2012年10月29日

酒さ様皮膚炎と生理不順の漢方薬

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ASC_6462 posted by (C)ヒゲジジイ

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年齢 : 20歳〜29歳の女性
簡単なご住所 : 関東地方
お問合せ・ご連絡内容 : 以前に、十味敗毒湯を3ヶ月程服用して悪化したことを相談させて頂いた◎◎と申します。この度も相談させて頂きたく、メール致しました。どうぞ宜しくお願い致します。
 
 近場で漢方薬局を見つけ、6月から現在も通院しております。前回のメールの御返事で色々と教えていただき、そのお陰で漢方薬局に行くことができました。本当にありがとうございました。
 十味敗毒湯で身体に熱がこもった様な状態は、漢方薬を一ヶ月程、服用し改善いたしました。(黄連解毒湯、五涼華、涼血清営顆粒)

 相談の方ですが、私は、顔に酒さ様皮膚炎があり、そこで一緒に診て頂くことになりました。それから生理不順の治療を進められ、二つの症状に良い漢方薬を処方して貰い、半年が経ちました。
 ただ、最近、本当にこのまま続けて良いのか不安を感じています。なぜならば、初診時に進められて付け始めた基礎体温がさらに悪化してしまったからです。

 元々、生理痛もあり、周期も遅れがちです。生理期間は5〜7日以内、量は普通〜少し多め。初診〜二ヶ月程度、基礎体温はガタガタはしていましたが、台形の形がわかる程度でした。
 3ヶ月目からの基礎体温は、更にガタガタになってしまい、台形が全くわからないようになってしまいました。(自律神経が弱く、緊張タイプにはよくあることだと言われました。排卵はしていると言われました。)

 さらに、最近になって、ずっと良かった顔の皮膚炎が悪化してしまいました。酒さ様皮膚炎も火照る範囲が増えた?ような感じがあります。自分が、正しい漢方治療をしてくれる薬局を見つけられなかったのかもしれません。
 それとも、偶然、悪化してしまっただけか、それか漢方薬が合っていないのか、まだ効果が出ていないだけか。不安な気持が基礎体温をガタガタにさせてしまい、顔の状態も悪くなってしまっただけかもしれません。

 厚かましいとは思いますが、以下に、処方された漢方薬とその症状を簡単に記載しております。何かアドバイスなど頂けないでしょうか?今、一番知りたいのは、本当にこれでいいのか?続けていいのか?です。

 6月・7月黄連解毒湯、清営涼血顆粒、五涼華
 ●十味敗毒湯で身体に熱がこもった様な状態が治る。体の湿疹も出にくくなった。

 8月加味逍遥散、清営涼血顆粒、五涼華、弟切草
 ●顔の赤みがあったのと、基礎体温が更にガタガタになってしまったため、加味逍遥散を加える。 弟切草は生理痛改善のため。

 8月半ば〜9月半ば知柏壮健丸、清営涼血顆粒、五涼華、弟切草
 ●基礎体温が変わらないため、顔の赤みにもいいということから、知柏壮健丸に変更。それでも基礎体温が更にガタガタになる。

 9月半ば〜10月半ば二至丹、瀉火利湿顆粒、清営涼血顆粒、五涼華、弟切草
 ●今まで何ともなかった両頬の下の辺りが火照りだし、た赤いブツブツ、浸出液を伴う湿疹ができ、顔全体が痒い。基礎体温も悪化したまま。

 現在杞菊地黄丸、加味逍遥散、竜胆瀉肝湯、涼血清営顆粒
 ●五涼華は夏の薬のため出なくなる。顔の湿疹や火照りは変わらない。基礎体温もガタガタ。

 体質は、淤血タイプで、舌の裏側の静脈が太いです。(漢方薬を飲む前から)酒さ様皮膚炎は冬に温度差で赤く火照ります。大変長文、乱文で申し訳ありませんが、どうか宜しくお願い致します。

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ASC_6654a posted by (C)ヒゲジジイ

お返事メール:
 今年の2月のブログ ニキビ治療に十味敗毒湯3ヶ月連用で各所に湿疹が勃発 で体質に合わない十味敗毒湯を3ヶ月も服用し続けて体調がますます悪化したご相談、先ほど読み直してみました。
今回は、その副作用は黄連解毒湯などの服用により解決したものの、酒さ様皮膚炎も一緒に治してもらうつもりが、生理不順の治療も奨められたとのこと

>9月半ば〜10月半ば二至丹、瀉火利湿顆粒、清営涼血顆粒、五涼華、弟切草
●今まで何ともなかった両頬の下の辺りが火照りだし赤いブツブツ、浸出液を伴う湿疹ができ、顔全体が痒い。基礎体温も悪化したまま。

とのことですが、おそらく二至丹がフィットしてないのだろうと思われます。
 ただ、酒さ様皮膚炎と生理不順を治すにしては、些かピント外れの配合のように思えてなりません。

 通われているのは俗に言う「パンダ薬局」のようですが、その薬局さんではパンダの研究会で取り扱う中薬製剤の販売を主体にされるあまり、配合に融通性が乏しいように思われます。
 十味敗毒湯の副作用を治してくれた配合の中の黄連解毒湯を残すべきだったのかもしれません。

 また、瘀血の存在が間違いなければ、貴女の体質がシナモン類の肉桂(桂皮)に敏感に反応して悪影響が出る体質でなければという条件付ですが、桂枝茯苓丸を併用する配合、黄連解毒湯合桂枝茯苓丸からはじめてもよかったのではないかと思われます。

 ともあれ、近くの通える範囲の漢方薬局であれば、デリケートな皮膚病を扱う場合は他の疾患とは異なって、症状が安定するまでは少なくとも7〜10日毎に通いつめて、必要に応じて配合の微調整を頻繁に行わなければ、直ぐにはフィットした配合が得られないことはしばしばです。

 五ヶ月近く通って却って悪化したり湿疹がよけいに出没して来るというのでは通う意味がないので、特定の研究会の製品ばかりを中心に販売される偏った中医学派では、うまく行くとは限らないかもしれません。
 現在通われている薬局では治りが悪いと薬が増えるばかりのようですが、本来ならこんなときは、いったん配合処方を確実に効果があると思われる処方だけに絞り込んで、出直すのが無難なのです。

 その薬局さんではもしも今後も一から出直すという考えがなく、逆に漢方薬が増えるばかりであれば、効果が無い上に配合が複雑になり過ぎて支離滅裂になりかねないので、もっとマシな薬局に変えたほうが無難かもしれません。

 蛇足ながら、酒さ用皮膚炎と生理不順が合併している場合、もしも桂枝茯苓丸がフィットする体質であれば、体質によってはよほど運が良い場合は、黄連解毒湯の併用がなくても、この桂枝茯苓丸だけでほとんど治ってしまう人もおられるくらいです。
(但し、そうではないケースも多く、黄連解毒湯証や消風散証、あるいは茵蔯蒿湯証や葛根黄連黄芩湯証などが合併しているケースなど様々なタイプがあることは言うまでもありません。)
 取り急ぎ、お返事まで。

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posted by ヒゲジジイ at 00:04| 山口 ☀| 酒さ(酒皶)・赤ら顔・酒さ様皮膚炎・ステロイド酒さ | 更新情報をチェックする