談の苦労によってせっかく効果が得た途端に、ネット通販業者に横取りされるのではという恐怖心から、必然的に奥深い漢方の勉強に勤しむよりも、いかに客を引き留めて売り上げを伸ばすかという死活問題が大きく浮上して来たのである。

 それゆえ、窮余の一策として漢方薬の方剤名を秘匿した販売方法を取って、相談料を暗に含めたつもりで相場よりもかなり高価な価格で販売する手段を取る漢方薬局すら横行する。

 このような現実を直視するとき、彼等も死活問題であるだけに、批判するだけで済む問題でもないのである。

 必然的に学問に励むよりも、いかに販売していかに利益を上げるかという生活のかかった切羽詰まった状況に追い込まれていることは否定できない事実のようである。

 せっかく苦労してフィットする漢方薬を提供できて喜んだのも束の間、まるで「大阪のおばちゃん」たちよろしく、突然、無音となる。

 効果が出る配合が見つかった途端に現金なもので、もっとも手間暇のかかる弁証論治の苦労だけをさせておいて、さてはネット通販に逃げたなと憶測逞しゅうして、「配合の微調整が必要になっても、二度と相談には乗ってやらないからな!」と意固地になるのが人情というもの(苦笑。

 いずにせよ、漢方薬の勉強に専念できた以前のようなのどかな時代が去って、漢方薬の原料が高騰しているのに、安易に値上げもできないジレンマにも陥っているのが多くの漢方薬局の現状のように推測できるのである。

 ところで病院による保険漢方については、本当の漢方専門薬局にとっては、ぜんぜん脅威どころが上得意さんと言ってもよいくらいで、保険漢方が効かずに辟易して保険のきかない漢方薬局に出向く人が多いのではないかと思われる。
 但し、この推測部分は、もしかして多くの漢方薬局に当てはまるかどうかは?であるが、少なくとも我が薬局では保険漢方があるおかげで漢方専門薬局の存在価値が光っていると思っている。

スコちゃん
スコちゃん posted by (C)ボクチンの母

 
posted by ヒゲジジイ at 00:33| 山口 ☁| とんでもない話や、信じられない困った話 | 更新情報をチェックする

2014年02月14日

前回の続き:関西のサムライから折り返し頂いたメール

2008年8月3日のボクチン4歳
2008年8月3日のボクチン4歳 posted by (C)ボクチンの母

折り返し頂いたメール:ご返信、およびブログへの記載、誠にありがとうございます。

 私の店でお世話をしているお客様も、私と同様に村田先生のブログを毎日欠かさずチェックされている方が多数いらっしゃいます。

 本日の先生のブログで私の名前などはすべて伏せていただいているにもかかわらず、「あれ、●●先生のことじゃないんですか!?」というメールや電話を何件かいただき、ビックリいたしました。(やっぱり分かる人にはわかるんですね。)

 私自身、ない智恵を絞って弁証論治を行い、なぜその生薬が必要なのか、そしてなぜその方剤配合になるのかについては、村田先生を見習って、浅学ながら説明させていただいています。

 嘆かわしいことに、他の漢方薬局や漢方クリニックでは、そのような説明を聞いたことがないとか、どんな薬を使っていたのか教えてさえくれていないという古い体質のやり方を目の当たりにするととても悲しくなります。

 歴代の医家は、病を少しでも良くするために、とてつもない努力をしていたはずです。
 このことは漢方を生業とする人間であれば、誰しもが知っているはずなのに、どうしてこんなノウハウ漢方が主流の業界になってしまったのか、自問自答するばかりです。

 生まれた時代が遅すぎたのかもしれません。

 村田先生が、ホームページやブログでいろいろなことをご教授していただいているすべてを理解する臨床能力は、まだまだありませんが、たとえばインチンコウトウは肝臓へ作用し、肝の血を蔵し、血に深く関与する臓の特性を利用しつつ、アトピー性皮膚炎などの原因となる血分の邪毒を解毒して、それを気分へと浮かび上がらせるルートを活性化し、胆汁として便中に排出することで、血熱を気分熱に変換し、体外への排出を手助けしていると考えています。

 このように正解かどうかは分かりませんが、自分なりの理論を構築し、いつか先生の方剤運用の理論を応用できるように、あきらめずに漢方を勉強していきたいと思います。

 今回は、わざわざ、ブログに掲載していただき、誠にありがとうございました。

 先生とメールとはいえ、コミュニケーションを取れたことに、心から深く感謝しております。

2008年8月3日のボクチン4歳
2008年8月3日のボクチン4歳 posted by (C)ボクチンの母

お返事メール:いえいえ、こちらこそブログへご協力頂き、ありがたいことです。

 昨今のブログの目的は、一年半前に亡くなったボクチンの懐かしい写真を順次貼り付けることとなり、まったく本末転倒している次第です。

 人間は長く付き合えば付き合うほど、互いの欠点が鼻について、離婚という結末を迎える現象が多発していますが(苦笑、
 動物、といっても猫ちゃんやワンちゃんのようなペット類の多くは、長く付き合えば付き合うほど、互いの愛情が深まるばかりゆえ、ペットロスという社会現象が目立つようになったのだと思われます。

 それほど人間という生き物は、ペットにも劣る動物なのかもしれません(苦笑。

 ともあれ、真面目な話として、中医漢方薬学の世界では、ご指摘の通り

>自分なりの理論を構築

 することこそ、最も重要なことだと信じています。

> 本日の先生のブログで私の名前などはすべて伏せていただいているにもかかわらず、「あれ、●●先生のことじゃないんですか!?」というメールや電話を何件かいただき、ビックリいたしました。(やっぱり分かる人にはわかるんですね。)

 というのも面白いですねっ!
 やっぱり世の中は想像以上に狭いようで、大笑いしてしまいました。

 せっかくの面白いお話ですので、今回の往復メールも、茶トラのボクチンの写真とともに、ブログに掲載させて頂きたいと存じます。
 悪しからずご了承下さい。

 この茶トラのボクチン、、難病で通われている人達を励ましに霊界からちょくちょくやって来て、漢方相談のサポートの重要なスタッフとなっているようです。

 ときどき信じられないような劇的な効果が出ているのは、「霊界の漢方系の医療団とボクチンの応援があるからに違いない」などと、村田漢方堂薬局に通っている人達の間で噂になっているほどです(苦笑。

 但し「引き寄せの法則」などという流行の本に惹かれる人達や、あるいは地縛霊が見えるというような、いわゆる低級霊と繋がりやすい人達は、熱しやすく冷めやすい人が多いようで根気が続かず、どうも当方の流儀には向かないようです(呵呵。

2008年8月3日のボクチン4歳
2008年8月3日のボクチン4歳 posted by (C)ボクチンの母

折り返し頂いたメール:今回もブログに載せていただき、ありがとうございます。

 先生のような超一流の漢方の先生に励ましの言葉をいただけると、この道で間違いないという自信とともに、次世代を担う漢方薬剤師として、ノウハウ漢方に埋没することなく精進していきたいと思います。

 先生とメールでのやりとりをさせていただくことは、自分自身にとって、とても幸せなことですが、先生のお仕事の邪魔になってしまいますので、今回をもって控えさせていただきます。

 漢方を勉強し始めたころ、村田先生のブログに本当に衝撃を受けました。

 そして先生のようになりたくて、カイホーカルシウムやササヘルス、キチンキトサンなどをどういう理論で使っているのかを知りたくて、先生が昔に寄稿した漢方の臨床や中医臨床、ウチダ和漢薬など、すべてを購入し読ませていただきました。

 先生が寄稿されたときの年齢は、今の僕の年齢と同じころだと考えると、自分の未熟さを痛感します。

 しかし、先生のブログを見たときの衝撃と、この医学を志したときの初心を忘れることなく、これからも頑張ってまいります。

 また、先生にご報告できるようなことがありましたら、ご連絡させていただきたいと思いますので、そのときにはよろしくお願い申し上げます。

 僕のような初心者の漢方家に丁寧に対応していただき、本当にありがとうございました。

 僕のような初心者ですら、日々の臨床に疲れきってしまう業界ですので、先生はもっと大変な毎日を送られていると思いますので、どうぞご自愛くださいませ。

2008年8月3日のボクチン4歳
2008年8月3日のボクチン4歳 posted by (C)ボクチンの母


ラベル:中医漢方薬学
posted by ヒゲジジイ at 00:00| 山口 ☁| 中医漢方薬学 | 更新情報をチェックする

2014年02月13日

日本の漢方界の現況を嘆く若きサムライからのメール

2008年8月3日のボクチン4歳
2008年8月3日のボクチン4歳 posted by (C)ボクチンの母

ブログへの転載の可否 : ブログへ転載を許可します
年齢 : 30歳〜39歳の男性
御職業 : 自営業
簡単なご住所 : 関西地方
御職業あるいは資格 :薬剤師・鍼灸師

ご意見やご質問をどうぞ : いつも村田先生のブログを拝見し、先生の卓越した技術論に刺激を受けております。先生とは1度もお会いいたことはありませんが、「心の師匠」として尊敬しております。

 私自身は、関西で独学で漢方を勉強しており、孤独感に苛まれながら、今流行のノウハウ漢方には埋没することのないよう日々勉強を重ねております。

 ここ最近では、ノウハウ漢方が業界の大半を占め、30〜40代前後の先生方のほとんどが傷寒雑病論・温病学を読んだことすらなく、ひたすらレベルの低い弁証のみでパンダマークを中心とした漢方を出しています。

 私自身、これから先、30年経って50代後半になったときのこの業界のレベル低下が非常に怖く、漢方という伝統医学が衰退してしまうことのではないかと危惧しています。

 先生にあこがれて、少しでも村田先生のような超一流の漢方家になりたく、先生のように8万冊の書籍を集めることはまだ出来ていませんが、中国の専門書籍を始め、1000冊以上収集させていただきました。

 その中にはもちろん村田先生ご推薦の陳潮祖先生が書かれた本、ウチダの和漢薬、先生が登場しているキチン・キトサンの本、にがりの本、ブログに記載いただいている中国書籍を絶版も含めて、いろいろなルートを駆使して古書として集めて購入させていただきました。

 しかし残念ながら、同年代では誰一人としてそのように勉強している漢方家と出会ったことがなく、孤独に毎日机に向かって、勉強させていただいております。

 また気候風土・体質、そして何よりも資源を大切にする島国の日本では、純粋な中医学は日本にはどうしてもフィットしない部分があることを臨床で数多く経験してきました。

 したがって、生薬量しかり鍼灸の刺激量しかり、日本人の体に合った独特と治療法があり、私自身、先生の提唱する中医漢方薬学に大いに賛同いたしております。
 その治療法と中医学が見事に融合させる先生の考え方にはとても共感しています。

 29歳で漢方薬局・鍼灸院として独立してから6年しか経過していない若輩者ですので、そこまで難病の方が多いわけではないですが、日本に中医漢方薬学がしっかりと根付き、西洋医学だけではどうすることもできない多種多様な疾患をサポートし出来るようになりたいと思います。

 ホームページやブログを読んでいると、先生の治療法などをお教えいただくことはできないということは十分に承知しているので、僕自身も先生の後を追いかけて、自分自身の理論を構築できるように頑張りたいと思います。

 先生のブログに載せるような内容のメールではないことは、十々承知しておりますので、自分勝手ではございますが、村田先生を尊敬する漢方薬剤師として、一度だけでもいいので、連絡を取りたかった次第でございます。
 長文、失礼致しました。

2008年8月3日のボクチン4歳
2008年8月3日のボクチン4歳 posted by (C)ボクチンの母

お返事メール: 過分なお言葉には大変恐縮です。大きな買い被りを頂いて、むしろ恥ずかしく思います。
 ただ、

>ここ最近では、ノウハウ漢方が業界の大半を占め、30〜40代前後の先生方のほとんどが傷寒雑病論・温病学を呼んだことすらなく、ひたすらレベルの低い弁証のみでパンダマークを中心とした漢方を出しています。

 という件は、ご指摘の通りで、漢方系のベテランの外交さんさちもその点について、大いに嘆かれています。

 数十年前は漢方薬局を訪問すると、もっぱら学問的な話が飛び交っていたのに、昨今ではいかにお客さんに漢方薬を売りつけるかっという話題ばかりが目立ち、基礎学力の向上についての話はまったく出て来ない、将来の日本の漢方は絶望的ではないかというものです。

>日本人の体に合った独特と治療法があり、私自身、先生の提唱する中医漢方薬学に大いに賛同いたしております。
> その治療法と中医学が見事に融合させる先生の考え方にはとても共感しています。

 ご賛同頂いて大変嬉しく思います。

 当方のブログは各漢方メーカーさんだけでなく、同業者の人達もよく訪問されるそうですので、ブログに採用させて頂けることは、ありがたいことです。
 猫ちゃんたちの写真を貼る口実にもなりますので、大助かりです(苦笑。

 冗談はともかく、ご指摘の通り、現在の漢方界の銭勘定を優先して、基礎学問を疎かにする現状からは、日本の漢方は衰退すること間違いなしと思います。

 先日も、関東地方からわざわざ、下関市に半年下宿を借りて通い続けるといって来られた人。
 某皮膚疾患にて、地元近辺のパンダ薬局では清熱剤中心で過剰に清熱し過ぎているものの、まだ効果がなかっただけでよかったものの、次に訪問した薬局では顔面の熱症状は冷えが原因であるとて、処方名を秘匿したまま無謀にも真武湯を中心に強烈に温補したために、温熱過剰となり、皮膚疾患が却って重篤化するなど、地元の薬局では恐ろしくて続けられないとか。

 昨年も同じ関東から、10日連続の泊りがけで来られた人は、中医学でも高名な自費の漢方クリニックを歴訪して治らなかったのは仕方がないとしても、某高名な医師からは三ヶ月でギブアップされたと憤慨しておられました。

 当方では時間をかけた弁証論治の繰り返しのお蔭で、三ヶ月目くらいからようやくフィットして、通信販売に切り替えることができましたが、患者さんよりも医師の方があきらめが早いとは、この世の中、どうなってるのだろうと疑問に思うことは多々あります。

 とりとめのない話になりましたが、お若い●●先生のような気骨のある方が、おられることは頼もしい限りですが、昨今では奇特なケースとなっていることは本当にさびしいことですね。

 将来が楽しみです。
 頑張って下さい。

 さっそくブログに掲載させて頂きます(笑。

2008年8月3日のボクチン4歳
2008年8月3日のボクチン4歳 posted by (C)ボクチンの母

ラベル:中医漢方薬学
posted by ヒゲジジイ at 10:47| 山口 ☀| とんでもない話や、信じられない困った話 | 更新情報をチェックする

2014年02月11日

詰めが甘い人たち

2008年8月3日のボクチン4歳
2008年8月3日のボクチン4歳 posted by (C)ボクチンの母

 自己責任の問題だから、言っても仕方がないことではあるが・・・
 また、そのことについて自身に自覚があるかないかも自己責任の問題であるとはいえ・・・

 ある種の頑固な慢性疾患や難治性疾患および進行癌や転移癌など、漢方薬のサポートがうまくフィットして状態がかなり改善したとて、一部の疾患では油断出来ないケースもある。

 頑固な慢性疾患では漢方薬で劇的に好転したところで、油断して服薬を急に減らしたり、中断したりして、その都度再発させて、また相談にやって来ては改善し、また油断して怠り、またやって来て・・・とその都度、もはや同じ配合では効果が出ずに大きな配合調整をする必要が生じていることも多い。

 性懲りなくこれを繰り返しているひともおられるが、当然、自己責任の問題である。

 これが進行癌や転移癌の場合は、同じことを繰り返して取り返しが付くとは限らないので、自己責任の問題とはいえ、こちらとしても実に心臓に悪い持続的な緊迫感を強いられる。

 次に生まれ変わったときには、このような因果な仕事はもうやりたくないかも・・・

 と考えてもみたが、数々の重大疾患がこちらの漢方薬のサポートで互いに苦労をしながらも何とか治って少しは喜んでもらえたかもしれないことを思い出すと、やっぱり次に生まれ変わっても同じような仕事をやるかもしれない。

 でも、本音を言えば、二度と地球上のような悪に支配された三次元の世界には生まれ変わりたくない。

 あの世のような四次元以上の光り輝く世界で、ボクチンと再会したあと、おいおいに過去に飼った多くのネコちゃんやワンちゃんたちとも再会して、静かな草原に建つ我が家でのんびりと永遠に暮らせることを望んでいる(笑。

2008年8月3日のボクチン4歳
2008年8月3日のボクチン4歳 posted by (C)ボクチンの母


posted by ヒゲジジイ at 14:39| 山口 ☁| 繊細でデリケートなヒゲジジイ | 更新情報をチェックする

2014年02月10日

コリン性蕁麻疹が治った人がいますか?

2008年8月3日のボクチン4歳
2008年8月3日のボクチン4歳 posted by (C)ボクチンの母

 当方のブログを見て来たという男性からのふざけた質問である。
 ブログを見たなら書いていただろう、というと「見なかった」という。

 それならと、通常の蕁麻疹と違って容易に治るとは限らないので、はいサヨウナラと言いたいところである。

 この質問を思い出して名案が浮かんだ。

 〜〜〜が治った人はありますか? という類の質問を受けた場合、たとえば腰痛やアトピー性皮膚炎などありきたりな疾患などでも、すべて「いえ、一人も治った人はおりません」と答えるのが最高の返事であることに思い至った。

 というのも〜〜〜が治った人はありますか? という質問を投げかけること自体、及び腰の証拠であり、いかにも怪訝そうである人達ばかりだから、変なプライドを出すよりも、申し訳ないが治った人は一人もおりません、と返事して撃退するに限るのだろう。

 昨今、私的なことで心身ともに仕事にまで影響し始めた悩ましいことが続いていた。

 親が急病で臥せっても何の役にも立たない愚息や愚娘、とりわけ愚娘のごときは、しばしば学会(専門分野の医学会)に行くから孫を頼むと押し付けられることが昨今頻繁で、その癖、親の健康に対する配慮も心遣いも皆無である。

 そのためこちらの負担が極限にまで達したので、てめ〜らのマニアックな研究のために、親に余計な負担を押し付けるなと、引導を渡したところである。

 だからというわけではないが、というよりも、やっぱりそれだからこそ、仕事上でも逆撫でするようなばかげた質問を寄越す問い合わせには、少しでも無駄な労力をかけずにお断りする工夫が必須となっている。

2008年8月3日のボクチン4歳
2008年8月3日のボクチン4歳 posted by (C)ボクチンの母


posted by ヒゲジジイ at 08:06| 山口 ☁| とんでもない話や、信じられない困った話 | 更新情報をチェックする

2014年02月08日

この悪天候というのに、いつもの半ドンの土曜日以上に混雑してビックリ

2008年8月3日のボクチン4歳
2008年8月3日のボクチン4歳 posted by (C)ボクチンの母

 本日は霰が積もったくらいだから、発送の注文だけで来客者はほとんどないだろうと高を括っていたら、とんでもない!
 70代になった男性の常連さんを手始めに、とうとう80歳になってしまった常連の男性も来られたが、三つの癌を当方の漢方薬でサポートしながらすべてを克服されている。

 やや耳が遠いので互いに大声で話している間に、待合の椅子に次々に訪れ、中には12時過ぎて出直して来ると外に出直された人もある。

 そうこうするうちに12時前というのに「おはようございます!」といって元気よく入って来た男性。
 この時間に「おはよう」はないだろうと苦笑。
 さっき起床したばかりに違いない。やや寝ぼけ顔である。

 こうしてみると男性ばかりが続いているようだが、実際にその後もさらに男性が続いたが、「おはよう」の男性の前にも、なかなか話が噛み合わない二回目の男性が来られていた。

 でも、実際には三十年近い常連さんや猫ちゃんを可愛がるお馴染みさんの女性も来られていた。

 いつもならスコちゃん(スコティッシュフォールド)ファンのこの女性のために、いつもは店内に連れてくるのが習慣だが、アトピーの人も待合の椅子で待たれているので、残念ながら連れてくるのを遠慮した。

 多くの場合、アトピーに猫はご法度だから。

 そのほかにも男性たちが訪れているが、いつも以上に混雑した土曜日だった。

 ともあれ、関西のおばちゃん連中(京都や大阪)は、ピントが合いだすと途端に音信不通になった人が続いているが、これがあの連中の現金なところだから、もはや慣れっこになっている。

 ピントが合ったからといって、今後もそのままの配合でいけるとは限らないのに、考えが甘いのは自己責任の問題だからお好きにどうぞっ。

 漢方薬は一度ピントが合えば、それで最後まで完治すると考えるのはあまりに浅はかで、多くの慢性疾患は一年四季折々の状態をしっかり観察して、状況に応じた微調を行う必要があるの常識である。

シロちゃんとトラちゃん
シロちゃんとトラちゃん posted by (C)ボクチンの母

posted by ヒゲジジイ at 16:40| 山口 ☀| 漢方と漢方薬関連の御質問 | 更新情報をチェックする

2014年02月07日

信用ならないのは「科学」なのか?それとも「科学者」なのか?

2008年8月2日のボクチン4歳
2008年8月2日のボクチン4歳 posted by (C)ボクチンの母

 ヒゲジジイが小学生の頃は、富士山は「死火山」であり、今後永遠に噴火することは絶対にないと教わっていた。

 ところが、いつのまにか学術的見解の変更があったとかで、日本列島には「死火山」はあり得ないということになって、富士山は「休火山」となり、死んでいたはずの山が生き返ったのである。

 医学の分野でも、味噌汁を摂り過ぎると胃癌になりやすいと言われていたが、昨今では味噌が問題ではなく、塩分の摂り過ぎが問題であると変更された。

 医学の分野ではエビデンス(科学的根拠)が最も重視されているが、昨今も某高血圧治療薬で頻繁に行われていたデータの改竄問題がある。

 これにしても、死んでいた富士山を生き返らせた科学者たちのように、「科学者は信用ならない人種」であるという仮説を真説に変更可能とする根拠の一つとして重要な興味深いデータとなったはずである(苦笑。
 
 翻って、漢方薬にはエビデンスがないから信用ならないと公言して憚らない医師たちが多いが、そもそもエビデンスとされるものが、すべてが信用できると思ったら大間違いである。

 エビデンスには科学者たちによって恣意的に捏造されることがあり得ることも常に疑っておく必要がある。

トラちゃんとクロちゃん
トラちゃんとクロちゃん posted by (C)ボクチンの母

ラベル:エビデンス
posted by ヒゲジジイ at 07:47| 山口 ☔| とんでもない話や、信じられない困った話 | 更新情報をチェックする

2014年02月06日

慢性精巣上体炎(慢性副睾丸炎)や前立腺炎など、あるいはそれらの類似疾患

2008年8月2日のボクチン4歳
2008年8月2日のボクチン4歳 posted by (C)ボクチンの母

 ここ数年、タイトルのような疾患で相談に来られる男性たちがやや目立つ。

 「あるいはそれらの類似疾患」と書いたのは、病院治療では診断もあやふやで、治療効果もないために5ヶ所以上も回って、挙句に漢方薬局に数ヶ所歴訪しても埒が明かずに、ようやく当方に辿り着いて改善が得られたケースもある。

 副睾丸炎にしても前立腺炎にしても、これらと紛らわしい類似疾患があるものの、こちらにとっては治らなかった病院で付けられた診断名は参考程度にしかならない。
 同一人でありながら、各病院ごとに病名が異なるのだから、どれもあてにならないということである。

 それでも、一時的には抗生物質で効果があったものの、それも一時的で、その後はあらゆる種類の投薬を受けてもまったく効果が得られないで、医師たちも匙を投げ加減になってしまったケースも多い。

 そのような中ではっきりと慢性精巣上体炎(慢性副睾丸炎)と診断が下っているのに、抗生物質による一時的な効果で、その後はあらゆる投薬によっても改善できず、とうとう完全に医師から匙を投げられた男性の相談を受けた。
 
 片方の睾丸だけの疼痛だったのが、昨今では両方に疼痛が及んで、腿にも波及するとても不愉快な疼痛が波打ちながら長期間続いているという実に悩ましい相談である。

 ところが誰もが思いつくような常識的な方剤である竜胆瀉肝湯に抗菌中草薬を併用してもらったところ、ほんの2〜3日で疼痛が激減してほとんど雲散霧消してしまったと大喜びである。

 漢方薬は半年以上飲まないと効かないものと思い込んでいたが、こんなに即効が出るとは意外だったといわれるので、誤解も甚だしい。

 ピントが合っていれば、多くは10日以内になんとなくでも効果を感じるものであるが、このように数日以内で超速効が出た場合は、警戒を要する。

 そのうちまた症状が波打ちながら出て来ることが多いので、その場合でも決して落胆しないように重々念押ししておいたが、根本的に根深い場合が多いので、いわゆる「根治」するには半年以上かかるのは当然のことだから、油断しないように念押ししておいた。

 前立腺炎なども含めて、いくら即効があっても、複雑な配合によっても、本当に意味での根治までには数年以上もかかる例も珍しくないのである。

 数日以内の速効が出た場合でも、同様である。

 ともあれ、今回のような常識的な方剤と抗菌中草薬だけで超速効があっても、実際にはまだまだ完全な配合になってはいない場合が多く、遅かれ早かれ瘀血を除去する方剤や中草薬の併用が必要になるケースがほとんどなのである。

99歳で亡くなった伯父のお通夜に出かけている間、皆が塊って不安そうに待っていた
99歳で亡くなった伯父のお通夜に出かけている間、皆が塊って不安そうに待っていた posted by (C)ボクチンの母