2013年06月27日

コタローの補陽還五湯の応用方法を学ぶのに必備の参考書

2006年3月2日のボクチン(1歳半)
2006年3月2日のボクチン(1歳半) posted by (C)ボクチンの母

 補陽還五湯は信じられないだろうが、あらゆる領域に応用可能であることが中医学書籍に堂々と実例を挙げて多数紹介されている。

 すべての循環器や神経内科はもちろん、あらゆる内科領域や外科領域、婦人科系統から皮膚科、眼科、小児科、耳鼻咽喉科から泌尿器科のみならず悪性腫瘍の領域まで、まったく信じられないほどあらゆる領域において応用範囲は多岐にわたる。

 当然のことながら、補陽還五湯を基本方剤として弁証論治にもとづいた他の方剤や中草薬類の併用を必須とするケースが多いのは勿論である。

 その書籍は中国薬科技術出版社発行の「難病奇方系列叢書第2輯 補陽還五湯」(2010年5月第二次印刷)という書籍で三百六十数ページの大きな書籍が、日本では亜東書店で2,340円で購入できる。

 こんなに安価な書籍だから、中医学薬学の専門家は必携の書籍であるはずだ。きっとこのブログを読まれた人たちが亜東書店に殺到して直ぐに売り切れ必定であろう(苦笑。
追記:先ほど調べたら既に売り切れた模様か?リストから消えているように見えるが・・・? 東方書店や燎原書店にはまだ残っているかも???)

 病院治療でも腹水が取れずに困っている人たちのためにコタローの補気建中湯や分消湯などとともに、脳卒中の後遺症などとともに応用範囲が極めて広い補陽還五湯。
 世のため人のため、広く日本全国で使われるべきだとの老婆親切心から、前回に続いて敢えてブログで取り上げた。

 七ヶ月前に亡くなった最愛の茶トラのボクチンの思い出写真を掲載する口実もあるけど・・・(涙。

2006年3月2日のボクチン(1歳半)
2006年3月2日のボクチン(1歳半) posted by (C)ボクチンの母

2006年3月2日のボクチン(1歳半)
2006年3月2日のボクチン(1歳半) posted by (C)ボクチンの母

posted by ヒゲジジイ at 22:38| 山口 ☁| 時代的な傾向や使用頻度が増加中の漢方薬方剤 | 更新情報をチェックする

2013年06月26日

コタローの補陽還五湯はシビレや痛みに速効が出る

2006年3月2日のボクチン(1歳半)
2006年3月2日のボクチン(1歳半) posted by (C)ボクチンの母

 補気・活血・通絡の効能を特長とする 補陽還五湯。
 もともと脳卒中の後遺症を改善する方剤として有名な中医方剤ではあるが、現実的な応用範囲は多岐にわたる。

 左手がジンジンと痺れるという六十代後半の女性に補陽還五湯エキス製剤を飲んでもらってちょうど一ヶ月で完全に痺れが消失したという報告を受けた。
 さらに治療を徹底すべく一ヵ月分を購入されていかれたが、一ヶ月でシビレが消失するのは速効に近い。
 首を小刻みに振っていた現象もこれは10日以内に消失していた。

 常連さんの父上が、下半身が弱ってしばしば浮腫を生じ、激しい疼痛に悩んでおられた。六味丸系列の腎虚の方剤とともに疏経活血湯類を併用してもらっても、直ぐに効き目がなければ服用量が激減するので効果の良し悪しの判定がいつもできないで困っていた。
 そこでややご高齢なのを考慮して試しにこれまたコタローさんの補陽還五湯エキス製剤を10日分飲んでもらったところ、初日から疼痛やシビレが消失して文句を言わなくなったと常連さんがとても喜ばれている。

 もちろん継続服用中だが、そのほかでは線維筋痛症に慢性疲労症候群に高血圧や腎不全などが合併している人に、多種類の漢方製剤に補陽還五湯を追加してもらったところ、明らかに一定の効果が得られている。

 ヒゲジジイ自身も頸椎症による両手親指のシビレに速効があるが、飲むのが面倒で中断している(苦笑。

 また愚妻も寒い時期、この補陽還五湯が右半身と左半身の寒熱の極端な違いを調整する作用を発揮してくれた。

2006年3月2日のボクチン(1歳半)
2006年3月2日のボクチン(1歳半) posted by (C)ボクチンの母

2013年06月22日

村田漢方堂薬局にやって来るほど重度の不定愁訴に悩む女性達の多くは死後存続を信じている!!!

2006年1月19日のボクチン(1歳半)
2006年1月19日のボクチン(1歳半) posted by (C)ボクチンの母

 村田漢方堂薬局では意外にも不定愁訴に悩みなからも人生を前向きに捉えて、漢方治療に専念される人が多い。だからいずれも比較的スムーズに寛解して行くケースが多い。

 漢方経験も地元の医師の3分間診療ではとうてい解決にはならず、漢方薬局を転々として最終的に村田漢方堂薬局にたどり着いた女性達が多い。
 転々とするとは何と根気がないことよっと問えば、いずれも転々とするにはもっともな理由があった。

 効果がないので微調整を依頼しても、同じ漢方薬を続けていたら必ず効いて来ると強弁された人達。
 あるいは効果がないときは同じ漢方薬の服用量を増やせば必ず効きはじめると強弁された人達。
 相談時間は10分もないくらいで簡単に薬を出されて病院漢方と同列ではないかと落胆させられた人もかなり多い。

 またそれらのいずれの薬局も配合内容の生薬を記載した紙を渡されるだけで漢方薬の方剤名の記載が見られないものばかりで、最もひどいのになると方剤名のみならず配合生薬名すらあらゆる記載の無い秘密主義の漢方薬を渡された人もいる。
 漢方薬の服用によってむしろ不快な症状が増えたという人もおられるが、そんなことはあり得ないと強弁された人も多い。

 それはともかく、諦めずに遠路はるばる村田漢方堂薬局にまでやって来られる女性達は、その多くの人が来世を信じており「人は死なない」ので自殺はご法度ということをよくご存知である。

 もしも自殺すれば、死んで無になれると思いきや、実際には肉体がなくなっただけで心霊はそのまま存続する。自殺した後には孤独な暗闇にみずから閉じこもる羽目となり、自責の念でこの世よりももっと苦しむこと必定といわれる。

 この世に生まれる前に中間生(あの世)で仲間達(ソウルメイト)とたてた人生設計をみずから破壊する自殺という異常行動はソウルメイトにも迷惑千万なことなのである。それゆえ自分が蒔いた種は必ず自分で刈り取らねばならない。

 ともあれ、様々な不定愁訴に悩まれるのも、生まれもって肉体と魂の相性が悪いと考えられるが、その肉体と魂の調和をはかる方法として中医漢方薬学こそ、かなり得意とするところである。

 かなりシンプルな配合で治る人もいれば、とてつもなく複雑な配合を要する場合も稀にはあるが、根気さえあれば必ず治りますよっと言っても過言ではない分野であるように思われる。

2006年3月2日のボクチン(1歳半)
2006年3月2日のボクチン(1歳半) posted by (C)ボクチンの母

ラベル:不定愁訴
posted by ヒゲジジイ at 00:33| 山口 ☁| 更年期障害・自律神経失調症や不定愁訴症候群 | 更新情報をチェックする

2013年06月20日

続:杞菊地黄丸製造方法の違いによる効果・効能の優劣

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DSC_0293 posted by (C)ボクチンの母

 2010年01月08日 杞菊地黄丸製剤の製造方法による微妙な違いのブログ記事の内容を一部分ではあるが修正を迫られるかもしれない。

 数年前から輸入先の都合で製造が中止されていたエキスによる丸剤「双料杞菊地黄丸」が、製造元が変更されて顆粒剤として「双料杞菊顆粒」の名でエキス顆粒として再登場して以来、粉末を丸剤に製したものに比べ、時には効能・効果に雲泥の差が生じたケースすら遭遇している。

 原料生薬の多寡の影響もさることながら、前者は熟地黄が使用され、後者は乾地黄が使用されることにも関連があるのかもしれない。
 後者の粉末で製した丸薬でも十分満足な効果が得られている反面、これが効果不十分なため、正しく熟地黄が使用された顆粒のエキス剤「双料杞菊顆粒」に切りかえると、覿面効果が上がった例がある。

 たまたま最近複数の「酒さ」の人たちに配合方剤の一つとして使用する機会があったが、粉末で製した丸剤で十分に一定の効果が得られている人もいれば、この丸剤では効果がもう一つ弱いために双料杞菊顆粒に切りかえたところ覿面顕著な効果があり、雲泥の差を生じた例すらある。

 それゆえ、2010年01月08日 杞菊地黄丸製剤の製造方法による微妙な違いのブログ記事の内容の修正を迫らる可能性大となっている。
 以前のエキスで製造された丸薬の時代と異なって、エキス顆粒の製品の方が明らかに優れている部分もあるようにも思われるのであった。

2006年1月19日のボクチン(1歳半)
2006年1月19日のボクチン(1歳半) posted by (C)ボクチンの母


posted by ヒゲジジイ at 23:34| 山口 ☔| 間違いや問題の多い日本の漢方と漢方薬 | 更新情報をチェックする

2013年06月19日

登校拒否に四逆散

2006年1月19日のボクチン(1歳半)
2006年1月19日のボクチン(1歳半) posted by (C)ボクチンの母

 子供さんの漢方相談は、ご両親やご家族が当方の漢方薬の愛用者でない限りは残念ながらお断りしている。

 その理由はこちらのスタッフが少ないことと、現代社会の風潮としてご両親やご家族に漢方薬の服用経験が無い場合、子供さんに飲んでいただく漢方薬に不安を抱かれるケースがあり、説得してまで飲んで欲しいとは思わないからである(苦笑。

 だから子供さんたちの登校拒否のご相談を受けることは少ないが、それでもご両親やご家族で当方の漢方薬の愛用者がおられるケースでは、信頼感の成せる業か、いずれのケースも四逆散が極めて有効であり、四逆散で短期間で登校できるようになったケースや、四逆散合六味丸で成功した例もある。

 うまく行かなかったケースが1〜2例あるが、それ以外はいずれも上記の通りであった。
 おそらく現実には大人のパニック障害や鬱病に使用するようなもっと高度な配合が必要なこともあるはずだが、意外に単純な配合でよかったケースばかりが思い出されるので、ブログの穴埋め記事としてちょっと書いてみた。

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IMGP2167 posted by (C)ボクチンの母


ラベル:登校拒否 四逆散

2013年06月18日

真面目系男性のパニック障害には母親の過保護が必要に思われる

2006年1月19日のボクチン(1歳半)
2006年1月19日のボクチン(1歳半) posted by (C)ボクチンの母

 甘ったれた考えの男性達には厳しい対応をする傾向のあるヒゲジジイではあるが、それには例外があって不安神経症(パニック障害)や真面目系の陥りやすい鬱病には母親による過保護が必要であると思っている。

 重症のパニック障害には往々にして男性に多いように思われるが、会社に出勤不能レベルならまだしも、クビになった例も珍しくない。
 家に引き篭り心臓が今にも止まりそうな極度の不安など死の恐怖に怯えて悶々として楽しまない。

 このようなケースでは母親の付き添いと通訳が必要であり、それがあってはじめて能率の良い漢方相談が可能となる。ありきたりな柴胡加竜骨牡蛎湯や四逆散レベルでは対処しきれない場合でも、日本の漢方医学レベルとは異なって、中医学・中草薬の世界は広大無辺である。

 出勤不能レベルの重症者では一定の経費は免れないとしても、そのような重症例でもこれまで相談に乗った例では母親同伴が効を奏して全員社会復帰をはたしている。

 真面目系のパニックとは似て非なるもので、数十年前、直ぐに効果が出ないからと言って
「不安に襲われると自分が分からなくなって会社で刃物を振り回したことがあるんよね〜っ」
と明らかな脅し文句を吐いた男性には即刻漢方相談を打ち切って追っ払た。
 当時はこちらでも血の気が多かったので、こんな脅しをされてまでどうして相談に乗る義務があるのかっ、と実に腹立たしかったものである。

2006年1月19日のボクチン(1歳半)
2006年1月19日のボクチン(1歳半) posted by (C)ボクチンの母

2013年06月15日

漢方治療を真剣に望まれる人からの依頼内容は

2006年1月19日のボクチン(1歳半)
2006年1月19日のボクチン(1歳半) posted by (C)ボクチンの母

ブログへの転載の可否 : ブログへ転載を許可します
年齢 : 20歳〜29歳の女性
簡単なご住所 : 東海地方
具体的な御職業 : 法曹関係
お問い合わせ内容 : はじめまして。
 毎日、先生の裏表のないブログを楽しみに読ませて頂いております。以下よろしくお願いします。

 このブログに度々登場されている、東海地方の美人薬剤師さんをご紹介頂けませんか?
 と言っても、先生のブログを拝見していると、恐らくお返事は推測できます。せめて、市町村まで教えて頂くことは出来ませんか?先生のブログの隅々から、キーワードを拾ってみたのですが、なかなか…。

 初回相談有料、45歳前後etc.たくさんの漢方薬局から、正確な弁証論治にしっかり時間をとって頂ける薬局を見つけるのは、なかなか至難の技です。

 知人に紹介され、遠方の薬局に1.5年程行きましたが、あまり改善しませんでした。

 その前に、漢方専門クリニックに行った際は、初診わずか10分と、簡単な問診票記載のみで、愕然としました。


  慢性の病ゆえ、じっくりと腰を据えて、治療したいと切に思っています。
 やはり、地元の薬局で頑張るのが最善と感じました。どうか少しばかり助けて頂きたくお願いした次第です。本当は先生の薬局に行ければ良いのですが、時間、経費的に難しいです。

 もし、地元で良い薬局があれば、ピントがなかなか合わないことには慣れているので、数万円の漢方薬代のみであれば、安いものだと思料してます。

長々と書いてしまい失礼致しました。また、お読み頂きありがとうございました。土曜日はご多忙かつ、午後からはお疲れがどっとでてくることかと。お手がすいた際に、ご返信頂ければ光栄です。
 どうぞ、よろしくお願いします。

【編集後記】 大変真面目な文面の依頼ゆえ、この方なら東海地方の美人薬剤師さんにご紹介してもご迷惑にはならないかもしれないと思って、直ぐにご依頼通りにお返事を返しておいた。直ぐにお礼のメールが届いたのでとても真面目で真剣な人だと思われる。

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二重人格のスコちゃん(苦笑 posted by (C)ボクチンの母

posted by ヒゲジジイ at 19:38| 山口 ☁| 漢方と漢方薬関連の御質問 | 更新情報をチェックする

2013年06月14日

漢方薬を中止すると症状が再発する気管支拡張症

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美人のシロちゃん posted by (C)ボクチンの母

 気管支拡張症は不可逆的な疾患であるとはいえ、予後は比較的良好というためか、病院から投薬が無い場合も多い。
 しかしながら、頻繁な咳嗽や血痰に困しむ人が多いので漢方相談に来られる人も珍しくない。

 漢方薬は体質と症状によって様々な方剤が用いられるが、弁証論治にもとづいて八仙丸を主体に咳嗽が顕著な夜間だけ麦門冬湯を服用することで咳嗽も血痰もまったく消失していた人が、夜間に1回だけ服用すべき麦門冬湯はもはや不要であると中止していたところ、しばらくすると再発した。

 根治する疾患ではなくても漢方薬を適切に用いれば無症状にすることは可能なので、一生涯のみ続けてはどうかとアドバイスすると、根治しないのですか?!と唖然とした表情をされる。
 
 六十歳をかなり超えた人だから、一生漢方薬を飲むことになってもどれだけ楽に生活できるか計り知れないと思うのだが、考え方も人サマザマである。

2006年1月16日のボクチン(1歳半)
2006年1月16日のボクチン(1歳半) posted by (C)ボクチンの母

ラベル:気管支拡張症

2013年06月13日

桂枝茯苓丸で牛黄以上の疲労回復効果が得られた稀有な例(アトピー性皮膚炎に合併する心房細動)

2006年1月16日のボクチン(1歳半)
2006年1月16日のボクチン(1歳半) posted by (C)ボクチンの母

 これもまた関東地方から今年2月から20日毎に通い始められたアトピーさん。
 地元で何年も苦労されてとうとう万策尽きて来られただけに熱心ではあるが、初期にはこちらのアドバイスに従ってくれないことが多くて、そのために気の毒なくらい叱り付けたことがあった(苦笑。

 ただ困ったことに原因不明の持病として心房細動が病院でも治療方法がなく、こちらとしてはその方が心配だった。
 心房細動に対する第一選択肢の炙甘草湯を使うとアトピーに悪影響が出るので、しばらくは放置することにして、アトピーの配合に専念して結局は5〜8種類の方剤を適宜使用する方法を苦労の果てに伝授できたところでようやく症状は半減した。

 そこで苔癬化した部分の改善に生薬製剤二号方と桂枝茯苓丸加ヨクイニンを恐る恐る順次テストしてもらったところ、前者ではアトピーに悪影響が出たが、桂枝茯苓丸加ヨクイニンでは顔面皮膚のこわばりが消失すると同時に、驚いたことに牛黄製剤を使用したときのように俄然、体力が一気に増して身が軽くなり疲労感が驚くほど消え去ったといわれる。

 服用開始直後から桂枝茯苓丸加ヨクイニンでこれほどの疲労回復効果と体力増強効果が出たという例は稀である。
 もしかして、と脈拍をはかってもらったところ、安静時には完全に心房細動が治っている。労作時には心房細動が出るが、安静時には完全に消失しているのである。

 アトピーに配合中の清心蓮子飲や八仙丸などとの連携プレーも十分に考えられるが、それにしても桂枝茯苓丸加ヨクイニンでこれほどの即効的な疲労回復効果を報告された例は過去40年の経験からは稀有な例である。

 もしも桂枝茯苓丸が不適であった場合は、体質によっては逆に体力低下や疲労感を増長しかねないのだが、心房細動の改善効果が得られるなど、よほど桂枝茯苓丸がフィットしていたに違いない。

2006年1月16日のボクチン(1歳半)
2006年1月16日のボクチン(1歳半) posted by (C)ボクチンの母

2013年06月12日

明らかに効果があった漢方薬の剤形やメーカーを変えると効果が激減することがある

2004年ボクチンが生まれた0歳
2004年ボクチンが生まれた0歳 posted by (C)ボクチンの母

【 ブログへ掲載の可否 】:転載応諾(ブログへ転載させて頂く場合があります。)
【 年 代 】:40〜49歳の女性
【 地 域 】:関東地方
【 お問い合せ内容 】:はじめまして。漢方について調べる中で先生のブログに出会いました。見識高い漢方と病理のお話には参考にさせて頂けることが多く、感謝しております。
 今回、私のケースに先生のご意見を伺えればとメールを送らせて頂きました。お忙しいとは存じますが、お手すきの時にでもご返信頂けたなら、大変幸いに思っております。

 現在17歳の娘(高3)へ3ヶ月ぐらい前より東京の某漢方薬局で処方頂いております。娘は身長163 cm体重50kg程度。ヒョロっとして薄い体型という感じがしますが、生まれつき色黒でスポーツも好み、病弱そうという外見ではありません。

 一番悩んでいる症状は、頭痛です。小学校の高学年の頃より時々頭痛を訴えるようになり、年齢が上がるにつれ回数が多くなってきました。少し疲れた時や、天気にも影響されるようで曇りや雨の日は特に頻繁に発症し、ひどい時は毎日のように訴えるようになりました。以前は鎮静剤のイブを飲んで治まっていましたが、効かなくなってきたと最近はロキソニンを使用するようになりました。一年ほど前、総合病院でも診察してもらいました。CTを撮られ異常なし、デパケンRというてんかん治療薬を処方されましたが効き目はあまりなく、薬の説明が少なかったことにも不審が残り、飲むのを止めました。

 他にも、幼い頃より疲れやすく、よく目の下にクマが見受けられました。学校やイベントは普通に過ごしますが、日中に家で時間があるとすぐ横になり長い昼寝をする傾向があります。部活の朝練にも参加しますし、毎日の起床で起き上がれずに困るということはありませんが、帰宅後や休みの日は疲労が抜けず、いつまでもだらだら過ごすという感じで、元気みなぎるという様子を見た記憶が久しくありません。12歳過ぎたころに初潮をむかえました。時折生理痛を訴えていましたが、最近やや重くなってきている感があります。中学校の頃は平熱が36度を下回っており(今はもう少し上がっている?)血圧は今でもかなり低めのようですが、貧血を指摘されたことはありません。2年前の春から花粉症を発症し、春先には薬を常用します。お通じは良すぎるぐらい、少し汗をかきにくいように思われ、食欲は普段は人並みより上で肉類を好み、性格はやや神経質で内向的な方かと思います… 

 上記のような相談を現在お世話になっている漢方薬局でもお伝えし、脈診、舌診、おなかの触診を受けて処方頂いたのは、生薬での「葛根湯加川芎辛夷」「茯苓」「蒼朮」という調合でした。早速煎じて朝夕と飲ませ、当初には即効で明らかな変化がありました。特に顕著だったのが、朝方トイレに起きるようになったことと、目覚まし時計に渋々起されるのではなく、自ら目が覚めるようになったことです。頭痛も徐々に軽減されているようで本当に嬉しく思いました。ただ、生薬は1日分が千円以上かかり、このまま継続して飲ませることはどうしても経済面で困難でした。高3の娘はこの春より受験のための塾に通っており、そちらを捻出するだけでもやっとな状況です。6週間ほど煎じ薬を投与し、その後は金銭的負担の軽い顆粒薬への変更をお願いしました。そして処方頂いたのがクラシエの「葛根湯加川芎辛夷」と「ヨクイニン」です。一日に朝晩2包ずつ飲むよう指導頂き、今も継続して飲ませております。

 実は漢方を飲み始めた頃より、娘はこれまでで最も忙しい時期を迎えていました。塾へ通い始めると同時に、GW明けに行われる体育祭の準備が始まりました。学校と部活だけでも疲れていた娘ですが、本人の気合と親のサポートでなんとか頑張っていました。しかし体育祭直前、1日丸々休息できる日があると、それを機に溜まった疲れが溢れ出るかのごとく、どっと調子が崩れました。嫌な微熱が長々続き、血液検査ではやや腎機能の低下が現れました(その後再検査で正常値を確認)。

 煎じ薬から顆粒薬に変えたのが、丁度この体調を崩す少し前だったのです。その時は日常とは逸した生活だったので、漢方の効力を量ることは出来ないと考えていました。ただお薬がいつも以上の回復をもたらしてくれるのではと、どこかで期待もしていたのですが、それから1ヶ月以上経過した今、どうもあまりパッとしない状況のままなのです。頭痛も再び間をさほど空けずに発症しているようで、漢方を飲む前の状態に後退したかにも見えます。平常時に薬を変えていれば、もっと分かりやすい違いを感じることが出来たかもしれませんが、今回はそのような事情もあり、今になって、もしかしたら顆粒薬ではあまり効力を感じられないのでは?と考えるようになってきました。煎じ薬より負担が軽くなったとは言え、充分に高価なお薬です(特にこちらの薬局は地の利のよい場所にあるためか、ややお薬の値段が他店に比べ高いと、ネットなどで調べるうちに感じるようになりました。)もし顆粒薬の投与ではゆっくりにしか効力が出ないなら、時間もなかなかとれない今、経済的な無理までして家庭全体が疲れてしまうより、ひと段落着いたところで仕切りなおし、腰を据えて治療していった方が良いのでは?という考えもよぎるようになり、また一方では、せっかく3ヶ月も飲み続けたのに、という気持ちもあり、揺れ動いております。

 先生にお伺いしたいのは、一つは、煎じ薬と顆粒薬の違いです。娘の場合、顆粒薬に変えたことは大きかったのでしょうか?また、顆粒薬に変更することにより「茯苓」「蒼朮」の役割が「ヨクイニン」に代用されました。このことが違いを生んでいるとは考えられないでしょうか?それから、これは素人の浅知識で恐れ多いのですが、漢方の効能を調べていると、他にも娘の症状に当てはまりそうな漢方薬があるようにも感じています。顆粒薬でも、もう少し効果の感じやすいお薬を他に考えられないでしょうか?

 ついつい、このように長い文面となってしまい、本当に申し訳ありません。どうか先生のご見解を賜りたく、宜しくお願い申し上げます。

2004年ボクチンが生まれた0歳
2004年ボクチンが生まれた0歳 posted by (C)ボクチンの母

お返事メール:

> 先生にお伺いしたいのは、一つは、煎じ薬と顆粒薬の違いです。娘の場合、顆粒薬に変えたことは大きかったのでしょうか?また、顆粒薬に変更することにより「茯苓」「蒼朮」の役割が「ヨクイニン」に代用されました。このことが違いを生んでいるとは考えられないでしょうか?

という問題はとても大きいと思います。
 たしかに配合内容から考えても価格はあまりにも高価すぎ、その半分の価格でもそれでも高すぎるくらいです。
 といっても、知識と技術の伝授量や相談料も含むと言えば、明らかな効果が得られていることを考えれば、決して暴利とはいえないかもしれません。
 肝腎の「茯苓」「蒼朮」の役割が「ヨクイニン」に代用できることはなく、天気に左右されるという体質に関連する湿邪の除去にはやはり茯苓や蒼朮・白朮などが適しています。

 また煎じ薬だからとか、エキス剤だからとかいう以前に、最初にしっかり効果があった漢方薬を他の剤形(エキス剤など)に変えたり、エキス剤同士でも、同じ処方名だからといって他社製に切り替えると途端に効果がなくなる場合だって珍しくないのが天然生薬を原料にしている漢方薬の微妙さがあります。

 たとえば最近当方であった事例では、関東から来られているアトピーの人に、それほど重症ではないので幸いに猪苓湯・六味丸・茵陳蒿湯各エキス製剤で一定の効果が出たのでそのまま様子をみてもらっていたところ、ついつい調子がよいのに食事などの不摂生が祟ってしまったのを申告しないまま「効き目が弱くなってきた」と申告されるので、同じ猪苓湯エキス製剤でもエキス濃度が2倍の他社製に切り替えてもらったところ思いがけずに一気に悪化して来たので、これは怪しいと最初のメーカーの猪苓湯に戻したら、しだいに状態がよくなりつつあり、明らかに最初の配合のままの方がよかったという現実があります。

 このようによく効いている漢方薬を同じ名前のものだからと他の製剤に切り替えると効力が次第に減って、元の木阿弥になることも珍しくはないのです。

 それゆえ、こちらからアドバイスできるとしたら、大事な時期でもあるようですので、少々高額に感じられても薬局さんの指示通りの配合を素直に受け入れて、すべてを指示通りに従ってみるべきかと思います。
 少し節約したために病状が元に戻ってしまっては却って高いものにつくことが往々にしてあるものです。
 それでも敢えてエキス剤で考えられるとしたら、たとえばの話ですが、葛根湯加川芎辛夷に半夏白朮天麻湯を併用するとか、あるいは葛根湯加川芎辛夷に苓桂朮甘湯を併用するとかの方法でフィットすれば、少なくとも1日分500円以下、300〜400円前後で済む可能性はありますが、いずれにせよせっかく効いていた配合を切り替えるのは結果的にはまずかったと思います。

 言うまでもないことですが、漢方の世界は値段よりもピントの問題こそが重要で、価格がいくら安くてもピントが合わなければまったく効果が出ませんので、一ヶ月分3万円のことでしたら、他の部分で節約を心がけて捻出されてもよいのではないかと思います。

2004年ボクチンが生まれた0歳
2004年ボクチンが生まれた0歳 posted by (C)ボクチンの母

折り返し頂いたメール:早々の詳しいアドバイス、本当にありがとうございました。

 第三者的な立場での、専門の方のご意見は、とても素直に受け止めることができます。

「漢方というのは、値段で効き目が決まるのではなく、その人その人にピントが合うか合わないか。」
といった表現は、すごく分かりやすいものでした。

 しかし、そのピントの合った薬に出会えることが、そう簡単なものではないのですね。

 自分の体や病理に合う薬を見つけるまでに苦労されている方のことを思えば、娘は幸運なのだということも分かりました。

 おかげ様で、今までもんもんとしていた思いをスッキリさせることが出来ました。
 親としてできる努力をしたいと思います。

 先生の漢方治療に対する姿勢は 一貫しており、ブログを読ませて頂いていて清清しいです。
 これからも時折覗かせて頂いて、新しい話題を楽しみにしております。

 失礼致します。

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DSC_0883 posted by (C)ボクチンの母

posted by ヒゲジジイ at 20:02| 山口 ☀| 中医漢方薬学 | 更新情報をチェックする

2013年06月11日

遠近に関わらず迷いがある場合は来られても無駄です

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2006年1月8日のボクチン(1歳) posted by (C)ボクチンの母

ブログへの転載の可否 : ブログへ転載を許可します
年齢 : 40歳〜49歳の女性
ご職業 : 会社員
簡単なご住所 : 近畿地方
お問い合わせ内容 :

 遠方ですが、仕事の都合上、土曜日しか行けず、午前11時前後にそちらに到着することしかできないのですが、相談をお受け頂くことはできるでしょうか。

 12時迄というのは、受付時間でしょうか。お手間とらせて申し訳ありませんが、ご教示頂けると幸いです。

新入りのシロちゃん(メス)
新入りのシロちゃん(メス) posted by (C)ボクチンの母

お返事メール:土曜日しか来れない人も受け入れています。
 昼の12時までに来られておれば延長戦は日常茶飯事ですので問題はありません。
 土曜日の延長戦は毎度のことですので、午後2〜3時間くらいは余裕をもって来られるとよいです。

 但し、土曜日しか来れない人でも、一定の方向が定まるまで、必要に応じて何度か直接通うことが出来る人でなければお受けすることはできません。
 一般的な疾患では運がよければ2回来られるだけで後は(将来は通販全面解禁らしいので)メールや電話による通信販売に切りかえることが可能となるでしょうけど、アトピー性皮膚炎などではたとえ最初から効果がしっかりと見られても季節変化や不摂生で急転直下病状が変化するので、一定期間通える人でなければ途中で適切な配合変化が難しくなる場合があります。

 アトピー性皮膚炎以外の病気では、一定の効果が得られるようになった時点で、多くはメールや電話相談に切りかえて通信販売が可能となるだろうということです。
(但し、県外の人でも特別に熱心な人は、しっかり効果が得られるようになっても肺癌が完全に克服できたあとも前後6年間以上一度も通信販売を利用されないで、直接通い続けている人もおられます。)

 以上、取り急ぎお返事まで。

2006年1月8日のボクチン(1歳半)
2006年1月8日のボクチン(1歳半) posted by (C)ボクチンの母

折り返し頂いたメール:メールありがとうございます。

 ブログを拝見すると、二週間程ごとの微調整の必要があるとのことですが、例えば3〜4週間ごとに一度そちらへ伺うという形でも大丈夫でしょうか?

 また、泊まりがけで、2日連続で診て頂いた場合は、日帰りと比較して、どういうメリットがあるのでしょうか?

 度々恐縮です。
 お手間をとらせて申し訳ありませんが、ご返信頂けますと幸いです。よろしくお願いします。

IMGP1402
IMGP1402 posted by (C)ボクチンの母

ヒゲジジイによる再度のお返事メール:

 遠方ゆえ、多少でも迷いがあるうちは遠路はるばる敢えて直接来られても、結局は継続できないケースが殆どです。

 まずは地元近辺で徹底的に頑張って見てください。

 取り急ぎお返事まで。

2006年1月8日のボクチン(1歳半)
2006年1月8日のボクチン(1歳半) posted by (C)ボクチンの母

折り返し頂いたメール:ありがとうございます。

 もう少し地元で頑張ってみます。
 それでも無理なら、伺おうと思います。

 お忙しいところ、お手を煩わせまして、失礼致しました。

2006年1月8日のボクチン(1歳半)
2006年1月8日のボクチン(1歳半) posted by (C)ボクチンの母




ラベル:漢方相談
posted by ヒゲジジイ at 13:11| 山口 ☁| 村田漢方堂薬局の徹底したポリシー | 更新情報をチェックする

2013年06月10日

C型肝炎が進行して肝硬変による腹水に対する対症療法の依頼

2006年1月8日のボクチン(1歳半)
2006年1月8日のボクチン(1歳半) posted by (C)ボクチンの母

 1〜2処方のみによる対症療法の依頼を受けることは比較的少ないのだが、今年はどうしたことか肺がん末期の咳嗽に対する対症療法の依頼や、肺がん転移による脳腫瘍に対する対症療法の依頼や、大腸癌末期の腹水除去の依頼など、中医漢方薬学の本領を発揮する弁証論治にもとずくフル配合が出来ない仕事は実に忸怩たるものがある。

 数ヶ月前から本題のC型肝炎が進行して肝硬変による腹水に対する対症療法を依頼され、分消湯エキス製剤のみを服用してもらっているが、かなり軽減して楽にはなられているが、この方剤だけでは対症療法に終わることは目に見えている。
 様子を見ながら配合を増やすべきだが、経費的な問題もあって希望されないのだからやむを得ない。

 肝硬変や末期がんの腹水の場合、分消湯が適応する場合もあり、補気建中湯で速効が得られる場合もあるが、いずれも奏功しない場合もある。
 こられの方剤で奏功しない場合は複数の配合が必要な場合も多いが、たとえ速効が得られても対症療法に終わりやすいので、本来なら徐々に弁証論治にもとづいた根治的に作用する配合をさらに加えるべきことは言うまでもない。

 しかしながら対症療法で構わないと言われる場合は、分消湯や補気建中湯による腹水を軽減できただけでも、あるいは肺がん転移による脳腫瘍に対する牛黄製剤のみでも効果を感じられ、あるいは肺癌転移による咳嗽に対する単一方剤による軽減効果に、ご本人達による一定の評価が得られているだけでも良しとせざるを得ない現実がある。

KSC_0832
KSC_0832 posted by (C)ボクチンの母

2013年06月08日

病院の保険漢方の理解できる投与と理解に困しむ投与

2006年1月8日のボクチン(1歳半)
2006年1月8日のボクチン(1歳半) posted by (C)ボクチンの母

 脂漏性皮膚炎とて、病院の保険漢方で黄連解毒湯と桃核承気湯が投与されており、便秘症や生理痛は改善したが、肝腎な脂漏性湿疹はまったく効果が見られない。
 ヒゲジジイの弁証論治の詳細は省いて結論だけをいえば、猪苓湯と茵陳蒿湯の併用で一週間で一定の効果が得られている。

 結果的に病院の黄連解毒湯と桃核承気湯の投与は主訴に対しては誤治ではあったが十分に理解できる誤投与である。

 次は顔面湿疹で、遠路はるばる関東から日帰りの強行軍で来られた人。
 緊張によって顔面が紅潮して湿疹を伴う。解釈の仕方によっては「酒さ」とも取れるが、酒さであれば、病院漢方で十味敗毒湯がブームであるらしいが、当方に来られる酒さの女性達に十味敗毒湯がフィットした例は皆無で、いずれも共通している基本方剤のベースが杞菊地黄丸であることが多い。

 余談はともかく、この顔面湿疹に病院からは六君子湯が投与されていた。まったく理解に困しむものである。
 ヒゲジジイの弁証論治の詳細は省いて結論だけをいえば、柴胡桂枝湯に茵蔯蒿湯を併用してもらったところ一週間で一定の効果が得られた。

 いずれも継続服用中であるが、あえて病院の保険漢方を話題に出したのは、寄せ手は返す波の音。
 数十年前までは漢方薬をボロクソにくさして軽蔑しまくり、医師によっては罵詈雑言、ケンモホロロに親の敵にでもあったかのように否定しまくっていた連中が、昨今では漢方知識が乏しい医師達までもが嬉々として保険漢方を誤投与して患者さんにたち迷惑をかけている事例が目立つからである。

2006年1月8日のボクチン(1歳半)
2006年1月8日のボクチン(1歳半) posted by (C)ボクチンの母

posted by ヒゲジジイ at 22:58| 山口 ☁| 病院の保険漢方による誤投与あるいは危険な配合 | 更新情報をチェックする

2013年06月06日

不定愁訴の漢方相談におけるピントについてのご質問

2006年1月8日のボクチン(1歳半)
2006年1月8日のボクチン(1歳半) posted by (C)ボクチンの母

ブログへの転載の可否 : ブログへ転載を許可します
年齢 : 30歳〜39歳の女性
簡単なご住所 : 関東地方
お問い合わせ内容 :

漢方薬がフィットする、ピントが合うとはどういう意味なのですか。

 今、近くの漢方薬局に通って1年経つのですが、今だ主訴が改善しません。
 しかし、全くピントがずれてるとも思わず、薬剤師が一生懸命な所以、情がわいてしまい、通うという状況です。

 不定愁訴なのですが、フィットすれば、一気に改善することはありますか。

 諦めて他の漢方薬局に行くか迷っていて、どうすれば良いかわかりません。
 ヒゲジジイ様のお知恵を何か頂けませんでしょうか。

 ご多忙中お手を煩わせ申し訳ありません。何卒よろしくお願いします。

2006年1月8日のボクチン(1歳半)
2006年1月8日のボクチン(1歳半) posted by (C)ボクチンの母

お返事メール:
 漢方薬のピントという言葉は、いうまでもなく「もののたとえ」であり、カメラのピントのようにピントがしっかり合えばシャープに奏功するものの、ややピンボケからかなりピンボケまで、それによって効きめにも優劣が出てしまうというたとえ話ということです。

 貴女のお悩みは不定愁訴ということですが、症状の内容によってはなかなかくっきりとピントが合わないこともあり得ます。
 それでもややピンボケであっても、根気よく微調整を繰り返しながら継続服用しておれば、くっきりしたピントのあった配合が得られないままでもいつの間にかほとんど改善してしまうということも珍しくありません。
 ところで、

>近くの漢方薬局に通って1年経つのですが、今だ主訴が改善しません。しかし、全くピントがずれてるとも思わず、薬剤師が一生懸命な所以、情がわいてしまい、通うという状況です

 とありますが、そのように熱心な薬剤師さんがおられれば、お近くで頻繁に通える状況を幸いと思って、今後も諦めずに通いつめるのが最善だと思います。

 私自身も若い頃は、なかなか効果が出なくても、そのようにいつまでも頑張ってくれる人たちのお陰で実地の漢方相談の訓練と学習により少しずつ習熟して来れたのです。
 ですから、そのような熱心な薬剤師さんを育ててあげるくらいのつもりで、いつまでも頑張っていれば親しくなるにつれ、いつの間にか貴女の体質を深く知るところなり、いずれはもっとよい工夫と臨機応変の配合変化などをお互いに学ぶことがたくさん出てくるはずで、そのうち気が付いたらしっかり改善しているということになると思います。

 急がば回れで、本命の不定愁訴が治ったあとも、体質をよく知ってもらうことが出来たお陰で、その後の急性疾患や思わぬ病気のときにもそのときの状況に応じた漢方薬を適切に指南してもらえるようにもなり、後々にも得るところがとても大きいものと思います。

 翻って、私もそろそろ40年のキャリアとなりましたが、現在でも貴女のように熱心に通ってくれる新人さんたちのお陰で、この歳になっても新たな発見と工夫が得られているのが現状です。

>不定愁訴なのですが、フィットすれば、一気に改善することはありますか。

というご質問の件ですが、これも実際の具体的な症状と体質によりけりで、一気に改善できる運の良い人もたくさんおられる反面、人によってはなかなか難航することもあるのが現実です。
 たとえ一気に改善できた人でも、効果が出た時点で漢方薬の服用を怠ると直ぐに再発してしまう人もありますので、運の良い人でも一定期間は継続服用して体質を変える必要があります。

 蛇足ながら過去、以前のブログにも書いたことがありますが、特殊な不定愁訴の女性が本当に漢方薬の効き目を実感してもらえたのが3年後で、それまでは効いたり効かなかったりの繰り返しで大変気の毒な状態が3年間も続いたのですが、他所でも治らなかったので、ずっと頑張ってもらえた成果がようやく3年後にみのりはじめ、その後、現在では二十年以上のお付き合いの常連さんとなられています。
 その女性には折々に「私は漢方薬にめぐり合えなかったら2回は死んでいたと思う」と述懐されておられます。
 
 取り急ぎ、お返事まで。

2006年1月8日のボクチン(1歳半)
2006年1月8日のボクチン(1歳半) posted by (C)ボクチンの母

折り返し頂いたメール:ヒゲジジイさま

 早速のお返事と温かいお言葉ありがとうございました。(なんとなく怒られるかもと思っていましたので)
ヒゲジジイさんのご経験もお話頂け、とても参考になりました。
 ピントの説明がわかり易く、理解できました。
 もうしばらくだけ現在の薬局に通ってみようかとぼんや〜り考え中です。

 ひげじじいさんのおっしゃるとおり、ピンボケの繰り返しでも執拗に通い詰めれば、いつの間にか治っているということがあるかもしれないですね。このような結果に期待したいです・・・。

 私も最初のころは、薬剤師さんを育ててあげるくらいの寛容さで通っておったのですが、経費的にもきつくなり、漢方薬の種類もどんどん増えていき、少し疑問を感じることもあり、今でも迷っています。病気の辛さと、自分の欲と、治してくれるかもという期待と、無理かもという想いと・・・。何を優先すべきか・・・。病気とは本当に厄介なものですね。命にかかわる病でないことに感謝すべきなのでしょうが・・・。

 なかなかピントが合わないということは、その薬剤師の腕が足りないということでしょうか。
 そうではなく、難航するものはどんなに経験・知識・腕があっても難航するものですか。

 ピントが合わなくても、何度ピンボケで効果がなくても、そこに対して、薬剤師・医師を自分が、許容できるかどうかなのかもしれないですね。(多分、漢方に限らず、医療すべてにおいて・・・。)ヒゲジジイさんのブログももう一度勉強させて頂きます。

 長文失礼致しました。

追伸:ヒゲジジイさん、お体に気をつけて、益々がんばって下さい。

新入りのシロちゃん(メス)
新入りのシロちゃん(メス) posted by (C)ボクチンの母

ラベル:不定愁訴
posted by ヒゲジジイ at 16:49| 山口 ☁| 更年期障害・自律神経失調症や不定愁訴症候群 | 更新情報をチェックする

2013年06月05日

五十肩には葛根湯証があっても地黄と独活が足りない葛根湯ではやっぱり無効だった

2005年12月27日のボクチン(1歳)
2005年12月27日のボクチン(1歳) posted by (C)ボクチンの母

 葛根湯証があれば、通常の肩こりや頭痛に効果があり、頸椎症から来る眩暈や耳鳴りにまで効果がでることが多いが、腕が上がらなくなるようないわゆる五十肩にはたとえ葛根湯証があっても無効である場合あり、以前にもこのブログで取り上げたが、再び同様なケースに遭遇した。

 肩こりや頭痛などに折々に葛根湯で効果を上げていた常連さんが、こんどばかりはほとんど効かないといって来局された。
 当方の常連さんというからには日頃からの徹底した指導により、そんじょそこらの薬局さんよりも漢方薬の運用に習熟している人達である(笑。

 症状を効けば腕が上がらない五十肩の様相を呈している。そこで例によって葛根湯を中止して、独活葛根湯に切り替えてもらうと超速効!
 わずか地黄と独活が加わるだけで、これほど無効と超速効との歴然とした差がつくのだから恐ろしい。

 地黄については日頃から杞菊地黄丸を常用している人であってもこの通りである。

 蛇足ながら、各種眼科疾患に使用される杞菊地黄丸については、粉末を丸剤に製した製剤と、濃度の濃いエキス顆粒と効能比較を同一人物で行ってもらった結果、明らかに濃度の濃いエキス顆粒製剤の方が効果が高い。
 使用された原料が乾地黄と熟地黄という違いの影響も否定できないが、価格差以上の効能の違いが歴然としている模様。

2005年12月27日のボクチン(1歳)
2005年12月27日のボクチン(1歳) posted by (C)ボクチンの母

2013年06月04日

補気建中湯がワンちゃんの末期がんの腹水を軽減できたが・・・

2005年12月21日のボクチン(1歳)
2005年12月21日のボクチン(1歳) posted by (C)ボクチンの母

【 ブログへ掲載の可否 】:転載応諾(ブログへ転載させて頂く場合があります。)
【 性 別 】:女性
【 地 域 】:九州
【 おたより 】:ヒゲジジイ先生 はじめまして。

 このたびは、一言お礼をお伝えしたく、メールしています。

 長い間一緒に過ごしてきた愛犬(大型犬)が、末期がん(肝臓腫瘍)の宣告を受けました。腹水が溜まっており、腹水には血が混じっていました。全身への転移も見受けられ、内科的にも外科的にも治す手段はなく、炎症止めのステロイド剤が処方され、死を待つのみの状態で、自宅での緩和治療が始まりました。

 担当の獣医師、身内の外科医からの意見を参考にし、その場しのぎの延命治療(腹水穿刺、点滴等)を行なわないことに決めました。

 手がつけられない最悪な状態だと分っていても、奇跡を起こせないものかと、民間療法の情報収集をし漢方薬やサプリメントを試しつつも、助ける事が出来ないなら、せめて苦しませることなく楽に逝かしてあげたい。パンパンに張ったお腹の腹水をとってあげることが出来ないものかと、毎晩毎晩情報収集していく中で、ヒゲジジイ先生のブログに辿り着き【補気建中湯】の存在を知りました。

 【補気建中湯】が、効いたとしても、体内のバランスが崩れ、亡くなる可能性があることを十分承知の上で【補気建中湯】を使用しました。

 服用して四日目からポタポタと尿が出始め、その二日後から大量のおしっこをしました。張っていたお腹が柔らかくなり、呼吸が楽になり、大きくなった肝臓腫瘍が飛び出ているのが分るほどになりましたが、腹水がとれて楽になったのでしょう。横で寝ることや自分で身体を少し伸ばす事も可能にしてくれた数日間でした。最期も大量のおしっこをした後に、息を引き取りました。

 今回、ヒゲジジイ先生の労を惜しまない同業者さんへの情報発信のお陰で【補気建中湯】を知ることが出来ました。本当にありがとうございました。そして【補気建中湯】を製造販売してくださっているコタローさんに感謝致します。本当にありがとうございました。

2005年12月21日のボクチン(1歳)
2005年12月21日のボクチン(1歳) posted by (C)ボクチンの母

お返事メール:おたよりありがとうございます。
 補気建中湯が少しでもお役に立ててよかったです。
 亡くなられたワンちゃんとはまたあの世で会えることを信じて前向きに頑張って頂きたいと存じます。

 補気建中湯のエキス製剤が実現した最終的なきっかけは、コタローさんの社員の方が末期がんで同様に腹水が激しく、病院治療でも効果がなく、とても苦しむので村田漢方堂薬局に問い合わせがあり、補気建中湯とキノコ類の煎じをアドバイスしていたところ、服用後短期間で腹水が取れ、激しい苦痛が一気に解消してご本人はとても喜ばれたということがありました。

 結局はその後二週間以内にお亡くなりになったそうですが、補気建中湯がフィットした場合は速効が出て苦痛をかなり軽減できることを実際に確認して頂けたことが製造許可取得の最終決断のきっかけとなったようでした。

 また、最近のブログでお問い合わせのあった⇒2013年05月10日 漢方薬局の紹介依頼(末期がんの腹水) の方は、往復の旅程の危険をおかして「自己責任」で決断したということで遠路はるばる当方に連れて来られてしまいました。

 既に数日前に脳梗塞も合併されていたらしいのですが、帰宅される前に補気建中湯と特殊なキノコ類の各エキスを服用してもらい、帰宅後2回目の服用で直ぐに効果があらわれ次第に腹水が軽減されて、お喜びのメールが届いたほどでした。

 その後は直ぐに脳梗塞治療のため入院点滴治療が開始されたのですが、点滴による腹水の増悪もなく、短期間で腹水はかなり軽減してとても楽になり、脳梗塞治療の方もとても順調だとお喜びのメールが届いたものでした。

 ところが、その数日後には点滴中に内臓出血が勃発して急にお亡くなりになったという連絡が入りました。
とても残念なことでしたが、抗癌剤や利尿剤多用による脳梗塞の併発の問題およびその治療のためのヘパリンの影響も、末期がんでは常につきまとう危険性ゆえ、止むを得ないことのようでした。

 このように補気建中湯がお役に立てるケースというのも、そちらのワンちゃんと同様に末期の苦痛を軽減するだけに終わることも多い現実がありますが、ご本人やワンちゃんにとっては苦痛が軽減できただけでも、コタローさんに無理をお願いして補気建中湯のエキス製剤を実現してもらってよかったなあ〜と感じています。

 なお蛇足ながら、補気建中湯+特殊なキノコ類のエキスが奏功した場合、腹水軽減と苦痛軽減だけでなく半数近くの人はかなりな延命効果が出て、一時退院できた人もありますので、やはり補気建中湯がエキス製剤化された価値は大いにあるように思っています。

 おたより本当にありがとうございました。

2005年12月10日のボクチン(1歳)
2005年12月10日のボクチン(1歳) posted by (C)ボクチンの母