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漢方を専門とされる医師により、まったく信じられない投与により激しい副作用を生じて、遠路はるばる当方まで助けを求めて来られた二つの事例。
お一人は県内とはいえ下関からはやや遠方。
年来の酒さ(しゅさ)の悩みで漢方を専門とされる地元の医院で治療を受けたところ、麻黄附子細辛湯が投与され、激しいふらつきと熱感に見舞われ、その後も当帰芍薬散や桂枝茯苓丸など保険漢方で投与されるも一向に改善がみられない。
当方では二処方の組み合わせにより滋陰清熱法を行って、年来の悩みの酒さ(シュサ)の症状はほんの2ヶ月も経たないうちに明らかに改善しつつある。
甲信越地方から来られたケースでは、帯状疱疹後神経痛とて、当方に来られる前には先ず、地元近辺の病院の東洋医学専門科で受診。
そこでは葛根湯に附子(ブシ)や烏頭(ウズ)まで配合された方剤で、服用後に激しい火照り感とともに血圧が190まで上昇して生きた心地がしなかったと言われる。
病院漢方にはコリゴリだと思って、今度は地元近辺の漢方薬局で相談。
そこでも同様に葛根加朮附湯エキス製剤を奨められるので、これは病院で似たものを投与されてカクカクシカジカだからと伝えても、(烏頭の入らない)葛根加朮附湯証に間違いないということだった。
当方では中医漢方薬学の基本通りの配合をお出ししばかりだが、いずれにせよ、昨今の附子剤の乱用は目に余るものがある。
こんなことから漢方薬の評判を落として日本国内の漢方薬の消費量が落ちることはまんざら悪いことではないかもしれない。
というのも、時代の趨勢から日本国内には漢方薬の原料輸入が次第に困難さを増している状況なのだから。
それにしても彼らは寒熱虚実の見極めをまったく行ってないというよりも、そのような基礎知識が完全に欠落しているに違いない。

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