2013年10月31日

難病を克服しつつあるのに死を恐れるご高齢者との珍問答

IMGP1926
2013年10月30日のスコちゃん posted by (C)ボクチンの母

 3年前だったか、ご高齢ながらネットでみずから調べて意欲的にやって来られたご高齢の男性。
 某内臓疾患で西洋医学的には不可逆的な疾患であるため、ご本人は過度に死の恐怖に怯えておられた。
 
 たしかにその疾患は進行すれば危険な疾患ではあるが、過去にも多くの実績のある疾患であるので悲観するには及ばないこと、ほどほど経費はかかるが、やる気でやれば、少なくとも進行を止めるくらいのことはできるかもしれないし、うまくいけば完全寛解に近いレベルに到達する可能性があることを伝えていた。

 通常であれば、80歳を超えようかという年齢層の男性は、まことに失礼ながら当方のような繊細で綿密な弁証論治の世界に参入不可能な人たちがほとんどである。
 ところが、この男性の場合、ご高齢でありながらもみずからPCを自由自在に操って、当方のHPやブログ類をしっかり理解されて来られるほどの知性を維持されておられたので、中年の聡明な人たちと同レベルの以上の理解力をお持ちだと思われた。

 結果、一年足らずでほぼ完全寛解に近い状態に到達してその後2年以上、まったく安定した状態が続いているものの、おりおりに話される死の恐怖が克服できないとお悩みである。

 そこで、ヒゲジジイが
「私などは、いまからあの世に行くことが楽しみでしかたがないですよ。
 あちにらに行けば、1年前に亡くなった愛猫のボクチンに会えると思うと、実に楽しみだな〜。
 人間の魂は永遠不滅なんですよ〜っ。
 あの世の真実を知ってごらんなさい、先にあの世に帰えられた親族や友人には必ず再会できるし、可愛がったペット達にも再会できる。
 おまけに病気のない世界だから、それはそれはこの世とは違って、想像を絶するほど美しくて楽しいところなんですよっ!」

 と本音と真実を披露したところ・・・
まったくウイットのあるご老人で、
「それでは皆に早く死ぬことを奨励するということですなっ?!」

「とんでもない!!! この世で清く正しく美しく生きてこその報いであって、故意に寿命を縮めたり悪の道に染まった人たちは真逆の報いが待ってますよっ!」

 と答えたものの、果たしてヒゲジジイの日頃の毒舌に対する報いは大丈夫なのだろうか(呵呵。

2007年3月14日のボクチン(2歳半)
2007年3月14日のボクチン(2歳半) posted by (C)ボクチンの母

ラベル:あの世
posted by ヒゲジジイ at 21:03| 山口 ☁| 漢方相談室での談話風景 | 更新情報をチェックする

2013年10月29日

薬剤師を侮辱する人達

2007年3月14日のボクチン(2歳半)
2007年3月14日のボクチン(2歳半) posted by (C)ボクチンの母

 村田漢方堂薬局の漢方薬利用者にはタイトルのような不遜な人は皆無であるが、昨今、同じ薬剤師ながら調剤薬局の経営主と親しく話す機会があって驚いた。

 病院の不満がすべて調剤薬局の薬剤師に転嫁されるというわけではないだろうが、不遜な患者さんたちが多いのには相当辟易とされていた。
 お相手が病人さんたちであることで、八つ当たりされる気持ちは分からぬでもないが、この日本国にあって、ここまでひどいとは日本もこれで終わりだなっと思ってしまう酷さである。

 金を投げつけるように侮辱的で不遜な患者さんはあとを絶たず、てめ〜ら半分は公務員のようなものだから、もっとサービスに気をつけろっ!と怒鳴られたり、日々、様々な患者さんたちにどうしてここまでコケにされなければならないのか? まるで虫けらのような扱いであるという。

 日本国内ではあるまじき状態は、地方にもよるものかもしれないが、村田漢方堂薬局では絶対にあり得ない話である。
 調剤薬局では処方箋応需の必然性により、無礼な患者さんを謝絶することは出来ないだろうが、自費の漢方薬局の場合は、クレーマー予備軍に薬を販売することはあとあとが大変だからと、あらゆる最もな理由を提出して謝絶することが可能である。

 たとえば初めての問い合わせに、わざわざ休日を狙って図々しくも、薬局だから応対するのが当然のようにかけてきて、恩着せがましい要求や、押し付けがましい要求を執拗に繰り返される勘違いも甚だしい人には、あとあとのことを考えて、あらゆる理由を提出してお断りすることに専念する。

 いくら病人さんだからといっても、過度な特権意識を持たれる人との接触は断じて御免蒙る。

 図々しく日曜日に問い合わせの電話を当然のごとくかけて来る人達に限って、世の中の常識を弁えず、やんわりとお断りしたくらいでは承知せず、日を置いて繰り返し何度も執拗にかけて来る傾向があるので、始末に負えない。

 ともあれ、同じ薬剤師とはいえ、調剤薬局のストレスの内容は、こちらのストレスとは微妙に異なるのは仕事内容の違いがあるので当然とはいえ、自費の漢方薬局ではイヤな客には売るな!という教訓を実践することが可能なだけ、しあわせかもしれない。

 こちとら62〜63歳の老人夫婦が既に40年間も経営する草臥れ果てた時代錯誤に近い漢方薬局である。
 もはや体力的にも精神的にも忍耐の限界がある。

 いまさら年下や、たとえ年上であろうが、ずうずうしくも恩着せがましく休日や日曜日に電話をかけてくる非常識な新人さんは、最低限のマナーすら守れないクレーマー予備軍と解釈して、絶対に受け入れることはあり得ない。

  このように繰り返し書いても、一部の病気をかかえる特権意識階級の人たちには、まったく馬耳東風で、わざわざ人の休日や土曜日の午後を狙って電話を繰り返しかけてくる不遜な連中が後を絶たないのである。

2007年3月14日のボクチン(2歳半)
2007年3月14日のボクチン(2歳半) posted by (C)ボクチンの母


ラベル:薬剤師 調剤薬局

2013年10月23日

内歯瘻(ないしろう)に千金内托散(せんきんないたくさん)

2007年3月4日のボクチン(2歳半)
2007年3月4日のボクチン(2歳半) posted by (C)ボクチンの母

 最近、小太郎漢方さんから千金内托散というやや特殊な方剤が新発売された。

 千金内托散の製造許可が取得できるくらいなら、托裏消毒飲(たくりしょうどくいん)こそ、と思うのはヒゲジジイだけではない?と思うのだが、漢方後進国の日本では千金内托散と同等以上に重要な托裏消毒飲の製造許可を取得することは不可能なのだから、話にならない。
 それが可能なら、とっくの昔に小太郎さんがやってくれていること間違いない。

 歯がゆい愚痴はともかく、タイトルのようにしばしば見られる歯科領域の疾患である内歯瘻(ないしろう)に悩む常連さんに使ってもらったところ即効を得た。

 歯茎の下部に米粒くらいの白い膿を持った袋を形成しては潰れて排膿し、いつまでもこれを繰り返すので気になって仕方がないので、何とかしてくれとの依頼ゆえ、この千金内托散の連用半月でほとんど消滅してしまったが、治療を徹底すべくさらに連用されている。

 この内歯瘻というのはウィキペディアによると
歯の根尖部にできた病巣から口腔粘膜に形成された交通路(瘻孔、フィステル)の事。根尖病巣内に溜まった膿が歯槽骨の中を通り、歯茎の表面に出てきている状態で、歯髄壊死の診断の一助ともなる。
とあるように、実にしばしば見られる口腔内の疾患で、鈍感な人なら、いつまでも気がつかないで放置して、気がついたら抜歯せざるを得ないほど悪化していく場合もあ。

 【効能・効果】体力虚弱で、患部が化膿するものの次の諸症:化膿性皮膚疾患の初期、痔、軽いとこずれ

 とあるが、現実には適応すれば、耳漏や痔瘻の各種慢性化膿性疾患や、やや特殊な領域ではクローン病などにも応用される重要な方剤である。

 類証鑑別が必要な方剤は托裏消毒飲であり、十味敗毒湯や荊防敗毒散が適応する状況とは大きく異なる。
 千金内托散や托裏消毒飲が必要なときに、十味敗毒湯や荊防敗毒散で代用することなどはまったく不可能である。

 前者の2方剤の共通性は黄耆・当帰が配合されており、それゆえに方剤名にも内托といい、托裏というのはこのためである。
 後者の2方剤は荊芥が配合されており、それゆえに方剤名も両者とも敗毒(毒を消す意)が共通している。

2007年3月4日のボクチン(2歳半)
2007年3月4日のボクチン(2歳半) posted by (C)ボクチンの母

ラベル:内歯瘻
posted by ヒゲジジイ at 23:39| 山口 ☔| ウイルス感染や細菌感染(痔瘻や各種歯科疾患など) | 更新情報をチェックする

2013年10月20日

漢方を否定し続けていた某大学病院が漢方外来をはじめたなんて、あまりにも節操がない

2007年3月3日2歳半のボクチン
2007年3月3日2歳半のボクチン posted by (C)ボクチンの母

 咽頭癌のなかでも最も性質のよくない下咽頭癌で肺転移のある患者さんが手術不能とて、当方の漢方薬類の服用と放射線で原発巣は完全に消失していたものの、その途中には右肺下部の小さな転移病巣が消えないまま2年経過。

 経過がよいのを喜ばれた患者さんが、大学病院の主治医に漢方薬を服用していることを打ち明けると、漢方薬はまったく信用できないとケンモホロロであった。

 体調は良好ゆえ、大学病院の主治医の強い説得で抗癌剤点滴治療を行うこととなったが、激しい副作用のため数ヶ月間歩行困難になるほど弱りきって九死に一生を得た心地だった。

 患者さんは主治医に否定されながらもひたすら漢方薬を続けたおかげか、一年後にはしっかり体力を回復したのをよいことに、大学病院の主治医はまたぞろ抗癌剤の点滴治療を強引なほど勧誘される。

 さすがに地元の主治医はもはや抗癌剤治療は受けるべきではないと患者さんを説得するのだが、患者さん本人自身が大学病院の主治医に説得されてしまい、一年ぶりに危険な賭けに打って出た。

 ところが、誰もが想像に難くないように、今度のダメージは大きく抗癌剤点滴投与後、激しい体力の消耗が続いたのち3ヶ月後には爆発的な勢いで脳転移が出現して、その後はさすがの漢方薬も何のサポートにもならなかった。

 この大学病院は数年前まで、あらゆる領域の各科の医師たちが漢方薬を目の敵にして否定し続けた珍しくもあっぱれなほど徹底的な漢方否定論者の医師集団であった。

 ところが、驚いたことに昨今は漢方外来を始めて予約者殺到で、超人気だそうだっ!

 ここに通って治らなかった人たちが何人も当方に相談に訪れる昨今、この大学病院の医師たちの節操のなさには唖然としてしまう。

 教養あるべきはずの医師達でさえこのようであるのだから、まったく人間なんて信用ならない動物である。

 猫ちゃんたちのほうが裏切ることなく、人間様よりはるかに信用がおけるのである。

2007年3月3日2歳半のボクチン
2007年3月3日2歳半のボクチン posted by (C)ボクチンの母

 
posted by ヒゲジジイ at 22:17| 山口 ☀| 医者の常識は世間の非常識 | 更新情報をチェックする

2013年10月16日

ある種の更年期症状に対する桂枝加芍薬湯の有用性についてのおたより

2007年3月3日2歳半のボクチン
2007年3月3日2歳半のボクチン posted by (C)ボクチンの母

おたより:東海地方の美人薬剤師

 お久しぶりに、更年期まっただ中で、考えてみたことをお伝えしてみます。

 更年期症状についての考察

 私の側には、やはり同年代の方が集まりやすく、更年期の症状で汗をかいては、お互いに盛り上がることが多いです。
 そんな中で、月経が遅れて3ヶ月ほど到来しないのと同時に、つわりのようなムカムカ症状が現れ、食欲がなく美味しく食べられない。

 友人からは、”妊娠したんじゃないの?”とひやかされるし、思い当たらないわけでもなく、まさかの妊娠不安を味わっている・・・というご相談がけっこうあるんです(苦笑)

 更年期であるかどうかにかかわらず、月経の到来がないと、更年期に似た症状やつわりに似た症状が出てくることがあります。
 その代表的なものが、高プロラクチン血症です。

 プロラクチンは、乳汁を分泌させるホルモンで、妊娠中や出産で分泌されてくるものですが、ストレス等でホルモンバランスが乱れてそうでないときに分泌されることもあり、それによって月経が止ることがあります。

 これを中医学的に考えると、五臓六腑の余血は、衝脉につながっており、これが満たされると溢れ出して月経が始まりますが、月経が止るということは、衝脉の気血津液が満たされていないか、あるいは帯脈の開閉がうまくいかずに、衝脉にたまった気血津液が行き場を失い、衝脉とつながっている胃経に逆上し、吐き気、ムカムカ、食欲不振、げっぷ、腹部膨満感を起こすと考えられます。
 また、胃経は乳房につながっているために、乳汁として分泌されてくると考えられます。

 高プロラクチン血症の漢方薬では、芍薬甘草湯がよく用いられますが、これは甘草のグリチルリチン酸が、ドーパミンレセプターを介してプロラクチンを抑制することや、勺薬が肝陰を補い衝脉血を滋養することに起因すると思われます。

 ただ、更年期の閉経には、経験的に桂枝加芍薬湯の方が同様の症状に効果を上げています。
 桂枝加芍薬湯は、一般的には”しぶり腹”の薬ですが、陰陽の調和作用があり、営衛不和に起因する、突然の不愉快な発汗、そして帯脈の調整作用がある勺薬が働き、腰回りの神経的な違和感(痒み、痛み、ゾワゾワ感)によく効いています。
 白勺薬は、ホルモン系、神経伝達物質の調整に何らかの関わりがあるようです。

 また、突然の突き上げるようなのぼせ、発汗発作には、合谷+太衝の四関穴治療よりも、衝陽+合谷で気を巡らすのがよいようです。
 やはり胃経との関連ですね・・・。

 研究すればするほど、面白いですね・・・こんなに楽しめるのなら、自分の更年期も悪くないかも・・・と思っています(笑)

2007年3月3日2歳半のボクチン
2007年3月3日2歳半のボクチン posted by (C)ボクチンの母

お返事メール:

 ブログへのご協力、いつもありがとうございます。
 昨今、村田漢方堂薬局ではパソコンをwindows xpからwindows 7へ総入れ替えするのに大忙しです。
 5台入れ替えて、明日にはもう1台入れ替えて、すでに入れたものを加えると7台体勢です。以前は9台体勢でしたが、2台ぶっ壊れてそのままで、入れ替えは合計7台で十分な体勢のようです。

 ところで桂枝加芍薬湯の興味深い運用方法、面白く拝見しました!
 とても参考価値の高い内容で、機会がありましたら追試させて頂きたいと存じます。

 当方で最近、桂枝加芍薬湯を利用しているのは、ご他聞にもれずに過敏性大腸炎や開腹術後の癒着症状に対する緩和目的で、それ以外になるとクローン病の人に、清熱舒筋の方剤と板藍根に、この桂枝加芍薬湯を併用してもらって、一定の効果を得ていますが、やはり腸に関連した疾患への応用に終始しています。

 と、どうも新しいパソコンは、配列が微妙に異なって、まだ思うように入力することが、できません(苦笑。
 いつになく(いつもながら?)お返事を書くのに打ち損じばかりしています。

2007年3月3日2歳半のボクチン
2007年3月3日2歳半のボクチン posted by (C)ボクチンの母


posted by ヒゲジジイ at 23:48| 山口 ☀| 更年期障害・自律神経失調症や不定愁訴症候群 | 更新情報をチェックする

2013年10月14日

転移を伴う胆管癌や胆道癌にしばしば投与されるTS-1による副作用の有無

2007年3月3日2歳半のボクチン
2007年3月3日2歳半のボクチン posted by (C)ボクチンの母

 昨今、胆管癌や胆道ガン(原発がどことは断定できない)で、周囲に一定の転移がみられる人たちの漢方相談が偶然続いている。

 お二人とも手術不能で、TS-1が投与されているが、お一人はまったく副作用がなく食欲良好。
 しかしながら、お一人は吐き気止めが出ていた3日間はなんともなかったが、吐き気止めがなくなった途端に激しい食欲不振と悪心に見舞われだした。

 もともとTS-1の副作用は多彩なものであるが、わけても食欲不振や悪心・嘔吐といった消化器系の副作用はかなりな確率で生じるものとされている。
 実際にこのために服薬を中止しても疼痛まで勃発し、食欲不振や悪心のために食事も摂れずに、却って免疫力を低下させ、運が悪いと踏んだり蹴ったりのように思えてならない。

 いまさらながら近藤誠氏の固形癌に対する抗癌剤の投与に否定的な見解が思い出される。

 ともあれ、先月のステージ4の肺腺癌の人たちのように、喜ばしい共時性(シンクロ)を期待したいところである。
2013年09月14日肺腺癌ステージ4のお二人に生じた共時性

2007年3月3日2歳半のボクチン
2007年3月3日2歳半のボクチン posted by (C)ボクチンの母
 

2013年10月13日

休日の日曜日というのに、初めての電話の問い合わせで、おたくの名前は?とは何ぞやっ!

2007年3月3日2歳半のボクチン
2007年3月3日2歳半のボクチン posted by (C)ボクチンの母

 最近、どこの病院の漢方科(五箇所くらい)で投与されても症状が却って悪化するばかりで、地元の自費の漢方薬局にも行ってみたが、やはり却って悪化するという人がやや遠方から来られた。
 ところが意外にも、肝胆の湿熱が存在するはずなのに、茵陳蒿湯ですらなおさら悪化するとて、こんなに早く悪化するのははじめてだと言われ、こちらは意外な反応に呆然。
 それでも通いたいとおっしゃるので、悪化するために通われたのではまことに申し訳ないので、ご勘弁をお願いした。

 数年以上まえだったか、高名な漢方専門の医師のところを何軒もはしごして、いずれのところでも却って症状が悪化するという人が遠方から来られたが、当方の漢方では茵蔯蒿湯だけは少しよくて、それ以外の方剤はすべて失格だといわれ、通うのを断念してもらったことがあった。

 40年間の漢方相談の経験上では、ほんの数例しか遭遇しなかったとはいえ、どこの漢方薬を飲んでも却って症状が悪化するといわれる人では、当方の漢方薬も同様な反応を示された。
 
 一方、どこの漢方薬を飲んでも効かなかったという人の場合は別で、このような人達は40年間に多数おられたが、そのほとんどは弁証論治の苦労の末、めでたく奏功した例は枚挙に暇がない。
 
 本題の前に、最近あった困った例を書いてしまったが、タイトルの問題も電話で問い合わせる人達で折々に遭遇する実に困った問題である。

 はじめての人が平日に電話で問い合わを受ける場合でも、迷っておられる証拠とみて、ほとんどをお断りしているのに、なおさら日曜日のような休日に初めての電話をかけて来られる人は、マナーをわきまえない人として必ず全員をお断りしている。

 ましてやなおさら、本日のように昼寝から覚めたばかり。
 寝ている最中にエアコンが効き過ぎてガタガタ震えていた最中に不意を突かれた問合せ電話。
 ネットで調べた家族に奨められたとのことなので、なおさらお断りの返答を繰り返していると「おたくの名前は?」などと訊かれて、いっぺんに興ざめ。

 こちらの薬局の名(あるいはヒゲジジイの名?)を知らずに電話をかけるような人は、絶対に来ないで下さいよっと強く念押しして、受話器を置いたのだった。

 なお、最近は開店休業のブログだが、当時のお断りの事例集としてのブログ 漢方と漢方薬の将来のために 直接来局の方、あるいは電話のお問合せで、漢方薬販売をお断りした事例集 にお断りせざるを得なかった様々なパターンを記載している。

 お断りの事例集だけでも、書くほうに飽きが来なければ実例は無数に存在する。
 一定レベル以上は妥協しないお陰で、真剣で真面目な人たちの漢方相談にじっくり時間をかけることができるのであって、そうでもなければ新しい人達の相談にそれぞれ1〜3時間もかけた仕事ができるものではない。

 要するに最低限のマナーが守れない人には、最初からお断りである。

2007年3月3日2歳半のボクチン
2007年3月3日2歳半のボクチン posted by (C)ボクチンの母


 
ラベル:無礼者

2013年10月11日

昨日木曜日は台風一過、午前中は男性ばかりが続いたが・・・

2007年3月3日2歳半のボクチン
2007年3月3日2歳半のボクチン posted by (C)ボクチンの母

 昨日木曜日の午前中は、朝から20〜30代の若い年齢層の男性ばかりが続いたが、若い年齢層でも一定レベル以上の疾患の悩みだけに皆さん本当に熱心。
 熱心なるがゆえに、それぞれ一定の効果が出ているのは喜ばしいことである。

 泊りがけで遠いところ(関東)から一年近く通って来られている男性が、疾患としてはもっとも軽症といえるのが、他の人達は県内や九州から通って来られている期間は長短さまざまとはいえ、一定レベルの比較的重大な疾患である。

 うっとおしい男性ばかり続いた後は、こんどは新人さんも交えてイヤになるほど中年女性ばかりが続く。
 なかには生まれる前から知り合いの八十代の昔のお嬢様も「あの世の話」を聞きがてら、常用されている漢方薬を補充に来られたが、先客がおられるのに遠慮されて早々に引き上げられた。

 けっきょくこの日は、遠方の発送注文も多く重なって遅い昼食後はがっくりと疲労が出て倒れこみたいところに休む暇もなく、数年ぶりに再発したアトピーの中年女性の応対に出て、2度目の牛黄製剤を服用して何とか生き延びた。

 こんな日が毎日続くと、間違いなく数日後はあこがれのあの世に行けるだろうな〜とあらぬ期待をしてしまうのだった。

 さいわいにも本日は、昨日の反動で、ゆったりと暇な時間がとれて、この時間にブログを更新する気にもなれた。
 ボクチンの思い出写真を貼るのが第一の目的ではあるがっ。

2007年3月3日2歳半のボクチン
2007年3月3日2歳半のボクチン posted by (C)ボクチンの母



posted by ヒゲジジイ at 16:44| 山口 ☔| 近況報告 | 更新情報をチェックする

2013年10月09日

パニック障害に対する超速効の功罪

2007年3月3日2歳半のボクチン
2007年3月3日2歳半のボクチン posted by (C)ボクチンの母

 持病に膠原病による微熱の持続があって、動悸や呼吸困難を伴う不安発作、いわゆるパニック障害に悩み、友人に連れられて来られた女性。
 不安発作が生じると、血圧が200以上に達したことも珍しくない。

 これまで病院治療のみならず、薬局で相談して外見が金の玉様の牛黄製剤を常用されていたが、一定の頓服的効果はあっても、いつまでも同じ不安発作を繰り返している。

 そこで当方では、膠原病に対する活血祛風除湿の方剤とともに、柴胡加竜骨牡蠣湯と、牛黄を含有した金の玉とは配合内容の大幅に異なった製剤を併用してもらった。

 半月を経ずして微熱がほとんど出なくなり、病院で投与されていたステロイド1mgが0.5mgに減らしてもらえた。
 不安発作も頻度が激減し、血圧が100を切るくらいに下がって来たので、柴胡加竜骨牡蠣湯は中止してもらった。

 1ヶ月経つ頃には、漢方薬2種類を飲み忘れることが頻発するほど調子がよくなり、たまに生じる不安発作の兆しがあるときに牛黄含有の製剤を頓服的に服用すればすぐに解消するといわれる。

 わずか1ヶ月間であまりの速効ぶりに、むしろこちらでは不安を覚えるのである。
 というのも、根治を目指して1日3回常用されているのであればともかく、自覚症状が皆無な状況が続くにつれて、服用回数があまりに激減しているからである。

 ご本人の言い訳は、不安発作のみならず膠原病に対する漢方薬も、症状がなくなったら飲むのを休んだほうがよいものとばかり思っていました、ということであったが、本当にこのような理屈が成り立つとでも思っているのだろうか?

 世の中には理解に困しむ思い込みがさまざまに流布しているようだが、ばかばかしくって説得する気力も失せてしまう。

 もしも激しく再発しても、ここまで効かせてあげたのだから、あとは自己責任の問題である・・・

 といっても、このような杜撰な飲み方をしていても、結果的には本当にほぼ根治してしまうケースがたまにはあるので、その場合はそれはそれで大変結構なことですけどね。

2007年3月3日2歳半のボクチン
2007年3月3日2歳半のボクチン posted by (C)ボクチンの母


2013年10月08日

クローン病は潰瘍性大腸炎と同類の疾患とはいえ

2007年3月3日2歳半のボクチン
2007年3月3日2歳半のボクチン posted by (C)ボクチンの母

 クローン病は潰瘍性大腸炎と同類の疾患とはいえ、後者は炎症が大腸に限定されるが、クローン病では大腸から小腸など広い範囲の消化管に炎症が勃発する。
 また炎症範囲が後者では粘膜層に留まるが、クローン病では腸管の筋層まで炎症が達する。

 このような困難な疾患でも、過去の潰瘍性大腸炎の相談事例で得た多くの寛解例をヒントに、若いご相談者と互いに奮闘努力の甲斐あって、まず微熱が軽減して、CRPもやや低下して体調も少し持ち直している。

 ほどほど遠方の人であるので通うのは無理ではないかと心配していたが、昨今では10日毎に通うのを楽しみにされているくらいだから、少しホッとしている。

 といっても初期に附子瀉心湯をヒントにした去大黄の清熱剤とともに併用してもらってよく奏効した真武湯が急転直下で謀反を起こし、急遽、桂枝芍薬湯に切り替えてことなきを得たが、附子剤が必要な時でも、多くの場合、延々と使うのは危険で、油断していると激しく熱化をもたらす。

 日本の漢方界でも病気の原因は冷えであると短絡的に断じる考えがブームとなっているようだが、これほど危険なことはない。

 病気の原因は複雑多変であるから、適材適所で適宜臨機応変にその時点における病機をしっかり把握する必要がある。
 たとえ寒証が主体にみえても、附子剤を延々と投与していると、急転直下、激しく熱化する場合もあることを忘れるべきではないし、また熱証が主体にみえても、急転直下、寒証が主体に入れ替わることも珍しくはない。

 ともあれ、まだまだ油断ができない状況ではあるが、関東から通って来られた乾癬性関節炎という難治性疾患を過去の豊富な関節リウマチの根治例や寛解例の経験を元に、数年がかりとはいえ、ここ1年くらいはほとんど寛解状態が続くまでに持ち込めている例もあるので、このやっかいなクローン病も同様な結果が得られるよう、互いに奮闘努力しているところである。

2007年3月3日2歳半のボクチン
2007年3月3日2歳半のボクチン posted by (C)ボクチンの母

posted by ヒゲジジイ at 00:28| 山口 ☁| 潰瘍性大腸炎・クローン病 | 更新情報をチェックする

2013年10月05日

日本人はここまで変わった⇒平成になって極端に人心が荒廃

2007年2月5日のボクチン2歳
2007年2月5日のボクチン2歳 posted by (C)ボクチンの母

 『人は死なない』の著者、矢作直樹氏の最近の著書『天皇』の「はじめに」を読んで、医療の最前線もここまで来たかと嘆かわしい。

 昭和の時代は、たとえ結果が伴わなかった場合でも、最善を尽くした医師に対して、ご家族は
「よくしていただいてありがとうございました」と受け入れて下さり、
「なぜ、どうして?」と聞かれたことは一度もなかったと。

 ところがそのような雰囲気も昭和の後半から変わりはじめ、平成に入るとそれがより明確になったといわれる。
 いくら事前の危険性の問題を告げ、同意を頂いていても、なかなか納得してもらえない時代になったと嘆かれる。

 反映する世相は市井の漢方薬局とて同様で、だからご相談者を極端に選別するのである。

 こちらがどんなに努力しても腕が悪いせいで、どうしてもうまく行かないケースがタマにある。
 申し訳ないと心から詫びると、却ってねぎらって下さり、ますます恐縮するのだが、その真逆の人に遭遇することも皆無とはいえない。

 いい歳だから廃業して山にこもろうなどと、あらぬ考えが発作的に浮かぶことさえあるが、ほとんどの人たちには漢方薬の効果を喜んで下さっているのだからと、気が休まる暇もない仕事をまだ延々と続けている。

 それにしても、平成の汚濁した空気に染まっている人達(クレーマー予備軍)をうっかり受け入れようものなら、それはそれはあとあとが大変なのである。

 匿名をよいことに罵詈雑言・書きたい放題の非難メールを折々に受け取るにつけ、日本がとうとうロクデナシ国家に成り下がった現状をヒシヒシと感じるのである。

 異端カタリ派の思想、人間の本質である心霊は絶対的には善であるが、人は誕生することによって肉体を纏って悪が支配する地球と言う地獄に投げ込まれる、というのもムベナルかな。

2007年2月5日のボクチン2歳
2007年2月5日のボクチン2歳 posted by (C)ボクチンの母


posted by ヒゲジジイ at 18:56| 山口 ☔| 日本人としての自覚の問題 | 更新情報をチェックする

2013年10月02日

歓楽極まりて哀情多し、少壮幾時ぞ老いをいかにせむ

2007年2月5日のボクチン2歳
2007年2月5日のボクチン2歳 posted by (C)ボクチンの母

 昨今、イヤなものが見えてしかたがない。といっても見えるときと見えないときとあるのだが・・・

 二十代の人達が初めて来訪されて顔を合わせた瞬時に、将来年老いて以後の容貌が一瞬にして見えてしまって興ざめしたり、逆にご高齢者では若くて元気な頃の姿が鮮明に見えてみたり。
 漢の武帝ではないが

 歓楽極まりて哀情多し 少壮幾時ぞ老いをいかにせむ

 で、若いピチピチした女性達も、いずれはシワクチャババアである。
 逆に長年の苦労が皺に漂うご高齢者も、血気盛んな時代もあったのだ。

 ここで漢方薬を宣伝するつもりはないが・・・

 漢方薬を数十年以上も愛用しているご高齢者は、いつまでたってもお元気で若々しい。
 次は本日あったヒゲジジイが悔しい思いをした実例。

 健康には完ぺき主義を貫き通す九十歳を超えられた常連さんの膝が、疎経活血湯(そけいかっけつとう)で一定の効果があるがあと一歩が治らない。
 完璧を目指すのは年齢的に無理だと納得してもらっていたつもりが、漢方薬の超愛用者だけに、ご老人用の少ない分量では物足りないとばかり壮年が使うたっぷりの分量に増量したところ、ほぼ完璧な効果を得たという。

 鬼の首でも取ったかのように電話の報告があったばかり。

「きっと貴女は百五十歳まで長生きされるでしょうから、ヒゲジイイはとっくにあの世にオサラバして高みの見物をさせてもらいますよ。」

 漢方薬の常用者は若返ることがあっても老いることがない?!(苦笑。

2007年2月5日のボクチン2歳
2007年2月5日のボクチン2歳 posted by (C)ボクチンの母

posted by ヒゲジジイ at 21:38| 山口 ☁| 若返りや美容関連 | 更新情報をチェックする

2013年10月01日

あの世は絶対にないと妄信している人達へのアドバイス

2007年2月5日のボクチン2歳
2007年2月5日のボクチン2歳 posted by (C)ボクチンの母

 関東地方から突然来られ(この突然がよいのだが)、先週から一週間も滞在されていた中年男性が、一定の効果が出てきたので10日間も滞在する予定を繰り上げて、漸く帰郷されることになってホッとしたのも束の間、今度は新たに関西から中年女性が日帰りの予定で突然来られた(この突然がよい)。

 関東の男性が帰られる前には、難病指定の人達など開店早々から男性ばかりが続いた後だったので、ホッと一息。
 リラックスしてもらう話しのついで出た話題で・・・

 彼女は来世があるのを信じているが、教養人のご主人はあの世は絶対にあり得ないと固く信じて話にならないという話題があった。

 あの世は絶対にあり得ないと妄信したままあの世に行くと、目覚めるまでに極端な場合は地球時間にして数百年も意識が戻らないまま延々と眠り続けるので、ほんのわずかでもよいから、もしかしてあの世はあるのかも、というくらいの気持ちであるほうが賢明なのである。

 それで思い出したのだが、2013年09月14日
肺腺癌ステージ4のお二人に生じた共時性
 で書いたお二人が同じ病名と病期にあって、同じように奇跡的な転移巣の極端な縮小が得られた共時性のお話し。

 あの時書いた細部をあらためてご本人(来世があることを既に承知の人)に確かめてみると、奇跡的に脳転移巣の縮小が最も顕著で、主治医が医学会に発表されるとのことだった。
 その時にお渡しした漢方薬は、ご本人の最も心配なのは脳転移の状況であるから、そこを集中的に漢方薬でサポートして欲しいという強い依頼ゆえ、中医学書にしっかり記載されている信頼性の高い中薬を服用してもらった結果であった。

 一方若い方の人は記載通りで、原発巣を考慮した内容でサポートさせてもらったが、初回に行ったアドバイスこそは、漢方薬のサポート効果に負けず劣らず、威力を発揮したのではないかと思っている。

 あの世はあり得ないと信じ込んでおられる人だったから、一時間近くもかけてあの世があることや、あの世では身近な人たちと必ず再会して、それらの人たちがグループソウルとして、役割を微妙に変えてグループで生まれ変わることなど、かなり詳細に説明してあげたのだった。

 人は絶対に死ぬことはなく、肉体を脱した後もそのままの意識を持ったまま永遠に不滅であり、因果応報の摂理があって、苦があれば必ず楽があること、正直者は絶対に馬鹿をみない仕組みなど。
 さらには自殺者の運命や悪人の辿る来世の状況など。

 ヘタなヒゲジジイの話しを聞き終わた途端、暗かった顔が一瞬、光が差したようにキラキラと輝いたのだが、その四ヶ月半の後に朗報をもって来られたのは既に延べた通りである。

 きっと霊界の医療団の応援も得られたに違いない。

2007年2月5日のボクチン2歳
2007年2月5日のボクチン2歳 posted by (C)ボクチンの母 


ラベル:あの世 来世
posted by ヒゲジジイ at 00:12| 山口 ☔| 徹底したポリシー | 更新情報をチェックする